【キーロフ】(きーろふ)

ソビエト連邦海軍・ロシア海軍の重装原子力ミサイル巡洋艦(巡洋戦艦)。
ロシアではProject1144.1/1144.2「オルラン」と呼ばれる。
また、1番艦の就役時の艦名から「キーロフ」級と呼ばれ、第二次世界大戦後に建造が開始された水上戦闘艦では(航空母艦を除けば)最大の艦である。

同艦の就役を受け、アメリカ海軍はモスボール保管していた「アイオワ」級戦艦4隻を(巡航ミサイル発射母艦としての機能を実装した上で)現役復帰させた。

技術的に特徴の多い艦で、アメリカのイージスシステムに数年先駆けて同時多目標対処可能な艦隊防空システム「フォールト(S-300F(SA-N-6))」やVLS方式を採用し、30mm機関砲と近接防空ミサイルを組み合わせた「コールチク」複合CIWS、西側ではあまり見られない連装砲などを装備している。
また、艦の主要部分には50mm〜100mmの装甲が施されており、舷側をテーパーさせる事でステルス性も持ち合わせている。
また、船体側面には、全長を取り巻くように消磁コイルを装着している。

現在までに4隻が就役しており*1(就役後、現在も稼動状態に有る艦は4番艦のみ)、4隻とも搭載される武装が異なっている。

スペックデータ

全長:252m
全幅:28.5m
吃水:9.1m
排水量:24,300t(基準)/26,500t(満載)
機関:KN-3加圧水型原子炉×2基、蒸気タービン×2基(この他、予備の重油ボイラー×2基)2軸推進(CONAS方式。出力140,000馬力)
速力:30kt(56km/h)
乗員:744名
兵装

同型艦(カッコ内は改称後の艦名)

#艦名起工年進水年就役年除籍年所属艦隊
1番艦キーロフ
(アドミラル・ウシャコフ)
1974年3月1977年12月1980年12月2004年6月
(保管)
北方艦隊
2番艦フルンゼ
(アドミラル・ラーザリェフ)
1978年7月1981年5月1984年10月----太平洋艦隊
3番艦カリーニン
(アドミラル・ナヒーモフ)
1983年5月1986年4月1988年12月----北方艦隊
4番艦ユーリー・アンドローポフ
(ピョートル・ヴェリキー)
1986年4月1989年4月1998年4月----北方艦隊旗艦
5番艦アドミラル・クズネツォフ
(旧名ジェルジンスキー)
1989年起工
→1990年10月建造中止
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6番艦ロシア計画中止----------------
7番艦ジュダーノフ計画中止----------------
8番艦スヴェルドロフ計画中止----------------
9番艦ジェレズニャコフ計画中止----------------

関連:スラヴァ


*1 1992年5月27日に全艦がソ連邦時代の人名から帝政ロシア時代の人名に改名された。

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