【アスピデ】 †
イタリア・シレニア社がAIM-7E-2スパローを基に開発した国産の中射程空対空ミサイル。
1988年にイタリア空軍に配備された。
外見は、基となったスパローと同じだが、セレニア社製のモノパルス・セミアクティブレーダーシーカーを搭載したため、ECCMやシュートダウン能力が向上したほか、ロケットモーターの高性能化により射程が延長されている。
主にイタリア空軍のF-104S及びF-104ASAに搭載されている。
輸出も好調でイラクやスペイン、リビアなど17ヶ国に輸出されている。
スペックデータ †
全長 | 3.70m 3.89m(アスピデ2000) |
直径 | 0.20m |
翼幅 | 1.00m 0.64m(アスピデ2000) |
推進方式 | 固体燃料ロケットモーター |
速度 | マッハ2.5 マッハ3(アスピデ2000) |
重量 | 220kg 241kg(アスピデ2000) |
弾頭 | HE 破片効果弾頭 |
弾頭重量 | 30kg 35kg(アスピデ2000) |
射程 | 50km 100km(アスピデ2000) |
誘導方式 | セミアクティブレーダー誘導 |
派生型 †
- アスピデMk.1:セミアクティブレーダー誘導型
- アスピデMk.2:アクティブレーダー誘導型。AIM-120の導入により開発中止。
- アルバトロス:アスピデを使用した個艦防空用SAMシステム。
発射機は4連装と8連装の箱型発射機のほか、VLS型(バルバロス級フリゲート(トルコ海軍)に装備)がある。
また、システムはベースであるシースパローへの変更も可能である。 - スパダ:イタリアのアレニア・マルコニー・システムズ社が開発した全天候型防空ミサイルシステムでアラミスとも呼ばれる。
システムはRAC-3D 3次元対空捜索レーダーを装備するレーダーシステム、対空目標の追跡や優先目標の指定、発射機への攻撃目標指定を行う管制室、6連装のミサイル発射機で構成され、各システムごとにモジュール化されているため、C-130クラスの輸送機で空輸可能である。
発射機に搭載するミサイルにはアスピデMk1かアスピデ2000を選択できる。 - スカイガード:エリコン・コントラヴェス社(現在はラインメタル社傘下)製の防空システム。
システムは牽引式でGDF002 35mm機関砲を使用するが、発射機も追加可能で射撃統制システムにより統合運用が可能である。
台湾などで採用されている。