【アメリカ海兵隊】(あめりかかいへいたい)

U.S Marine Corps.

アメリカ国防総省に属するアメリカの海兵隊で、アメリカ軍における5つの軍事組織の一つ。
2007年11月時点、現役将兵186,000人、予備役兵40,000人を擁する。

元は軍艦上での白兵戦・敵船舶の拿捕を行うために乗り組んでいた歩兵(武装船員)を起源としている*1が、現在では敵地への揚陸・浸透作戦をはじめ、様々な任務を負っており、陸軍海軍空軍と同格の「第四の軍隊」として扱われている*2

現在のアメリカ海兵隊は、海岸部のみならず世界中全ての戦場への展開を想定した装備を備えている。
大規模な揚陸・輸送艦艇部隊*3はもちろん、歩兵戦闘車APC(装甲兵員輸送車)で高度に機械化された歩兵部隊や空挺部隊を持ち、主力戦車重砲による濃密な支援を受ける。
さらに、航空部隊の戦闘機攻撃機によって独力でカウンターエア近接航空支援も行える。
この正面戦力は、小国が保持し得る空軍の全戦力にも匹敵する強力なものであり、また、その様々な戦歴から、世界各国の海兵隊(あるいはこれに類する上陸作戦部隊)の中で最も有名な存在として認知されている。

また、アメリカ合衆国大統領は、連邦議会の同意を得ずに海兵隊を自由に動員する事ができる。*4
大統領府(ホワイトハウス)・在外公館などの警備や、大統領専用ヘリコプターの運用もアメリカ海兵隊の職分である。
アメリカ海兵隊は、アメリカが大規模軍事行動を起こす際の「先遣隊」であると同時に、アメリカ大統領の親衛隊でもある。

軍政や部隊管理面では海軍と同じく、海軍省の監督下にある。
海兵隊のトップたる海兵隊総司令官は海兵隊の中で最高位の軍人であると同時に海兵隊の最高指揮官である。
総司令官は統合参謀本部の一員で、文官である海軍長官に直属し、海軍軍人のトップである海軍作戦部長と同格の職位にある。
総司令官は軍政や部隊管理面で権限を有するが、軍令や作戦の指揮権は無く、軍令や作戦指揮は各統合軍司令官を通じて行われる。

編制

  • 海兵隊総軍
    • 第2海兵遠征軍
      • 第2海兵師団
      • 第2海兵航空団
      • 第2海兵兵站群
      • 第2海兵遠征旅団
      • 第22海兵遠征部隊
      • 第24海兵遠征部隊
      • 第26海兵遠征部隊
  • 太平洋海兵隊
    • 第1海兵遠征軍
      • 第1海兵師団
      • 第3海兵航空団
      • 第1海兵兵站群
      • 第11海兵隊遠征隊
      • 第13海兵隊遠征隊
      • 第15海兵隊遠征隊
    • 第3海兵遠征軍
      • 第3海兵師団
      • 第3海兵航空団
      • 第3海兵兵站群
      • 第3海兵遠征旅団
      • 第31海兵隊遠征隊
    • 海兵隊予備役集団
      • 第4海兵師団
      • 第4海兵航空団
      • 第4海兵兵站群

主要装備

階級

給与等級階級NATO?階級コード
士官将官O-10大将OF-9
O-9中将OF-8
O-8少将OF-7
O-7准将OF-6
佐官O-6大佐OF-5
O-5中佐OF-4
O-4少佐OF-3
尉官O-3大尉OF-2
O-2中尉OF-1
O-1少尉
准士官W-5准尉5級WO-5
W-4准尉4級WO-4
W-3准尉3級WO-3
W-2准尉2級WO-2
W-1准尉1級WO-1
下士官E-9海兵隊最先任上級曹長OR-9
最先任上級曹長
上級曹長
E-8先任曹長OR-8
曹長
E-7一等軍曹OR-7
E-6二等軍曹OR-6
E-5三等軍曹OR-5
E-4伍長OR-4
E-3上等兵OR-3
E-2一等兵OR-2
E-1二等兵OR-1
 

*1 そのことから、「全ての海兵隊員はライフルマン」という言葉もあり、司令官から兵站要員まで、必要とあらば小銃を手にして戦うことを厭わない、といわれている。
*2 幹部養成が海軍と共通であり、揚陸艦など一部装備の運用も海軍に任されているなど、立場はやや海軍寄り。
*3 船舶の運用は海軍に任されている。
*4 ただし、事後48時間以内に下院議長と上院臨時議長へ書面で報告するとともに、議会による宣戦布告か承認がなされない場合、議会への報告後60日以内の戦闘のみ認められ、さらに30日以内の撤兵が義務づけられている、としている。

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