【ふじ】(ふじ)

静岡県と山梨県の県境に位置する日本最大の休火山「富士山」(原義)。
後述のとおり、旧海軍及び海上自衛隊の艦艇名として用いられた。

前ド級戦艦「富士」

1890年代、日本海軍が英国のテームズ鉄工所に発注・建造した前ド級戦艦。姉妹艦に「八島」がある。
日本海軍がはじめて保有した近代戦艦であり、1904〜1905年の日露戦争では連合艦隊の主力艦の一艦として活躍した。

その後、大正時代に入ると新型戦艦の竣工で旧式化して海防艦となり、二線級に退いたが、ワシントン海軍軍縮条約の発効に伴って兵装・装甲を撤去し、練習艦となった。
さらにその後、昭和に入ると海軍航海学校の保管艦として上部構造物に居住区施設や講堂を増設して「浮き校舎」となり、太平洋戦争の終戦直前まで生き延びていたが、終戦直前の横須賀空襲で大破着底し、戦後に解体された。

海上自衛隊砕氷艦「ふじ」

JS Fuji(AGB-5001).

1960年代、日本の文部省が南極観測活動に用いるため建造し、防衛庁海上自衛隊)に運用を委託した砕氷艦。
海上保安庁が運用していた巡視船「宗谷」に次ぐ二代目の南極観測船であり、自衛艦として初めてヘリコプターを搭載した艦船でもあった。

1965年〜1984年まで、横須賀基地を母港として南極観測活動の支援(物資・観測隊員の輸送)にあたっていたが、1984年に後継のしらせに任務を譲って除籍。
現在は愛知県・名古屋港のガーデンふ頭に繋留保存され、記念艦として一般公開されている。


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