*&ruby(こんべあきゅうきゅうぜろ){【コンベア990】}; [#oba53637]
Convair 990 "Coronado".~
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1950〜1960年代、アメリカのジェネラル・ダイナミクス社コンベア部門((旧:コンソリデーテッド・ヴァルティ。))が開発・生産した中型ジェット[[旅客機]]。~
前作・[[880>コンベア880]]の改良型として開発されたが、後述する理由により、同社最後の旅客機となった。~
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前作の[[コンベア880]]は「''世界最速の旅客機''」という触れ込みで発売されたが、実際の機体は期待通りの性能が出せず、[[エンジン]]の整備性の低さや高騒音と黒煙、操縦の難しさや競合機に比べて少ない[[ペイロード]](([[ファースト>ファーストクラス]]/[[エコノミー>エコノミークラス]]の2クラスで90席と、増大する航空需要に対応できなかった。))など、様々な欠陥を抱えていた。~
そこで、[[アメリカン航空]]の要求に基づき、コンベア880が進空する前の1958年7月に開発が始まったのが本機である。~
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本機は[[コンベア880]]と基本設計を共通にしつつ、[[主翼]]を中心とした空力特性の改善、客席と[[ペイロード]]の増大(([[ファースト>ファーストクラス]]/[[エコノミー>エコノミークラス]]の2クラスで106席を確保した。))、[[ターボファン]]エンジンへの換装、[[アビオニクス]]の信頼性向上などの改善が施された。~
また、最大速力を[[マッハ]]0.91まで引き上げるため、[[エリアルール]]に基づく「スピードカプセル」と呼ばれる紡錘形の筒が主翼後縁からせり出すように付加された。~
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しかし、実際の製品ではそのスピードカプセルが予想以上の[[抗力]]を生んでしまい、また、エンジン由来の振動も予想以上に大きくなった。~
また、[[エリアルール]]も[[亜音速]]域では効果が薄く、またしても性能が保証値を下回ってしまった。~
こうした理由から販売は伸び悩み、1962年に39機で生産ラインが閉じられてしまった。~
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しかし、[[コンベア880]]が直面した信頼性の問題は解消されており「30年耐久」をうたった製造品質も良好だったため、1980年代中盤まで使われ続けた。~
なお、日本での運用はなかった。~

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