イオージマのバックアップ(No.12) - 航空軍事用語辞典＋＋

【イオージマ】(いおーじま) †

USS Iwo-Jima class
米海軍の強襲揚陸艦（ヘリコプター揚陸艦）。
艦名の由来は第二次世界大戦の激戦地だった硫黄島より。
初めて強襲揚陸艦として建造された艦である*1。

一般の揚陸艦とは違って上陸用舟艇は持たず、代わりに空母と同様の全通式飛行甲板を備え、多数のヘリコプターを発着させることができる。
このため、有事における兵員・車両・資材の敵前揚陸だけではなく、掃海支援や人道援助にも使われる。
すでに全艦が除籍され、ワスプ級に役割を譲っている。

スペックデータ
艦級	イオージマ級強襲揚陸艦
主造船所	ピュージェット・サウンド海軍造船所（LPH-2）フィラデルフィア海軍造船所（LPH-3・LPH-7・LPH-9・LPH-11・LPH-12）インガルズ造船所（LPH-10）
主任務	揚陸＆揚陸指揮支援
乗員	80名（士官）/638名（下士官）/1,750名（海兵隊員）
排水量（基準/満載）	12,885t/19,096t
全長	180m/105m（飛行甲板）
全幅	25.6m/31.2m（飛行甲板）
喫水	8.2m
機関	蒸気タービン推進方式コンバッション・エンジニアリング社2製ボイラー×2缶（出力42kgf/c㎡）ウェスティングハウス社 3製蒸気タービン×1基（出力23,000shp）スクリュープロペラ×1軸推進
速度	23ノット
航続距離	10,000海里/20kt巡航時
兵装	Mk33 50口径3インチ（76mm）連装砲×2基（後に撤去）ファランクス20mmCIWS×2基（3インチ砲撤去後に設置） 8連装短SAM発射機×1基（シースパロー専用）
艦載機	ヘリコプター（CH-46×30機またはCH-53×11機）
艦載艇	LCVP?上陸用舟艇×2隻（LPH-12のみ）
レーダー	AN/SPS-40対空捜索レーダー×1基 AN/SPS-10対水上レーダー×1基 AN/SPN-10/-43測高レーダー×1基

同型艦
艦番号	艦名	起工	進水	就役	退役	備考
LPH-2	イオージマ（USS Iwo Jima）	1959.4.2	1960.9.17	1961.8.26	1993.7.14
LPH-3	オキナワ（USS Okinawa）	1960.4.1	1960.8.19	1962.4.14	1992.12.17	2002.6.6 太平洋潜水艦隊の演習「SINKEX」で標的艦として海没処分。
LPH-7	ガダルカナル（USS Guadalcanal）	1961.9.1	1963.3.16	1963.7.20	1994.8.31	2005.3. 標的艦として海没処分。
LPH-9	グアム（USS Guam）	1964.11.15	1964.8.22	1965.1.16	1998.8.25
LPH-10	トリポリ（USS Tripoli）	1964.6.15	1965.7.31	1966.8.6	1995.9.8
LPH-11	ニューオーリンズ（USS New Orleans）	1966.3.1	1968.2.3	1968.11.16	1997.10.1	リムパック10にて標的艦になり沈没。
LPH-12 ↓ MCS-12	インチョン（USS Inchon）	1968.4.8	1969.5.24	1970.6.20	2002.6.20	1995.3.6 掃海支援艦に改装。

ワスプ級揚陸艦7番艦イオージマ（USS Iwo Jima LHD-7）。
現在は艦隊総軍に属し、ノーフォークを母港としている。
空母イオージマ（USS Iwo Jima CV-46）。
第二次世界大戦末期、「エセックス」級の26番艦*4として計画された艦。
ニューポート・ニューズ造船所で起工されたが、1945年の戦争終結によって建造中止となり、未完成のまま解体された。

*1 それまでの強襲揚陸艦は、いずれも航空母艦を改装したものであった。
*2 LPH-9のみバブコック・アンド・ウィルコックス社。
*3 LPH-10はド・ラヴァル社、LPH-12はゼネラル・エレクトリック社。
*4 ロングハル型の「タイコンデロガ」級としては14番艦である。

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