【いずも】(いずも)

JS Izumo(DDH-183).

海上自衛隊が2015年に就役させたヘリコプター搭載護衛艦ヘリコプター空母)。
姉妹艦に「かが(JS Kaga DDH-184)」がある。

当初、2010年度の概算要求で取得計画が発表されたことから「22DDH」、また、計画時の基準排水量から「19500トン型護衛艦?」と仮称されていた。

本艦は前作のひゅうが型に比して全長が長くなり、基準排水量も増加し、ヘリコプターの最大搭載機数も14機・同時離着艦機数5機と、ヘリコプターの運用能力も向上している。
また、陸上自衛隊の人員400名と3トン半トラック50台の輸送能力や、他艦艇への洋上給油能力(3,300キロリットルの軽油・真水:汎用護衛艦3隻分)、病院船機能(手術室および病室35床)等、さまざまな任務に対応し得る能力が与えられる予定である。

その一方で、FCS-3改射撃指揮装置などの高価な装備は省かれ、搭載兵装も最低限の自衛火器のみとなるなど、(ひゅうが型と同様、政治的事情から、公称されている艦型は「ヘリコプターの母艦機能を備えた駆逐艦」となっているが)他国の空母と同様、自身の交戦能力は皆無に等しくなっている。
このためひゅうが型以上に、他の護衛艦等との連携が重視されることとなる*1

平成24年(2012年)1月に建造が開始され、平成25年(2013年)8月6日に進水。「いずも」と命名され、2015年3月に就役した*2
また、平成24年度予算で姉妹艦が発注され、こちらは平成27年(2015年)8月27日に進水、「かが」と命名された(平成28年度末就役予定)。

関連:多目的空母

性能緒元

排水量
基準/満載
※いずれも計画値
19,500t/27,000t
全長248m*3
全幅38m
深さ23.5m
吃水7.3m
機関COGAG方式
GE LM2500IECガスタービン×4基(出力28,000hp)
スクリュープロペラ×2軸
機関出力112,000hp
速力30ノット
航続距離-
乗員約470名/約970名(便乗者等含む)
兵装高性能20mm機関砲CIWS)×2基
SeaRAM 近SAMシステム×2基
艦載機SH-60K哨戒ヘリコプター×7機
MCH-101輸送・救難ヘリコプター×2機
定数9機、最大14機
補給能力軽油・真水:3,300kL
輸送能力右舷中部に大型ランプを装備
陸上自衛隊の人員400名と3 1/2tトラック50台の輸送が可能なほか、
航空自衛隊PAC-3地対空ミサイルシステムの車両も収容可能
C4IシステムOYQ-51 洋上ターミナル(MTA)
OYQ-12 戦術情報処理装置
レーダーOPS-50 3次元対空レーダー×1基(AESAアンテナ×4面)
OPS-28 対水上レーダー×1基
OPS-20? 航海レーダー×1基
ソナーOQQ-23 艦首装備式ソナー×1基
電子戦・対抗手段NOLQ-3D-1 電波探知妨害装置
OLQ-1 魚雷防御装置×1式
(自走式デコイ(MOD)+ 投射型静止式ジャマー(FAJ))
Mk.137 SRBOC デコイ発射装置×1式(片舷3基タイプ)


同型艦

艦番号艦名主造船所起工進水就役
DDH-183いずも
(JS Izumo)
ジャパンマリンユナイテッド
横浜事業所・磯子工場
2012.1.272013.8.62015.3.25
DDH-184かが
(JS Kaga)
2013.10.72015.8.272017.3.予定



*1 ひゅうが型も単艦での運用は想定されていないため、合目的性を改善してコスト・パフォーマンスを向上させたともいえる。
*2 本艦に替わり、「しらね(DDH-143)」(1980年就役)が除籍された。
*3 旧海軍の空母と比較すると、改装後の加賀に相当する。

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