【あぶくま】(あぶくま)

JMSDF DE ABUKUMA class
1980年代に計画された地方隊向けの小型護衛艦。
平時には哨戒・警備任務を、有事に想定される艦隊戦においては、初期における敵艦隊の足止めと主力艦隊が到着するまでの前哨防護戦闘*1を受け持つ。

兵装にはいしかり?型やゆうばり?型小型護衛艦では重量の関係で搭載されなかったアスロックCIWSハープーン対艦ミサイルなど、強力な兵装が搭載され*2、加えてECM機能をもつ電子戦装置の搭載や海軍戦術情報システム(NTDS)?への対応など、電子装備は当時の護衛艦隊所属艦と遜色のないレベルまで強化されており、基準排水量2,000tと小振りながらも、同時期に整備されていた「はつゆき」「あさぎり」級に匹敵する戦闘力を備えている。

1988年から1991年までに6隻が建造され、2008年3月からは海上自衛隊部隊組織改編に伴い、地方隊所属から護衛艦隊所属になり現在も第一線で活躍している。

スペックデータ

艦種護衛艦(DE)
全長109.0m
全幅13.4m
吃水3.8m
排水量
基準/満載
2,000t/2,900t(推定)
機関CODOG方式 2軸推進
川崎 スペイSM1Aガスタービンエンジン×2基
三菱S12U-MTKディーゼルエンジン×2基
機関出力13,500shp(SM1A)
5,000shp(S12U-MTK)
計27,000shp
最大速力27kt
乗員120名
兵装オート・メラーラ 62口径76mm単装速射砲×1門
74式アスロックSUM? 8連装発射機×1基
ハープーンSSM 4連装発射筒×2基
高性能20mm機関砲CIWS)×1基
Mk.31 RAM GMWS(計画のみ)
HOS-301(Mk.32) 3連装短魚雷発射管×2基
艦載機運用設備なし。ヴァートレップに対応、HIFR(艦船からヘリコプターへの給油)が可能。
C4IシステムMOF*3システム(SUPERBIRD-B2衛星通信)
海軍戦術情報システム(リンク11
OYQ-7戦術情報処理装置
FCS-2(FCS-2-21A) 砲FCS
レーダーOPS-14対空レーダー×1基
OPS-28対水上レーダー×1基
ソナーOQS-18中周波ソナー
戦術曳航ソナーシステム(TACTAS)(計画のみ)
電子戦
・対抗手段
NOLQ-6 ESM装置
OLT-3 ESM装置
Mk36 SRBOC対抗手段展開システム(Mk.137 チャフフレア発射機×2基)


同型艦

艦記号・艦番号艦名主建造所起工進水竣工所属
   DE-229あぶくま三井造船玉野事業所1988.3.171988.12.311989.12.21護衛艦隊第14護衛隊
(舞鶴基地)
   DE-230じんつう日立造船舞鶴工場1988.4.141988.1.311990.2.28護衛艦隊第15護衛隊
(大湊基地)
   DE-231おおよど三井造船玉野事業所1989.3.81989.12.191991.1.23護衛艦隊第16護衛隊
(佐世保基地)
   DE-232せんだい住友重工
追浜造船所浦賀工場
1989.4.141989.1.261991.3.15護衛艦隊第16護衛隊
(佐世保基地)
   DE-233 ちくま日立造船舞鶴工場1991.2.141992.1.221993.2.24護衛艦隊第15護衛隊
(大湊基地)
   DE-234  とね住友重工
追浜造船所浦賀工場
1991.2.81991.12.61993.2.8護衛艦隊第16護衛隊
(佐世保基地)



*1 正規戦での初戦の足止めと主力艦隊が到着するまでの時間稼ぎ(可能であれば敵艦の掃討)
*2 加えてRAMが後日装備とされていたが、現在に至るも搭載されてはいない
*3 Maritime Operation Force:海上作戦部隊指揮管制支援

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