【おやしお型】

1.
1998(平成10)年から就役した海上自衛隊の新型通常動力潜水艦

水中機動性を優先した従来の波滴型を脱し、船体中央の平行部分が長い「葉巻型」を採用、水中探知能力が向上した。
このため、艦体構造が従来型の複穀型から一部単穀型の、部分復穀式になった。
また吸音タイルや7枚翼のハイスキュードタイプ・スクリューを採用し静粛性、対ソナーステルス性も格段に向上。
魚雷発射管を中央に配置した結果、艦内各所が余裕のある設計になった。

日本では初めて、「フランクアレイソナー?」を装備。
フランクアレイソナー?は艦体下部両舷に装備しており、これによりTASS?ZQQ-6?ソナーを併用することで全周囲精密測定が可能といわれている。


潜水艦「おやしお」型主要諸元

  • 基準排水量:2,750t
  • 水中排水量:3,000t
  • 長さ×幅×深さ×喫水:82m×8.9m×10.3m×7.4m
  • 船型:葉巻型・部分復穀式
  • 主機関:川崎12V25/25Sディーゼル×2基、主電動機×1基、1軸
  • 出力:5,500ps(ディーゼル) 7,700ps(電動機)
  • 最高速力:20kt(水上) 12kt(水中)
  • 定員:70名
  • 主要兵装:HU605 533mm水中発射管×6門

    同型艦
     番号   名称     建造所       起工     進水     竣工
    SS590 おやしお 川崎重工・神戸 06/01/26 08/10/15 10/03/16
    SS591 みちしお 三菱重工・神戸 07/02/16 09/09/18 11/03/10
    SS592 うずしお 川崎重工・神戸 08/03/06 10/11/25 12/03/31
    SS593 まきしお 三菱重工・神戸 09/03/26 11/09/22 13/03/29
    SS594 いそしお 川崎重工・神戸 10/03/09 12/11/27 14/03/14
    SS595 なるしお 三菱重工・神戸 11/04/02 13/10/04 15/03/03
    SS596 くろしお 川崎重工・神戸 12/03/27 14/10/23 16/03/08
    SS597 たかしお 三菱重工・神戸 13/01/19 15/10/01 17年3月予定
    SS598 やえしお 川崎重工・神戸 14/01/15 16/11/04 18年3月予定

2.
戦後初の国産潜水艦。
水中高速目標を主任務とする。
当初の要求では250t及び500t級の小型の潜水艦もあったが、1000t級の大型でも水中高速 艦は可能との見通しから建造された。
故障も多かったが、当初の計画通り、対潜訓練や乗員育成に活躍した。

  • 基準排水量:1,130t
  • 長さ×幅×深さ×喫水:79m×7.0m×5.9m×4.6m
  • 主機関:ディーゼル×2基、主電動機×2基、2軸
  • 出力:2,700ps(ディーゼル) 5,900ps(電動機)
  • 最高速力:13kt(水上) 19kt(水中)
  • 定員:65名
  • 主要兵装:533mm水中発射管×4門

    同型艦
    SS511 おやしお 川崎重工・神戸 起工:32/12/25 進水:34/05/25 竣工:35/6/30 除籍:51/9/30

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