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【あたご】 †
- 京都市消防局所属のヘリコプター、AS365N2ドーファン2の愛称。
ちなみに、同局に所属するAS365N1型の愛称は「ひえい」である。
- JMSDF DDG ATAGO class
海上自衛隊の第五世代ミサイル護衛艦にして、世界最大のイージス艦。
1970〜80年代に建造された「たちかぜ」級が老朽化したため、その代替艦として平成14年度(2002年度)予算にて発注された。
2005年8月に進水、2007年3月に就役した。
こんごう型に引き続きアーレイ・バーク級をモデルに設計されており「改こんごう型」と呼ばれることもある。
こんごう型に比べ、
・速射砲を軽量でシールドのステルス化を図ったMk.45 mod.4に変更
・マストを、5000トン型護衛艦予想図にも取り入れられている日本独自設計のステルス重視の四角柱型に変更
・ハンガー?などのヘリコプター運用設備を追加(ただし常時搭載する固有のヘリコプターはない)
・イージスシステムとして最新のベースライン7.1Jを採用し、処理能力が大幅に向上
・レーダーを従来のSPY-1Dから、天頂方向の捜索追尾能力が強化され低高度小型高速目標の捕捉能力が改善されたSPY-1D(v)へと変更し、電子戦能力・探知距離等が向上
など、アーレイ・バーク級フライト2Aにより近い設計となっているが、こんごう型に引き続いてCIWSやハープーンや90式艦対艦誘導弾の艦対艦ミサイル、群司令設備(FIC?)などが装備されている。
このため基準排水量は7,700トンと非常に大きく、満載排水量に至っては10,000トン前後になったと見られており、事実上、世界最大のイージス艦となる。
現代の戦闘艦としては(ミサイルを小型化できない旧東側の艦を除いて考えると)非常に大型の艦となっている。*1
冷戦終結後の世界には贅沢な装備にも感じられるが、これは対空・対潜戦闘を重視する海上自衛隊旧来のドクトリンに加え、新たな課題である不審船対策およびミサイル防衛に対応するため、単艦で何でもこなせる万能艦であることが求められたものと思われる。*2
なお、今回の新中期防衛計画?であたご型2隻にもSM-3の発射能力が付与されることになっている。
【性能諸元】
艦種 ミサイル護衛艦(DDG) 全長 165m 全幅 21m 吃水 6.2m 排水量
(基準/満載)7,700t/10,000t(予想) 機関 COGAG方式 2軸推進
LM2500ガスタービンエンジン×4基機関出力 100,000ps 速力 30ノット以上 乗員 300人 兵装 Mk.45 mod.4 62口径5インチ(127mm)単装速射砲×1門
Mk.41 mod.15 VLS×2基 96セル(RIM-66、RUM-139を装備*3)
4連装SSM用キャニスター×2基(90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)を装備)
HOS-302 3連装324mm短魚雷(対潜魚雷)発射管×2基
高性能20mm機関砲(CIWS)×2基艦載機 SH-60J/K哨戒ヘリコプター×1機(常時搭載機なし) C4Iシステム MOFシステム
AWS Mk7+AN/SQQ-89 ASWCS*4+リンク 11/14/16FCS Mk99 ミサイルFCS×3基
Mk160 砲FCS
Mk116 水中FCSレーダー AN/SPY-1D多機能レーダー×4面1基
OPS-28E 対水上レーダー
OPS-20航海レーダーソナー SQS-53E 艦首装備ソナー 電子戦・
対抗手段NOLQ-2統合電子戦装置
Mk36 SRBOC 対抗手段展開システム(Mk.137 チャフ・フレア発射機×4基)
・同型艦
艦番号 艦名 主造船所 起工 進水 就役 所属 DDG-177 あたご
(JS Atago)三菱重工業
長崎造船所2004.4.5 2005.8.24 2007.3.15 第3護衛隊群第3護衛隊
(舞鶴基地)DDG-178 あしがら
(JS Ashigara)三菱重工業
長崎造船所2005.4.6 2006.8.30 2008.3.13 第2護衛隊群第2護衛隊
(佐世保基地)
*1 艦種記号は「ミサイル駆逐艦」をあらわす"DDG"であるにも関わらず、排水量だけで見れば1920年代の「条約型巡洋艦」に匹敵する。
*2 就役時点でミサイル防衛能力は装備されていない
*3 アスロックは改良型に置換される予定
*4 ASW Combat System:統合対潜システム