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*&ruby(がすたーびん){【ガスタービン】}; [#b96928dd]
Gasturbine~
[[タービンエンジン]]と同一の仕組みだが、[[航空機]]以外に用いる[[エンジン]]をこう呼ぶ。(([[航空]]分野以外では、航空用[[タービンエンジン]]を含めた総称として呼ばれることも多い。))~
(蒸気で駆動する[[蒸気タービン]]に対し、排気ガスによって駆動するため、この名前で呼ばれる)~
タービンの[[トルク]]を取り出し、車両または艦船の動力源や、発電などに用いる。~
Gas Turbine.~
~
[[レシプロエンジン]]などに比べて動作原理が単純で、小型軽量・高出力であるが、[[燃料]]を常に大量噴射するため燃費が悪い。~
([[航空機]]と比較して、[[速度]]性能を向上しづらく[[エンジン]]自体の軽さが省燃費にあまり貢献しないため、燃費の悪さが顕著になる)~
特に低出力での燃費が悪く回転数の調節が困難であるため、車両では通常、発電電力によって[[電動機]]を回転させるハイブリッド方式を用いるのが一般的と考えられる。~
ただし車両での実用例は現在のところ少なく、また少数例である[[Strv.103]]、[[M1]]、[[T-80]]などといった[[戦車]]では[[トルクコンバーター]]による駆動をおこなっている。~
また排気温度が非常に高いので、一般道を走行するには火事や火傷などの事故を防ぐため、排気を外気と混合して温度を下げるなどの工夫が必要となる。~
加えて[[排気タービン]]が高温に曝されるため、[[レシプロエンジン]]に比べて平均故障間隔が短く、運用コストも高い。~
日本の公道では、ハイブリッド式のバスがごく一部で運行されているにとどまる。~
[[内燃機関]]および[[ジェットエンジン]]の一種。~
~
艦船の場合は、固定式の減速機と、[[プロペラピッチ]]を調節できる[[スクリュー>プロペラ]]と組み合わせて用いる場合が多い。((初期のガスタービン艦である[[インビンシブル]]級で、変速機と固定ピッチ[[スクリュー>プロペラ]]を組み合わせたところ、機構が複雑となったため、その反省による。))~
さらに加速用の高出力[[エンジン]]とは別に、巡航用の低出力[[エンジン]]を用意することも多い。(([[COGOG]]、[[COGAG]]、[[CODOG]]、[[CODAG]]、[[CODLAG]]等。))~
従来の[[蒸気タービン]]に比べて燃費が劣るものの、始動が素早く保守も容易であることから、近年では[[戦闘艦]]用[[エンジン]]の主流となっている。((俊敏さを要求されない支援艦艇では、燃費の良い[[ディーゼルエンジン]]が現在も主流である。))~
また一部の高速艇ではウォータージェットの動力源として用いられる。~
燃焼で生じた高温高圧の排気ガスの圧力で[[タービンブレード]]を回し、これによって[[トルク]]を得る。~
または、排気ガスを後方に噴射する事で[[推力]]を得て、[[トルク]]はエンジン自体が空気を吸引・圧縮するために利用される。~
発生した動力の取り出し方に応じて[[ターボジェット]]・[[ターボファン]]・[[ターボプロップ]]・[[ターボシャフト]]などと細分される。~
~
[[RR>ロールスロイス]]・スペイや、[[GE>ジェネラルエレクトリック]]・LM2500など、もともと[[ターボファン]]であったが、艦船用ガスタービンに改造・転用されたものが多い。~
潜在的なエネルギーの多くが排気ガスとして逃げていくため、熱機関としての効率はあまり良くない。~
特に低出力での燃費は著しく悪く、また回転数の調整が困難である。~
また、[[タービンブレード]]が熱的負荷に耐えきれず劣化・融解する恐れがあるため平均故障間隔が短い。~
さらに、火災を誘発するほど高温の排気ガスが生じるため、都市圏での運用や民生用途での利用が困難である。

>排気を冷却する事は可能だが、そのための機構を追加すると重量・コストが嵩んでガスタービンを採用する利点が失われる。

一方で作動原理が単純明快なため、軽量かつ大出力に設計する事ができる。~
[[航空機]]のように極端に切り詰めた設計をするのでないなら、天然ガスやLPGなど安価な燃料を使って燃費を補う事もできる。~
また、空気の流入を必要とするにもかかわらず、ゼロ[[速度]]から[[マッハ]]3程度までの幅広い速度帯で稼働させられる。~
~
いっぽう飛行を前提としていないため、熱量の高い灯油に限らず、用途によっては軽油・A重油((日本独自の規格で実際は軽油に近いもの。粘度の高い一般の重油は使用不可。))・天然ガス・LPGなど、さまざまな種類の[[燃料]]を使用できるメリットがあり、安価な[[燃料]]を選択することによって燃費の悪さをカバーできることもある。~
これらの特性を踏まえ、[[飛行機]]が[[推力]]を得るための[[エンジン]]として高いシェアを占める。~
また、燃費の経済性があまり問題にならない(実際には大問題なのだが、無視せざるを得ない)[[軍事]]分野でも広く用いられる。~
[[艦艇]]では[[巡航速度]]を維持する際には[[ディーゼルエンジン]]を用い、急加速など負担の大きな[[機動]]に際して大出力のガスタービンに切り替える運用が多い。~
火力発電にも用いられ、ガスタービンの排気余熱で水を沸騰させて[[蒸気タービン]]を駆動させる「コンバインドサイクル」が広く用いられている。~
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火力発電所では、ガスタービンの排気余熱でボイラーを沸かし、さらに[[蒸気タービン]]を駆動させることでエネルギー効率を高めた「コンバインドサイクル」が一般的である。~
関連:[[タービン入口温度]] [[APU]] [[JFS]]


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