*&ruby(あめりかかいへいたい){【アメリカ海兵隊】}; [#pcd04865]
U.S Marine Corps.~
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[[アメリカ国防総省]]に属するアメリカの[[海兵隊]]で、合衆国における5つの軍事組織の一つ。~
2014年11月現在で、現役将兵約186,000人、[[予備役]]数万人を擁している。~
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独立当初、当時のカリブ海に跳梁していた[[海賊]]を討伐するために武装船員によって編成された[[海兵隊]]を起源としている((このため、現在でも「すべての海兵隊員はライフルマン」というモットーがあり、将兵は最上位の「海兵隊総司令官」から基地のコックやタイピストに至るまで、必要に応じて[[小銃]]を手にして戦うことをいとわない、と言われている。))が、近代以降の[[軍事革命]]に伴って機能が変遷。~
現在では「海外での武力行使を前提とし、アメリカ合衆国の国益を維持・確保するための緊急展開部隊」として活動している((一方で、本土の防衛が任務に含まれていない「外征専門部隊」であることから「殴り込み部隊」ともあだ名されている。))。~
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現在の主任務は、戦争初期段階における緊急の[[展開]]と、危急の事態における在外アメリカ市民の保護・救出。~
また「アメリカ合衆国大統領の[[親衛隊]]」としての側面も持ち、大統領専用ヘリコプターの運用や大統領府・在外公館の警備も担当する。~
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海兵隊の長である「海兵隊総司令官」は[[統合参謀本部>アメリカ統合参謀本部]]に籍を置き、[[陸軍>アメリカ陸軍]]・[[海軍>アメリカ海軍]]・[[空軍>アメリカ空軍]]の総司令官((陸軍参謀総長・海軍作戦部長及び空軍参謀総長。))と同格の権限を持つ。~
[[兵站]]管理は海兵隊内で独自に行うが、軍令や[[作戦]]については[[統合軍]]隷下で陸海空軍と連携する。~
ただし、合衆国大統領は連邦議会の事前同意なく海兵隊を動員する権限を持っている。~
>その場合、大統領は事後48時間以内に下院議長と上院臨時議長へ書面で報告する義務を負う。~
議会が[[宣戦布告]]を承認しなかった場合、報告後60日以内に戦闘を終了し、90日以内に[[撤退]]しなければならない。~
[[軍政]]上はアメリカ海軍省の監督下にあり、将校の養成も[[アメリカ海軍]]と共通。~
海軍兵学校（メリーランド州アナポリス所在）の卒業生のうち、16％程度は海兵隊の将校として登用される((特に成績優秀者が選抜される傾向にあるという。&br; これは、かつての[[大日本帝国海軍>日本軍]]において、陸戦隊に配属される将校が出世コースから外れた者が回されやすかったことと好対照である。))。~
[[揚陸艦]]など一部装備の運用も[[海軍>アメリカ海軍]]に任されており、派閥力学的にも海軍寄りの傾向にある。~
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関連：[[テキサスタワー乱射事件]] [[統合軍]]
***「ミニ統合軍」として [#i267f586]
前述のとおり、アメリカ海兵隊には「緊急展開部隊」「合衆国大統領の親衛隊」という役割が持たされていることから、陸海空軍の全機能が備えられた「ミニ[[統合軍]]」ともいうべき組織になっている。~
>（独自の[[戦闘艦艇>戦闘艦]]こそ持っていないが）[[兵站]]のために大規模な[[揚陸>揚陸艦]]・輸送艦艇部隊((船舶の運用は海軍に任されている。))を備え、必要に応じて[[空挺部隊]]も投入される。~
[[前線]]に投入される主戦力には[[主力戦車]]・[[重砲>自走砲]]も配備され、高度に[[機械化]]された[[機甲部隊]]となっている。~
また、[[マルチロールファイター]]を擁する航空部隊も保有し、[[カウンターエア]]や[[近接航空支援]]も独自に実施できる。~
海兵隊はこうした兵力を以て、[[アメリカ軍]]が参加する主な戦いには一番最初に前線へ投入され、上陸・空挺作戦などの任務を受け持つのである。
**編制 [#g1e4ef0e]
-海兵隊総軍
--第2海兵遠征軍((この度、解隊が予定されている。))
---第2海兵師団
---第2海兵航空団
---第2海兵兵站群
---第2海兵遠征旅団
---第22海兵遠征隊
---第24海兵遠征隊
