【ウラン】(ウラン)

Uranium.
「ウラニウム」とも表記されるが、日本語での正式名称は「ウラン」である。
原子番号92、元素記号「U」、質量数234,235,238で、地球上に存在する天然の元素の中では最も重い物質である。
その名は当時発見された新惑星である天王星(Uranus)に由来する。

中性子?を吸収することにより、核分裂反応を起こすのはウラン235であるが、ウラン鉱石の99.3%はウラン238で出来ており、ウラン235は0.7%程度しかない。
そのため、燃料兵器として利用するためには、遠心分離やガス拡散法を用いてウラン235の割合を高めなければならない場合が多い(これを濃縮と呼ぶ)。
濃縮すればするほど低量で臨界に達することができるが(原子炉を小さくしたり、同量で威力を高めることが出来る)、コストも高くなる。
重水炉黒鉛炉では、濃縮しない天然ウラニウムを使える場合もある。
この精製の際に生じたウラン238の「残りカス」が「劣化ウラン」と呼ばれるものである。

通常、軽水炉で使用されるペレットと呼ばれる核燃料は、ウラン235の含有率が3〜4%程度で「低濃縮ウラン」と呼ばれ、核兵器や軍用の高い出力密度が求められる原子炉の燃料として使用される場合は、含有率を70〜80%以上に高めた「高濃縮ウラン」と呼ばれる物質が選択される。

関連:劣化ウラン弾 プルトニウム


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