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*&ruby(おーとろーてーしょん){【オートローテーション】}; [#qf76c781]
autorotation~
[[回転翼機]]において、[[ローター]]を[[エンジン]]の[[トルク]]ではなく、[[抗力]]によって回転させて[[揚力]]を得ること。~
[[オートジャイロ]]の基本原理であるほか、[[ヘリコプター]]においても緊急着陸の手段として用いられる。~
auto rotation.~
~
[[回転翼機]]の[[ローター]]を、[[エンジン]][[トルク]]を使わず[[抗力]]で自然に回転させる事。~
通常、[[ヘリコプター]]が緊急時にエンジンクラッチを[[ローター]]から切り離した状態を意味する。

空転状態の[[ローター]]が正面やや斜め下から風を受けると、[[ローター]]は回転を始め、[[揚力]]が発生する。~
しかし回転面に対する[[迎え角]]やローターピッチが適切な角度を成していないと、回転数が不足したり、あるいは本当の意味で空転してしまったりして、[[揚力]]を発生させることができなくなる。~
このため[[オートジャイロ]]の[[ローター]]は、前進しながら[[揚力]]を発生できるよう、水平よりも若干上向きに傾いて取り付けられ、またローターピッチは小さく抑えられている。~
[[速度]]が低くても[[揚力]]を発生させることができる一方、[[速度]]や[[揚力]]を大きくすることが難しく、[[オートジャイロ]]の普及を阻む一因となった。~
>[[オートジャイロ]]の[[ローター]]は常にオートローテーションで回転している。~
しかし、それが常態である事と、そもそも[[オートジャイロ]]の実機がほとんど存在しない事から、言及される事はほとんどない。

[[ヘリコプター]]では通常用いないが、[[エンジン]]が[[フレームアウト]]した場合は[[ヘリコプター]]・[[オートジャイロ]]とも緊急着陸手段として用いる。~
[[ヘリコプター]]の場合は、まずクラッチを切って[[ローター]]を空転させ、また[[ローター]]が回転しやすいように[[ピッチコレクティブ]]を下げてローターピッチを最低にしておく。~
([[ヘリコプター]]の[[ローター]]は[[エンジン]]の[[トルク]]によって回転させることが前提のため、[[オートジャイロ]]に比べてローターピッチが大き目となっている)~
そして適度な[[速度]]で緩降下し、地表近くで[[フレア]]をかけて[[速度]]を極限まで落として[[タッチダウン>接地]]する。~
しかし適度に[[速度]]を抑えながら狙った場所へ降下することは難しく、また[[フレア]]のタイミングも難しい。[[フレア]]が早すぎると[[失速]]して[[墜落]]し、逆に遅ければそのまま地表へ激突してしまう。~
さらに多くの[[ヘリコプター]]は着陸滑走を前提に設計されていないため、降下速度と同時に前進速度も抑えておかなければ[[着陸装置]]を破損してしまう恐れもある。~
このように高度な技術を要する行為ではあるが、不時着のための重要な技術であるため、[[回転翼機]]免許を取得する際には習得が必須となっている。~
([[オートジャイロ]]の場合は機体が軽いうえ、[[着陸装置]]も滑走を前提とした[[ランディングギア]]を備えているので、比較的容易である)~
正面やや斜め下から風圧を受けると[[ローター]]は自然に回転し、[[揚力]]を発生させる。~
この時発生する[[揚力]]は[[迎え角]]の角度に大きな影響を受け、適切な角度域は狭い。~
また、発生する[[揚力]]も小さく、現代の大型航空機の航行を支えるほどの出力はもたらせない。~
~
[[ヘリコプター]]では、[[エンジン]]故障時に[[ローター]]の停止を避けるため、クラッチを切り離してオートローテーションに移行する。~
また、[[テイルローター]]を損傷した際も、[[反作用トルク]]による挙動不安定を避けるためにクラッチが切り離される。~
そうした場合、オートローテーションに移行しなければ[[失速]]するし、実際、多くの重大事故では移行できないまま[[墜落]]している。~
~
オートローテーションは[[速度エネルギー]]に依存するため、[[ホバリング]]での離着陸ができない。~
また、多くの[[ヘリコプター]]は滑走着陸を想定せず、十分な[[ランディングギア]]を備えていない。~
従って、[[ヘリコプター]]がオートローテーションを維持したまま着陸するのは困難である。~
しかし、不時着のための重要な技術であるため、[[回転翼機]]の操縦訓練における必須項目である。


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