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*&ruby(すーぱーきゃりあー){【スーパーキャリアー】}; [#o3d136d9]
Supercarrier~
[[満載排水量]]75,000トン以上の[[航空母艦]]を示す俗語。~
Supercarrier.~
~
1948年、アメリカ海軍が核攻撃用に計画した[[ユナイテッド・ステーツ]]が、[[大型空母]]として建造された[[ミッドウェイ]]級よりもさらに大きかったことからつけられた通称である。~
結局[[ユナイテッド・ステーツ]]はキャンセルされたが、その後[[フォレスタル]]級の登場により実現した。~
この巨大空母の出現によって、アメリカ海軍航空隊は大型の[[艦上攻撃機]]([[戦略爆撃機]])である[[A-5]]を運用できるようになり、本格的な[[核兵器]]運用能力を得た。~
[[フォレスタル]]級の後、それに続く[[キティホーク]]級・[[エンタープライズ]]・[[ジョン・F・ケネディ>キティホーク]]・[[ニミッツ]]級もスーパーキャリアーに分類される。~
これらは、やはり大型の[[艦上機]]である[[F-14]]が運用可能な艦種とも完全に一致する。~
~
一方、ソ連海軍でも大型の「ウリヤノフスク」級[[航空巡洋艦]]が計画されていたが、ソ連の崩壊とともに建造は中止され、その後、[[ロシア連邦軍>ロシア軍]]になったいまでもスーパーキャリアーは登場していない。~
また、フランスの[[原子力空母]]「[[シャルル・ド・ゴール]]」は、アメリカのものに比べて[[排水量]]が小さく、スーパーキャリアーには含まれない。~
今のところアメリカ以外にスーパーキャリアーを持ちえた国は存在せず、スーパーキャリアーは強大な軍事力を持つ[[アメリカ軍]]の象徴といえる。~
[[満載排水量]]が75,000トン以上の[[航空母艦]]を示す俗語。~
現在の所、アメリカ以外にスーパーキャリアーを持つ国はなく、アメリカの軍事的象徴といえる((かつては、ソ連海軍も大型の[[ウリヤノフスク]]級[[航空巡洋艦]]を計画していたが、ソ連崩壊と共に中断。&br;  [[ロシア連邦海軍>ロシア軍]]は、現在に至るまでスーパーキャリアーを配備できていない。))。~
実際、この表現自体がアメリカの国威を誇示する自画自賛的なニュアンスを含んでおり((「超大国(Super Power)の空母(Carrier)」を意図した表現とも受け取れる。&br;  当初のスーパーキャリアーが[[核兵器]]の運用を想定した「最終兵器」である事もこの事についての傍証であろう。))、親米国以外では一般的な概念ではない。~

**異説 [#h30965b8]
前述のように「スーパーキャリアー」という言葉はあくまでもアメリカを中心とした俗語であり、定義の「75,000トン以上」というのも[[メートル法>メートル]]上での数値であるのか、あるいは、アメリカで用いられる独特の単位である「米トン」での数値なのかはっきりしていない。((国際慣例上はメートルトンを用いての解釈となるが、アメリカを中心とした俗語であるため、そのままでの解釈には疑念が生じる。))~
>その性質上、「75,000トン」の定義も定かでない。~
アメリカは度量衡について国際標準を無視して伝統的なヤード・ポンド法を用いる傾向があり、「トン」についても国内表記が国際標準と一致しない。~
ヤード・ポンド法を基準において「1トン」という場合、概算しやすいよう「1トン=2,000ポンド(=907.18kg)」という前提で計算される事が多い。~
従って、「75,000トン」が国際標準の[[メートル法>メートル]]での「7500万kg」のことなのか、アメリカ式ヤード・ポンド法での「1億5000万ポンド(=6803万8500kg)」なのかは不明である。

[[戦略]]的には、[[戦略爆撃機]]を含む大型[[艦上攻撃機]]を運用する事を設計意図とする。~
実態としては[[A-5]]・[[F-14]]が運用可能な艦種を指してスーパーキャリアーと呼ぶ事が多い。~
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仮に「75,000米トン以上」とすれば、メートル法換算では「約68,000トン以上」となり、この場合、ユナイテッド・ステーツが着工する4年前に竣工した旧日本海軍の「信濃」が、世界初のスーパーキャリアーであるとも解釈しうる。~
しかし、信濃はユナイテッド・ステーツ、あるいはそれ以後に建造された米空母とは設計思想が根底から違っているため、同列に解釈するには無理が生じる。~
「スーパーキャリアー」という表現の初出は1948年。~
核攻撃用として計画された「[[ユナイテッド・ステーツ]]」が、当時最大級の[[大型空母]]よりも巨大であった事に由来する。~
[[ユナイテッド・ステーツ]]の建造は中止されたが、その約10年後に竣工した[[フォレスタル]]級が史上最初のスーパーキャリアーとなった((異説として、旧日本海軍の「[[信濃]]」をはじめとする、というものもあるが、この説には疑問が持たれている。詳しくは項を参照。))。~
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同艦は、元々「[[大和]]」級[[超ド級]][[戦艦]]の一艦として設計・建造されていたものだったが、1942年の[[ミッドウェー海戦]]で大量に喪失した[[連合艦隊]]の空母戦力を補完するために改造されたものだった。~
また、空母への改造に当たっては「敵艦隊を[[アウトレンジ]]すべく、[[機動部隊]]の前方海面に進出し、他の空母((商船改造の[[軽空母]]など。))から発進してきた[[艦載機]]に燃料・弾薬を補給する洋上中継基地」としての性格が重視されていた。~
そのため、予想される敵攻撃隊の攻撃に耐えることが求められたのと、[[ミッドウェー海戦]]の[[戦訓>バトルプルーフ]]も加味して[[飛行甲板]]を[[装甲]]化したことで、結果的に[[排水量]]が増えた、というのが実情で、[[艦載機]]の搭載量は[[排水量]]の割に小さかった((当初案では自前の[[艦上攻撃機]]・[[艦上爆撃機]]を搭載せず、直衛用の[[零戦>零式艦上戦闘機]]のみを搭載することとされていた。))。
関連:[[フォレスタル]] [[キティホーク]] [[エンタープライズ]] [[ニミッツ(航空母艦)]] [[ジェラルド・R・フォード]] [[信濃]]


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