---第26海兵遠征隊
---第4海兵遠征旅団
-太平洋海兵隊
--第1海兵遠征軍
---第1海兵師団
---第3海兵航空団
---第1海兵兵站群
---第1海兵遠征旅団
---第11海兵遠征隊
---第13海兵遠征隊
---第15海兵遠征隊
--第3海兵遠征軍
---第3海兵師団
---第1海兵航空団
---第3海兵兵站群
---第3海兵遠征旅団
---第31海兵遠征隊
-海兵隊予備役集団
--第4海兵師団
--第4海兵航空団
--第4海兵兵站群
**主要装備 [#g1e4ef0e]
|>|CENTER:''航空機''|
|[[戦闘攻撃機]]|[[F/A-18A/B/C/CN/D「ホーネット」>F/A-18]]&br;[[AV-8B「ハリアー」>ハリアー]]&br;[[F-35B「ライトニングII」>F-35]]（開発中）|
|[[練習機]]|[[TAV-8>ハリアー]]|
|[[輸送機]]/[[空中給油機]]|[[KC-130J/T「スーパーハーキュリーズ」>C-130]]|
|[[電子戦機]]|[[EA-6B「プラウラー」>EA-6]]&br;[[EA-18G「グラウラー」>EA-18G]]|
|>|CENTER:''回転翼機''|
|[[攻撃ヘリコプター]]|[[AH-1W「スーパーコブラ」>AH-1]]&br;[[AH-1Z「ヴァイパー」>AH-1]]|
|汎用ヘリコプター|[[UH-1Y「ヴェノム」>UH-1]]&br;[[UH-60「ブラックホーク」>UH-60]]|
|輸送ヘリコプター|[[CH-53D「シースタリオン」>CH-53]]&br;[[CH-53E/K「スーパースタリオン」>CH-53]]&br;[[MV-22B「オスプレイ」>V-22]]|
|要人輸送ヘリコプター|[[VH-3D「シーキング」>SH-3]]（[[マリーンワン>エアフォースワン]]用）&br;[[VH-60「プレジデントホーク」>UH-60]]（マリーンワン用）|
|[[UAV>無人機]]|エアロバイロメント ワスプ&br;エアロバイロメント スウィッチブレード&br;RQ-7「シャドー」&br;RQ-11「レイヴン」&br;RQ-14「ドラゴンアイ」&br;RQ-20「ピューマ」&br;RQ-21A「ブラックジャック」&br;T-20&br;スキャンイーグル|
|[[空対空ミサイル]]|[[AIM-7「スパロー」>AIM-7]]&br;[[AIM-9「サイドワインダー」>AIM-9]]&br;[[AIM-120「AMRAAM」>AIM-120]]|
|[[空対地ミサイル]]|[[AGM-65「マーベリック」>AGM-65]]&br;[[AGM-114「ヘルファイア」>AGM-114]]&br;AGM-154「JSOW」|
|[[空対艦ミサイル]]|[[AGM-84「ハープーン」>AGM-84]]|
|[[対レーダーミサイル]]|[[AGM-88「HARM」>AGM-88]]|
|[[爆弾]]|CBU-99[[クラスター爆弾]]&br;[[GBU-10/GBU-12/GBU-16「ペイブウェイII」>ペイブウェイ]]&br;[[MK82/83/84>Mk.80シリーズ]]|
|[[ロケット弾]]|ハイドラ70&br;M260 70mm[[ロケット弾]][[ポッド]]&br;APKWS((Advanced Precision Kill Weapon System.))|
~
|>|CENTER:''小火器・火砲''|
|[[拳銃]]|[[ベレッタ]][[M9]]&br;[[グロック19>グロック17]]&br;[[M45A1 CQPB>M1911 コルトガバメント]]（M45 MEU（SOC）の後継）|
|[[突撃銃]]/[[カービン]]|[[M16A4>M16（小銃）]]&br;[[M4]][[カービン]]&br;[[M27IAR（Infantry Automatic Rifle）>HK416]]&br;MK18 Mod1|
|[[マークスマンライフル]]|[[SAM-R>M16（小銃）]]&br;[[M39 EMR>M14]]|
|[[狙撃銃]]/[[対物ライフル]]|[[Mk11 Mod0>M16（小銃）]]&br;M110&br;M40&br;[[バレット]][[M82]]|
|[[散弾銃]]|レミントン870&br;ベネリM1014&br;モスバーグ590A1|
|[[短機関銃]]|[[コルト9mmSMG>M16（小銃）]]|
|[[機関銃]]|[[M2HB>ブローニングM2]]&br;[[M240B>MAG]]&br;[[M249>ミニミ]]|
|[[擲弾発射機]]|[[M203A1/A2>M203]]&br;[[Mk19]]自動擲弾発射機|
