【がんばれ食】(がんばれしょく)

陸海空自衛隊の使用する船舶・航空機に、緊急時に備えて搭載されている「救命糧食」の愛称
愛称の由来は「がんばれ!元気を出せ!救助は必ずやってくる!」と書かれたカードが同梱されている事から。

ソフトビスケットに近いブロック状の食品で、ブロック1個が遭難者1名の1食分に相当する。
戦闘機射出座席輸送機哨戒機・艦船の救命筏、ゴムボートなどに配備される。

当初はポリエチレンの袋に乾燥肉などが詰められている形態のものだった。
しかし実際の事故で使用された際、遭難者から「寒さでかじかんで開けにくかった」「肉が固かった」などの証言があり、欠陥が判明した。
現在では食べやすく消化もしやすいブロック状、手先が震えていても開けられる包装などに改められている。

日本列島周辺での遭難事故のほとんどは数時間以内に救助が到着するため、実際に使用される機会は少ないという。
とはいえ、常に迅速な救助が行われる保証はなく*1、また、海外での事故や戦闘による航空機の墜落・艦船の沈没も想定されるため、乗員の命を守る重要な装備である事は疑いない。

関連:戦闘糧食

参考リンク:http://10.studio-web.net/~phototec/ration/kyuunannryousyoku.htm


*1 特に、「防衛出動命令」や「国民保護出動命令」が出されるような有事の際には、平時同様の捜索救難態勢の運用が難しくなる可能性が否定できない。

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