【アター】(あたー)

SNECMA Atar
フランスのスネクマ?社が開発した軸流圧縮式ターボジェットエンジン
第二次世界大戦時にドイツのBMW社が開発したターボジェットエンジンである「BMW 003」をベースに高出力化したものである。
戦後のフランスの多くの航空機に搭載されただけでなく、これまで素地が少なかったフランスのジェットエンジン産業基盤の確立にも貢献した。

主にダッソー社製の戦闘機に搭載され、ミラージュF1ミラージュ5シュペルエタンダールなどに搭載された。

主な搭載機

性能諸元

タイプアフターバーナー付きターボジェット
全長5,900mm
直径1,000mm
乾燥重量1,456kg(アター9C)
1,582kg(アター9K50)
圧縮機9段軸流式
タービン2段
推力アター9C:42.0kN(ミリタリーパワー)/58.9kN(アフターバーナー使用時)
アター9K50:49.2kN(ミリタリーパワー)/70.6kN(アフターバーナー使用時)
全圧縮比5.2:1(アター9C)
6.5:1(アター9K50)
定格燃料流量アター9C:103kg/(kN·h)(ミリタリーパワー) / 207kg/(kN·h)(アフターバーナー使用時)
アター9K50:98.9kg/(kN·h)(ミリタリーパワー)/ 199.9kg/(kN·h)(アフターバーナー使用時)
推力重量比4.1:1(アター9C)
4.6:1(アター9K50)


仕様一覧

形式推力
(kgp)
回転数
(rpm)
タービン温度重量
(kg)
アター101V1-1619481,700〜2,2007,600〜8,000700℃880
アター101B119512,4008,300845℃890
アター101D319533,0008,300870℃920
アター101E3/E519553,5008,400865℃870
アター08B19563,5308,150600℃1,079
アター9C19606,000800885℃1,430
アター9K19636,7008,400920℃1,490
アター9K5019697,2008,900930℃1,582
アター8K5019705,0008,550925℃1,165


派生型

  • アター101:
    初期型。ダッソーシュペルミステール戦闘爆撃機に搭載。
    • アター101B:
      初期の問題を改善した型。
    • アター101C:
      圧縮機と燃焼器を強化した型。
    • アター101D:
      タービンの大型化や耐熱合金を使用した型。
    • アター101D:
      "0番目"の圧縮段を加え、総圧縮比が増加した型。
    • アター101F:
      D型にアフターバーナーを追加した型。
    • アター101G:
      E型にアフターバーナーを追加した型。
  • アター8:
    9段圧縮機と2段タービン。1954〜1956年に開発された。
    • アター8B:
      ダッソー エタンダール IVに搭載。
    • アター8K50:
      アター9K50の単純型。シュペルエタンダールに搭載。

  • アター9:
    アフターバーナー付き。
    統合された始動装置、圧縮機を改良して超音速飛行用に最適化。
    • アター9C:
      ダッソーミラージュ3とミラージュ5戦闘機に搭載。
    • アター9K10:
      改良型燃焼室、タービンブレード冷却の改良。ダッソーミラージュ4爆撃機に搭載。
    • アター9K50:
      アター9Cの改良型。
      タービンの再設計と圧縮機が更新され、燃料消費率と推力が改善された。
      ダッソーミラージュF1とダッソーミラージュ50に搭載。


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