【シーウルフ】(しーうるふ)

  1. 第二次世界大戦中に開発されたアメリカ海軍艦上攻撃機TBU/TBY?の愛称。

  2. SS-197 USS Seawolf
    1937年〜1938年に建造された「サーゴ?」級潜水艦の2番艦。
    1938年9月にポーツマス海軍造船所で起工、1939年8月に進水し、1939年12月に就役。
    太平洋戦争時には太平洋艦隊に配備され、主に通商破壊任務についていたが、1944年10月3日に友軍駆逐艦「リチャード・M・ローウェル」の誤爆によって失われた*1

    スペックデータ
    排水量(水上/水中)1,450t/2,317t
    全長94.6m
    全幅8.2m
    吃水4.2m
    機関ゼネラル・モーターズ製248型16気筒ディーゼル×4基
    ゼネラル・エレクトリック発電機×2基
    最大速度
    (水上/水中)
    20ノット(37km/h)/8.75ノット(16km/h)
    試験深度76m
    乗員士官、兵員70名
    兵装3インチ(76mm)砲×1門
    21インチ(533mm)魚雷発射管×8門
    機銃
  1. SSN-575 USS Seawolf
    1950年代、アメリカ海軍が「ノーチラス」に続き、2番目に建造した原子力潜水艦。

    開発当初、艦載原子炉についての技術がまだ熟成しておらず、本艦には静粛性向上や炉本体の小型化などを狙い、ジェネラルエレクトリック社製の中速中性子炉が搭載されることになった。
    しかし、就役前の1956年、その原子炉を繋留状態で全力試運転していた際、熱伝導材である溶融ナトリウムが漏れて7名が放射線被曝するという事故を起こしてしまう。
    アメリカ海軍初の「艦載原子炉における放射性物質漏洩事故」となった本件を契機に、中速中性子炉は問題視され、就役前公試からは運転出力に制限(最大出力の80%以下)が課され、最大速力の低下を余儀なくされた。

    その後、1958年〜1960年に改装が行われ、原子炉加圧水型に交換された。

    スペックデータ
    船型鯨型
    排水量(水上/水中)3,260t/4,110t
    全長102.9m
    全幅8.40m
    吃水6.70m
    予備浮力14.6%
    主機原子力ギアードタービン
    GE S2G型溶融金属冷却型原子炉×1基
    WEC S2Wa型加圧水型原子炉×1基(改装後)
    蒸気タービン×2基 4翼スクリュー×2軸推進
    ガピーI型電池×126個1群
    出力15,000hp
    最大速力(水上/水中)23kt/19kt
    安全潜航深度213m
    乗員101名
    兵装533mm魚雷発射管×6門(魚雷22本または機雷)
    射撃指揮装置Mk.101水中射撃指揮装置
    ソナーSQS-4
    BQR-4A

    同型艦
    艦番号艦名主造船所起工進水就役退役
    SSN-575シーウルフ
    (USS Seawolf)
    エレクトリック・ボート1953.9.71955.7.211957.3.301987.3.30
  1. SSN-21 Seawolf
    1990年代に就役したアメリカ海軍の原子力攻撃潜水艦

    当初、本艦は旧ソ連海軍が1986年に就役させたアクラ?級(プロジェクト971型「シチューカB」)SSNに対抗できる艦として設計・開発が始まった。
    高い静粛性などを誇る同艦に対抗すべく、静粛性や氷海行動力・弾庫容量が重視され、アメリカ海軍の潜水艦では初めてとなるポンプジェット推進が採用されるなど、金の壁を無視したコスト度外視の高性能艦として設計された。
    また、3番艦「ジミー・カーター」はSEALsやROV(遠隔操作無人探査機)を運用するための区画を設けたことで、同級他の2隻と比較して、船体が30m延長されている。

