【エセックス】(えせっくす)

Essex
かつてイギリスに存在した東サクソン王国のこと。現在も地名として残るほか、アメリカにもこれにちなんだ同様の地名が多数見られる。

  1. CV-9 USS Essex
    アメリカ海軍がヨークタウン(CV-5)級の設計をベースに建造・就役させた航空母艦
    ワシントン海軍軍縮条約の失効を受け、アメリカ下院議員のカール・ビンソンが提唱した艦艇増強策の一環として建造が決まった。

    基準排水量ヨークタウン級の19,800トンに比べ、本艦では27,100トンと大幅に拡大されており、艦載機の搭載・運用能力に大幅な余裕が生まれた。
    艦首飛行甲板に油圧カタパルトを2基備えていたのに加え、格納庫にも予備カタパルトを1基装備していたが、後者は実用性に乏しく後に廃止された。
    就役は太平洋戦争開戦から約1年後の1942年12月となっており、終戦までに同型艦を含め17隻が就役し、そのうち14隻が太平洋へ投入された。
    本級のうち船体を延長したロングハル型をタイコンデロガ級として区別する場合もある。

    本艦の初陣は1943年8月、同型艦のヨークタウン(CV-10)や軽空母インディペンデンス?(CVL-22)とともに実施した南鳥島攻撃である。
    その後フィリピンや沖縄などを転戦し、特攻機などの直撃を幾度も受けながら生き抜いた。
    太平洋戦争が終結し、同型艦が建造キャンセルやモスボール処理を受ける中、本艦はジェット艦上機に対応するための改修(SCB-27)*1を受け、朝鮮戦争にも参加したが、運用上の問題も多く、1955年から更なる改修工事(SCB-125)*2を受けた。
    同型艦の多くも前後してこれらの改修を受けている。「オリスカニー」は太平洋戦争後に建造が中断されていたが、SCB-27のテストベッドとして建造が再開され、1950年に就役した。

    しかしそれでもF-4などの新鋭機を運用することはできず、本艦は1960年に対潜空母へ艦種変更され、1969年に退役した。
    同型艦も同様に艦種変更および退役が進み、最後に残った練習空母「レキシントン」も1991年に退役している。

    同型艦:
    CV-9 USS Essex(後にCVACVS
    CV-10 USS Yorktown(後にCVA→CVS)
    CV-11 USS Intrepid(後にCVA→CVS)
    CV-12 USS Hornet(後にCVA→CVS)
    CV-13 USS Franklin(戦傷のため予備役のまま退役、登録上のみCVA→CVS→AVT)
    CV-16 USS Lexington(後にCVA→CVS、ただし実質練習空母)
    CV-17 USS Bunker hill(戦傷のため予備役のまま退役、登録上のみCVA→CVS→AVT)
    CV-18 USS Wasp(後にCVA→CVS)
    CV-20 USS Bennington(後にCVA→CVS)
    CV-31 USS Bon Homme Richard(後にCVA)
    CV-34 USS Oriskany(後にCVA→CV*3

    ロングハル型(タイコンデロガ級):
    CV-14 USS Ticonderoga(後にCVA→CVS)
    CV-15 USS Randolph(後にCVA→CVS)
    CV-19 USS Hancock(後にCVA→CV)
    CV-21 USS Boxer(後にCVA→LPH-4
    CV-32 USS Leyte(後にCVS→AVT)
    CV-33 USS Kearsarge(後にCVA→CVS)
    CV-35 USS Reprisal(建造中止)
    CV-36 USS Antietam(後にCVS→AVT)
    CV-37 USS Princeton(後にCVA→CVS)
    CV-38 USS Shangri-La(後にCVA→CVS)
    CV-39 USS Lake Chanplain(後にCVS)
    CV-40 USS Tarawa(後にAVT→CVA→CVS→AVT-12)
    CV-45 USS Valley Forge(後にCVA→CVS→LPH-8)
    CV-46 USS Iwo Jima(建造中止)
    CV-47 USS Philippine sea(後にCVA→CVS→AVT-11)

  2. LDH-2 USS Essex
    ワスプ強襲揚陸艦の2番艦。

*1 ジェットブラストディフレクターの追加など、基準30,900トン、満載39,800トン
*2 艦首をエンクローズ化し、蒸気カタパルト斜め飛行甲板などを追加、基準33,000トン、満載44,700トン
*3 退役後も保管されていたが、2006年に海底魚礁としてカリブ海に沈められた。

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