【コンコルド】(こんこるど) †

Concorde(コンコルド)
フランスとイギリスが共同で開発し*1、1969年3月1日に初飛行して実用化された超音速旅客機（SST）。

開発が始まった時には「未来時代の旅客機」として世界中の注目を集めたものの、開発計画の進捗が遅れる間に騒音問題などに注目が集まったためキャンセルが相次ぎ*2、最終的に原型機4機＋量産機16機が生産されたのみにとどまった*3。
そして、両開発国のフラッグキャリアであった「エールフランス」「英国航空」の2社だけがその「責任」を取らされる形で運用することになり、その際、2社の間では「先に運用を止めた方がもう一方に違約金を払う」という契約が結ばれた。

この他に、アメリカのブラニフ航空とシンガポール航空の2社も、一時期「英国航空との共同運航」の形で運航していた。

（当時からある程度予想されていたことだが）機内が狭いため乗客や貨物をあまり搭乗させられず、それでいて大量の燃料を消費するという、旅客機としては重大な欠点があり*4、そのため運賃が非常に割高で、搭乗率は2割程度であった。
当然、両社とも本機の運航により収益を上げることはできず、ただ対外的なメンツを保つために運航を続けていたのが実情であった*5。

最終的には大西洋横断路線に集約され、余剰の機体は団体客向けのチャーター便や英仏両国政府の政府専用機として運航された。

2000年7月25日、パリからニューヨークに向かっていたエールフランスの機体が、離陸直後に墜落する事故を起こした。*6
この事件がきっかけとなり*7、本機は2003年10月24日をもって退役。
これにより、商業運行されているSSTはなくなった。

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スペックデータ †

乗員3名（機長・副操縦士・航空機関士）
乗客92〜120名
全長61.66m
全高12.19m
全幅25.55m
翼幅25.6m
胴体幅2.88m
主翼面積358.2��
空虚重量78,700kg
最大離陸重量186,070kg
最大着陸重量111,300kg
エンジンロールスロイス・スネクマ オリンパス593 Mk610ターボジェット×4基
推力32,000lbf（140kN）（ドライ時）/38,050lbf（169kN）（A/B時）
推力重量比0.373
速度（最高/巡航）M2.04/M2.02
航続距離7,229km
実用上昇限度18,300m
上昇率25.41m/s
*1 メーカーはBAeとアエロスパシアル。
*2 日本航空も1965年に3機の導入を計画し、仮発注までしたがキャンセルしている。
*3 当初は「250機で採算ラインに乗る」といわれていたが、これには遠く及ばなかった。
*4 大西洋横断路線なら無着陸・無給油で運航できたが、途中給油なしで太平洋を越えることはできず、日本や香港などの極東路線には就航させられなかった。
*5 このような引くに引けない状況を揶揄したのがコンコルド症候群という言葉である。
*6 滑走路上の異物により主脚のタイヤがバーストし、その破片が燃料タンクを破損させてしまったことによる。
*7 機体に事故対策が成されたものの、恒常的な赤字路線だったことに加え、9.11事件やイラク戦争に伴う航空業界全体の経営環境悪化も後押ししたという。

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