【クラスター爆弾】(くらすたーばくだん)

空中で多数の子弾(サブミュニション)を散布し、子弾の炸裂によって被害を与える爆弾
ディスペンサー爆弾、集束爆弾とも。

主に人員、車両、滑走路等の小さいか非装甲の目標に対して用いられる。
基本的に空爆に使用されるが、ロケット弾ミサイルの弾頭としても採用される。
最近では、2008年に発生した南オセチア紛争にてロシア軍がクラスター爆弾を使用している。

歴史的には第二次世界大戦で実用化され、「モロトフのパン籠」ことE46収束焼夷弾が有名。
現代ではCBU-87/B、CBU-97/B、CBU-59(ロックアイII)等が主要なクラスター爆弾として知られている。
子弾を地雷に換装したBLU-91/BやBLU-92/Bも存在するが、これらは対人地雷の一種として規制対象となっている。
また、不発弾による被害*1から地雷同様の非人道的兵器として廃止を訴える働きかけが行われている。

主な利点と欠点

クラスター爆弾は従来の爆弾と比較して下記のような利点と欠点がある。

  • 利点
    • 同じサイズの通常爆弾に比べて数倍以上の面積を制圧できる。
    • 同じ面積を爆撃するのに必要な爆撃機の数が減少し、被撃墜数を軽減できる。
    • 同じ数の爆撃機通常爆弾より広い地域をカバーでき、国境防衛や平原での戦闘に適する。
    • サイズに比例して内蔵子弾数が増減するため、ペイロードに無駄が生じにくい。
  • 欠点
    • 子弾の数が極めて多いため、確率上の問題から多くの不発弾が発生する*2
    • 半数必中界が非常に広く、特定の軍事目標のみを狙う精密爆撃はほぼ不可能。
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クラスター爆弾 (CBU-87/B)

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*1 不発弾による被害を意図的に狙って地雷代わりにしようとした例もある。
*2 特に、投下用の落下傘等が樹木や建物に引っかかり接触信管が起動しない事が多い。

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