【ガレー船】(がれーせん)

Galley
古代から中世にかけて地中海で主に使用されていた、帆、もしくはオールを使って推進力を得る艦艇
通常は帆を揚げて進み、戦闘時や逆風時などにオールを使った。

歴史は大変古く、有名なところでは古代アテネで軍艦として使用された三段櫂船があり、ペルシャ戦争の中のサラミス海戦では、アケメネス朝ペルシャの大型帆船をその機動性をもって翻弄し、船首のラムで水線下に穴をあけて沈め、大勝利を得たとされる。
その後も約2000年もの間海軍の主力として使われ、1571年のレパント海戦にも参加したが、戦闘方法は基本的に接舷しての白兵戦であり、ガレー船はその構造上、大砲が装備されることは稀だった。
さらに、ガレー船は小型なわりに漕ぎ手を大量に必要とするため遠洋航海にはあまり向かず、貿易関係ではごく少数が価値の高い胡椒等の輸送に地中海などのごく狭い範囲で使われただけである。
そのため、建造技術が発達した大航海時代以降には、遠洋航海に適し、武装や搭載力に優る帆走艦が普及し、ガレー船は一気に廃れた。

現在ではほぼ完全に姿を消し、観光用や祭典用等に少数が残っているだけである。


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