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【コメット】 †
Comet(彗星)(原義).
後述のとおり、航空機や艦艇、戦闘車輛の愛称や名称として幾度か用いられている。
ドイツ(レシプロ旅客機) †
Dornier Komet.
ドイツのドルニエ社が1920年代に開発・生産したレシプロ旅客機。
日本でも川崎航空機によりライセンス生産され、朝日新聞社が取材用機として4機*1を運用していた。
ドイツ(ロケット戦闘機) †
Messerschmitt Me 163 "Komet".
第二次世界大戦中、ドイツのメッサーシュミット社が開発・生産したロケット推進の迎撃戦闘機。
ドイツ(仮装巡洋艦) †
第二次世界大戦中に就役し、通商破壊戦を行った仮装巡洋艦。
秘匿名称は Schiff 45。
1936年に進水した貨物船「Ems」を改装したもので、1940年6月2日に就役した。
1942年10月にアーグ岬沖でイギリス海軍の攻撃により撃沈された。
スペックデータ | |
起工 | - |
進水 | 1937.1.16(貨物船として) |
就役 | 1940.6.2(仮装巡洋艦として) |
その後 | 1942.10.13 撃沈 |
常備排水量? | 3,287t |
全長 | 115.0m |
全幅 | 15.3m |
吃水 | - |
機関 | MAN式2サイクル6気筒ディーゼル×2基1軸推進 |
最大出力 | 3,900hp |
最大速力 | 16.0ノット |
航続距離 | 51,000海里/9ノット |
乗員 | 279名 |
武装 | クルップ45口径15cm単装速射砲×6基 6cm単装砲×1基 SK C/30 83口径3.7cm連装機関砲×1基 C/30 65口径2cm単装機関銃×4基 53.3cm連装魚雷発射管×3基6門 機雷×30個 |
装甲 | なし |
航空兵装 | アラドAr196 水上偵察機×2機 |
英国(エアレーサー) †
de Havilland DH.88 Comet.
1930年代、英国のデ・ハビランド社が開発・生産したエアレース用の航空機。
英国(ジェット旅客機) †
de Havilland DH.106 Comet.
1940年代、英国のデ・ハビランド社が開発・生産した、世界初のジェット旅客機。
当初、本機は「大西洋横断可能な高速郵便輸送機」として計画されたが、当時、英国初のジェット戦闘機を開発していたデ・ハビランド社は、全く新しい分野である「ジェット旅客機」として開発に着手。
開発当初は「24席クラスの無尾翼機」として開発が始まったが、ドイツのMe163「コメート」(前述)を模して製作された実験機「DH.108」の墜落事故を受けて、より堅実な後退翼機として製作されることになった。
結果、完成した機体は、主翼の根元に4基のターボジェットエンジンを埋め込んだ独自の形状をしていた*2。
また、そのターボジェットも、推力面で物足りないものであったが、機体を超々ジュラルミンの薄肉モノコック構造で軽量化することで補っていた。
こうして完成した「コメットMk.1」は、1951年にローンチカスタマーである英国海外航空に就航。
航続距離こそ従来のDC-6並みだったが、レシプロ機の2倍の速力と定時発着率の高さ・振動の少なさで人気を博し、改良型の「コメットMk.2」は日本航空やパンアメリカン航空、エア・インディアなど、世界中の長距離国際線を運航するフラッグキャリアから50機近いバックオーダーを抱えるに至った。
しかし、1954年に二度の空中分解事故を起こしてしまい、その原因解析の結果、機体構造に重大な欠陥があったことが判明*3。
これを受けてMk.1は永久飛行停止となったばかりか、後継モデルも信用と販路を喪失*4。
結局、1964年に生産を終了するまで112機の生産にとどまった。
その後、本機を原型としてエンジンをロールス・ロイス「スペイ」ターボファンに換装した哨戒機「BAeニムロッド」が1967年から64機生産され、2011年の退役まで英国空軍で用いられた。
英国(巡航戦車) †
*1 うち1機は陸軍が不採用とした機体を引き取ったもの。
*2 主翼の下にポッドで吊り下げる方式が、アメリカのボーイング社に特許を取られて採用できなかったため。
*3 機体の構造寿命が、机上の計算より一桁少なかったことが判明している。
*4 Mk.2は空軍が輸送機として引き取った。
また、Mk.3やMk.4も、アメリカのB707やDC-8に顧客を奪われ、セールスは伸び悩んだ。