【イージス艦】(いーじすかん)

AEGIS combat system
フェイズドアレイレーダーAN/SPY-1を中核とする防空兵器「イージスシステム」を搭載した戦闘艦の通称。
名称はギリシャ神話に登場する、あらゆる邪悪を払う防具Aegis(アイギス) に由来する。
現代の戦艦と言える強力な艦艇であるが、高度な製造技術と高額な建造費を必要としており、イージス艦を運用できる海軍は多くない。

イージスシステムは同時に飛来する数百の目標を数百km遠方から探知し、対空機銃や艦載ミサイルを用いて同時に十数個を迎撃できる。
主な任務はその迎撃能力をもって攻撃機対艦ミサイルの脅威から航空母艦を護衛する事である。
艦艇や潜水艦を探知する能力にも優れ、地上からの砲撃に対して巡航ミサイルで迎撃を行えるよう設計されるものもある。
核戦争に備えて弾道弾迎撃ミサイルによるミサイル防衛を任務に含める場合もある。

イージス艦の着想は冷戦時代、ソ連軍がアメリカ空母機動部隊への対策として航空機対艦ミサイルを増強した事に端を発する。
ソ連の飽和攻撃に対して従来のミサイル艦では対応不能である事から、アメリカ海軍は同時に多数目標を迎撃できるシステムを必要としていた。

この要求に対して1964年「ASMS(Advanced Surface Missile System:先進水上ミサイル・システム)」計画がスタート。
1969年に「Aegis」計画と改名され、最大16の目標に同時対応可能な対空ミサイルシステムと、艦隊指揮用のデータリンクとして結実。
イージス艦1番艦であるCG47タイコンデロガが1983年1月22日に就役した。

主なイージス艦

その他、台湾とオーストラリアが配備を計画中。

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