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*&ruby(えこのみーくらすしょうこうぐん){【エコノミークラス症候群】}; [#o7bbb83e]
[[旅客機]]への搭乗などで、長時間同じ姿勢を取りつづけることにより、手足の静脈に血栓(血のかたまり)ができて起きる循環器系の病気。~
医学的には「&ruby(じょうみゃくけっせんそくせんしょう){静脈血栓塞栓症};」と呼ばれている((これ以外にも「旅行者血栓症」「ロングフライト血栓症」などという名もある。))。~
発症すると、呼吸困難や胸焼け、動悸、冷や汗、血圧低下などの症状を引き起こし、最悪の場合は死にまで至る。~
[[旅客機]]の[[エコノミークラス]]で多発した、循環器系急性疾患の一種。~
医学における正式名称は「&ruby(きゅうせいはいどうみゃくけっせんそくせんしょう){急性肺動脈血栓塞栓症};」。~
「旅行者血栓症」「ロングフライト血栓症」などという別名もある。~

>本来、「症候群」とは原因が未解明の疾病を指す言葉であり、既に原因が解明されている疾病をこう呼ぶのは適切ではない。~
とはいえ、患者や[[報道関係者>マスコミ]]に「急性肺動脈血栓塞栓症」という正式名称で説明して理解を得るのもいささか難しいものである。

通り名の通り、この症状は長距離国際線の[[エコノミークラス]]で最初に確認された。~
とはいえ、[[ビジネスクラス]]や[[ファーストクラス]]、また[[鉄道]]や自動車でも発症し得る。~
実際、トラックやタクシーなどの職業運転手や、車内で避難生活を送る被災者などが発症した例がある。~
また、自力で動けない入院患者((手足が衰えていたり中枢神経に障害がある場合もだが、精神病の患者を拘束してベッドに縛り付けた場合も含まれる。))が発症した例もある。~
~
当初、長距離国際線の[[エコノミークラス]]に乗っていた乗客の発症例がしばしば報告され、「『湿度が20%と低く(([[B787]]の項にもあるように、湿気により構造材が腐食する恐れがあったため、[[旅客機]]において[[キャビン]]を加湿することは長らくタブーとされていた。))、かつ座席幅も狭い』という[[エコノミークラス]]の客室環境が、この病気を発症する条件を備えている」とされたことからこの名がついた。~
しかし、その後の研究で、エコノミークラスよりも更に座席幅が広い[[ビジネスクラス]]や[[ファーストクラス]]、長距離を走る列車やバスなどでも発症する可能性があることが指摘されている。~
>事実、日本では海外のクラブチームでプレイしていたある日本人プロサッカー選手が(日本代表チームのメンバーに招集されて日本へ帰国した時に)ビジネスクラスに乗っていて発症したことが報道され、話題となったことがある。~
また、「長距離トラック・タクシーの運転手」「自然災害時に自家用車内で避難生活をしていた被災者」などの発症例も報告されている。
直接の原因は、脚が圧迫される事による局所的な水分不足である。~
水気の不足によって粘度を増した血液は固まって血栓を作り、血管に付着して血流を阻害する。~
こうした血栓は脚が圧迫から解放された時に血管から剥がれ、肺動脈に詰まって循環系にダメージを与える。~
それによって呼吸困難・胸焼け・動悸・冷や汗・血圧低下などの症状を呈し、最悪の場合は死に至る。~
また、血栓が脳や心臓に流れついて脳梗塞や心筋梗塞を引き起こした事例も確認されている。

>なお、災害や[[空爆]]に際し、瓦礫などで手足を挟まれて動けなくなった場合にも類似の症状を呈する。~
特に重篤な場合は手足が完全に壊死し、塞がれていた血流が戻った途端にショック死する危険がある。~
そうした重篤な事例において、壊死した部位を切断せずに命を救う方法は未だ知られていない。

予防には「少しでも下半身を動かす」「[[フライトアテンダント]]に申し出て、適度に水分を取る(ただし、アルコールやカフェイン類はより水分を排出してしまうので推奨されない)」などがある。
「下半身を動かして体を解す」「適度に水分を取る((水分補給の常として、アルコールやカフェイン類は控えるべき。))」などを心がける事で予防できるとされる。~
従って、湿度の低い環境や、小さな座席に押し込められるような狭い乗り物では特に発症しやすい((特に、[[航空機]]は水分で構造材を腐食させる危険があるため、[[キャビン]]を加湿することは戒められていた。))。~
また、下肢の疾病((サッカーや格闘技など、スポーツで脚に故障を抱えている場合は特に危険である。))、妊娠、経口避妊薬、肥満、喫煙後などは特にこの疾病を誘発する。


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