【カノン砲/加農砲】(かのんほう)

Cannon.

原義は『細長い筒』の意。
転じて、砲弾口径に比して砲身の長い火砲を指す。
慣用表現としてCannonという語自体が大砲を意味するため、『カノン』『キャノン』と表記する事も。

当初は臼砲との区別のために設けられた語で、砲身が長ければカノン、短ければ臼砲だった。
その後、榴弾砲が開発されると、榴弾を用いず砲丸・徹甲弾散弾を撃つ砲がカノン砲として再定義された。

19世紀以降、カノン砲でも榴弾が撃てるようになると、カノン砲は設計思想上の用語となった。
即ち、間接砲撃前提の長距離砲が榴弾砲、近距離の命中精度と破壊力を重視した砲がカノン砲、という具合である。
この区分も20世紀後半には形骸化し、榴弾砲がカノン砲の性能要件全てを満たせるようになっている。
現代では「カノン砲」「カノン」と言えば普通は「大砲」の同義語であり、具体的な兵器・戦術を示唆するものではない。

カノン砲一覧

第一次世界大戦

  • フランス
    • シュナイダーM1913 105mmカノン砲
    • GPF 155mmカノン砲
    • L.Mle1884 240mmカノン砲
  • イギリス
    • BL 60ポンド砲
    • QF 4.7インチ砲
    • BL 6インチ砲 Mk7
    • BL 6インチ砲 Mk19
  • ロシア帝国
    • M1877 107mmカノン砲
    • M1910 107mmカノン砲
    • M1877 152mmカノン砲
    • M1904 152mmカノン砲
    • M1910 152mmカノン砲
  • ドイツ帝国
    • 10cm K04
    • 10cm K14
    • 10cm K17
    • 15cm K16
  • 大日本帝国
    • 三八式十糎加農砲

第二次世界大戦

  • ソビエト連邦
    • M1910/30 107mmカノン砲
    • A-19 122mmカノン砲
    • M1910/30 152mmカノン砲
    • M1910/34 152mmカノン砲
    • ML-20(M1937)152mm加農榴弾砲
    • Br-2(M1935)152mmカノン砲
  • ナチス・ドイツ
    • 10.5cm sK18
    • 12.8cm K44
    • 15cm K18
    • 15cm K39
    • 17cm K18
    • 24cm K3
  • イタリア王国
    • Da149/40 modello35
  • アメリカ
    • M1 4.5インチ砲
    • M1/M2 155mmカノン砲
    • M1 203mmカノン砲
  • イギリス
    • BL 4.5インチ砲
    • BL 5.5インチ砲
  • 大日本帝国
    • 十四年式十糎加農砲
    • 八九式十五糎加農砲
    • 九二式十糎加農砲
    • 九六式十五糎加農砲

第二次世界大戦後

  • ソビエト連邦/ロシア
    • M-46 130mmカノン砲
    • D-74 122mmカノン砲
    • 2A36 152mmカノン砲
    • S-23 180mmカノン砲
    • 2S5「ギアツィント」?152mm自走カノン砲
    • 2S7「ピオン」?203mm自走カノン砲
    • 2A3「コンデンサトールP」?406mm自走カノン砲
    • A-222「ベーレク」?130mm自走カノン砲(自走沿岸砲システム)
  • アメリカ

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