    性能要求は概ね達成したものの、建造の遅延で建造費が21億ドルと高騰したうえ、冷戦終結によって需要を失い、3隻のみで建造を打ち切られている*2

    スペックデータ
    種別攻撃型原子力潜水艦
    主建造所エレクトリック・ボート社
    排水量
    (水上/水中)
    7,460t/9,150t
    全長107.6m
    138m/128.5m(水線長)(ジミー・カーター)
    全幅12.9m
    喫水10.9m
    予備浮力22.7%
    船型HY-100スチール製 葉巻型・単穀式
    主機関原子力ギアード・タービン推進 ポンプジェット(旋回スラスター付)1軸推進
    WEC S6W加圧水型原子炉×1基
    蒸気タービン×2基
    WEC 2次推進モータ×1基
    出力52,000shp
    潜行深度600m(最大)
    最高速力
    (水上/水中)
    25kt/39kt
    定員133名
    (士官12名、下士官101名)
    主要兵装Mk69 660mm(26インチ)エアタービン駆動 水圧式魚雷発射管×8門
    (Mk48魚雷・ハープーントマホーク又は機雷を搭載。(弾庫容量52発))
    ソナーBQQ-5E統合ソナー
    (BQS-13、BQG-5A WAA、WLY-1、BQS-24、TB-16EおよびTB-29曳航アレイソナー)
    レーダーBPS-16
    BRD-9
    WLQ-4
    戦闘データ・システムBSY-2 SUBACS-B
    CCS Mk2

    同型艦
    艦番号艦名起工進水就役母港
    SSN-21シーウルフ
    (USS Seawolf)
    1989.10.251995.6.241997.7.19グロトン
    (コネチカット州)
    SSN-22コネチカット
    (USS Connecticut)
    1992.9.141997.9.11998.12.11グロトン
    (コネチカット州)
    SSN-23ジミー・カーター
    (USS Jimmy Carter)*3
    1998.12.52004.5.132005.2.19キトサップ海軍基地
    (ワシントン州)

  2. イギリス海軍のS級駆逐艦の一隻。

  3. イギリス海軍のS級潜水艦の一隻。
    S級潜水艦の第二グループとして1934年5月25日に起工し、1935年11月28日に進水、1936年3月12日に就役した。
    第二次世界大戦時はイギリス近海やノルウェー海の哨戒に従事した。
    1945年6月23日に除籍・解体。

  4. シンガポール海軍のミサイル艇。2008年退役。

  5. GWS-25/26 SeaWolf?
    BAeのミサイル部門(現MBDA)が開発した個艦防空用の第2世代短距離艦対空ミサイル
    誘導方式はCLOS(コマンド・ツー・ラインオブサイト)と呼ばれる指令誘導、弾頭は重量14kgの榴弾
    専用のVLSを用意するなどの改良を加えた後継のGWS-26も同じくシーウルフと呼ばれる。

    スペックデータ
    形式GWS-25GWS-26 Mod1
    全長2.0m3.0m
    直径18cm
    翼幅56cm
    発射重量82kg140kg
    射程1〜6.5km1〜10km
    速度マッハ3
    飛行高度6.5km
    最大射高3,000m
    推進方式固体推進ロケットモーター
    エンジンブリストル エアロジェット/RPE ブラックキャップ固体ロケットモーター
    弾頭HE 破片効果弾頭(14kg)
    信管近接・直撃
    誘導方式指令照準線一致方式
    (CLOS(コマンド・ツー・ラインオブサイト))
    操舵方式操縦翼面

    【主な搭載艦】
    • 初期型
    • 後期型
      • 23型(デューク級)?フリゲート
      • レキウ級フリゲート(マレーシア海軍)

【派生型】

  • GWS-25:
    初期型。箱形の6連装ランチャーに装填される。

  • GWS-26:
    後期型。VLSに装填される。

  • GWS-27:
    撃ちっ放し能力を有する型。配備されず。


*1 太平洋戦争でアメリカ海軍が失った潜水艦としては34隻目、誤爆で失われた艦としては2隻目である(1隻目はガトー級潜水艦「ドラド(USS Dorado, SS-248)」)。
*2 余談であるが、1980年代末〜1990年代に発表された長編劇画「沈黙の艦隊」に「アメリカ海軍の最新鋭潜水艦」として登場した架空の艦船「キング」「アレキサンダー」は、(連載当時)本艦の姉妹艦という設定であった。
*3 当初は建造予定になかったが、造船所の潜水艦建造能力を維持する為に特別に認められたという。

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