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【スカイマーシャル】 †
旅客機に搭乗し、ハイジャックなどへの対処を任務とする武装警備員。
制度そのものは、古くからアメリカやイスラエルなどにあったが、2001年に起きた9.11事件を契機として、航空機そのものを武器として利用するテロの危険性が認識され、多くの国で制度が設置されることになった。
これは2003年、アメリカ政府が自国でのスカイマーシャル制度本格稼動に合わせ、自国内に着陸、もしくは自国領空を通過する旅客機を運行する各国の航空会社に対し、「出発地から武装警備員を添乗させる」ことを要請したのがきっかけとなっている。
個人装備としては、航空機内での迅速な対処のために回転式拳銃*1が多く用いられており、また、使用する弾丸も機体や他の乗客に影響を与えにくいホローポイント弾などが使われていると思われる。
日本では、2002年に韓国との共催で開催された「FIFAワールドカップ日韓大会」に際し、航空機テロ防止・フーリガン対策の一環として、大会開催中の日本〜韓国間の国際線及び試合開催地向けの国内便に武装私服警官を搭乗させたのが始まりであるが、この時は「臨時的な措置」とされており、大会終了後に一度廃止された。
その後、2003年のアメリカ政府からの要請を受け、成田空港を擁する千葉県警及び関西国際空港を擁する大阪府警の機動隊に恒久的なスカイマーシャル組織を置くことになった。
その後、羽田空港への定期国際便乗り入れ増加に伴い、2014年に警視庁にも設置されたが、中部国際空港を擁する愛知県警には現時点で存在が確認されていない。
*1 動作が確実で信頼性に優れる。また、周囲に乗客が居る環境では空薬莢が飛び出す半自動式拳銃は危険である。
*2 日本のスカイマーシャルは日本航空・全日空のアメリカ行きフライトに搭乗することになっているが、日本から出発するすべての便に乗れるほど多くはないと見られている。