|[[手榴弾]]|M67破片手榴弾&br;AN-M14&br;Mk141 Mod0 "フラッシュバン"&br;AN-M18煙幕手榴弾|
|[[迫撃砲]]|[[M224 60mm迫撃砲>M224]]&br;[[M252 81mm迫撃砲>L16]]&br;M327 EFSS((Expeditionary Fire Support System.))（フランス製のMO-120-RT-61）|
|[[榴弾砲]]|[[M198 155mm榴弾砲>M198]]&br;[[M777 155mm榴弾砲>M777]]|
|[[対戦車ミサイル]]|[[M72 LAW>M72]]&br;[[M136 AT-4>AT-4]]&br;MK153 SMAW((Shoulder-launched Multipurpose Assault Weapon.))&br;[[FGM-148「ジャベリン」>FGM-148]]&br;[[BGM-71「TOW」>TOW]]&br;FGM-172「プレデター」SRAW((Short-Range Assault Weapon.))|
|携行[[SAM>地対空ミサイル]]|[[FIM-92「スティンガー」>FIM-92]]|
~
|>|CENTER:''車両''|
|[[主力戦車]]|[[M1A1「エイブラムス」>M1（戦車）]]|
|[[偵察車]]|[[M93「フォックス」>フクス]][[NBC>NBC兵器]]偵察車|
|[[歩兵戦闘車]]|[[LAV-25>ピラーニャ]]|
|[[水陸両用兵員輸送車>APC]]|[[AAV7A1>AAV7]]|
|[[装甲車>APC]]|[[クーガー]]|
|対戦車車両|[[LAV-AT>ピラーニャ]]|
|多用途車|[[HMMWV]]&br;MTVR((Medium Tactical Vehicle Replacement.))&br;[[MRAP]]&br;LVS((Logistics Vehicle System.))|
|自走ロケット砲|[[M142 HIMARS>HIMARS]]|
|[[自走迫撃砲]]|[[LAV-M>ピラーニャ]]|
|対空車両|[[アベンジャーシステム>FIM-92]]&br;[[LAV-AD>ピラーニャ]]|
|戦車回収車|[[M88A2>M60（戦車）]]|
|戦車橋|[[M60A1 AVLB>M60（戦車）]]|
**階級 [#b78768e0]
|>||給与等級|階級|同原語|[[NATO>北大西洋条約機構]]階級コード|
|士官|将官|O-10|[[大将]]|(Full) General|OF-9|
|~|~|O-9|[[中将]]|Lieutenant General|OF-8|
|~|~|O-8|[[少将]]|Major General|OF-7|
|~|~|O-7|[[准将]]|Brigadier General|OF-6|
|~|佐官|O-6|大佐|Colonel|OF-5|
|~|~|O-5|中佐|Lieutenant Colonel|OF-4|
|~|~|O-4|少佐|Major|OF-3|
|~|尉官|O-3|大尉|Captain|OF-2|
|~|~|O-2|中尉|First Lieutenant|OF-1|
|~|~|O-1|少尉|Second Lieutenant|~|
|>|准士官|W-5|准尉1級|Chief Warrant Officer 5|WO-5|
|~|~|W-4|准尉2級|Chief Warrant Officer 4|WO-4|
|~|~|W-3|准尉3級|Chief Warrant Officer 3|WO-3|
|~|~|W-2|准尉4級|Chief Warrant Officer 2|WO-2|
|~|~|W-1|准尉5級|Warrant Officer|WO-1|
|>|下士官|E-9|海兵隊最先任上級曹長|Sergeant Major of the Marine Corps|OR-9|
|~|~|~|部隊最先任上級曹長|Sergeant Major|~|
|~|~|~|上級曹長|Master Gunnery Sergeant|~|
|~|~|E-8|先任曹長|First Sergeant|OR-8|
|~|~|~|[[曹長]]|Master Sergeant|~|
|~|~|E-7|一等軍曹|Gunnery Sergeant|OR-7|
|~|~|E-6|二等軍曹|Staff Sergeant|OR-6|
|~|~|E-5|三等軍曹|Sergeant|OR-5|
|~|~|E-4|伍長|Corporal|OR-4|
|>|兵|E-3|上等兵|Lance Corporal|OR-3|
|~|~|E-2|一等兵|Private First Class|OR-2|
|~|~|E-1|二等兵|Private|OR-1|
#br
