*&ruby(ゆーえすいち){【US-1】}; [#cc19f6f8]

[[新明和工業]]が開発した救難[[飛行艇]]。~
[[対潜哨戒機]]として使用されていた[[PS-1]]を元に開発された。~

救難[[飛行艇]]として[[海上自衛隊]]に1975(昭和50)年から配備が開始された。~
厳密には配備された1から6号機までがUS-1であり、7号機以降は[[エンジン]]を強化したUS-1Aが配備されている。~

[[飛行艇]]として優れた性能を持ち、荒い海へ着水し[[航続距離]]の長さによる長時間の広域捜索や救難活動が可能であり、洋上救難者や空港設備の無い離島の救急患者の救助と陸上[[空港]]への搬送を効率良く行える。~
柔軟な搬送に対応するため、[[PS-1]]の[[ビーチングギア]]に替え、本機では[[ランディングギア]]を装備している。~
初実績は1976(昭和51)年に房総沖のはるか太平洋上にあったギリシャ船の乗組員を救助。以降は700回以上の出動により、およそ700以上の人々を救助・救急搬送している。~
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現在、[[海上自衛隊]]ではUS-1Aの後継機として[[US-1A改]]の開発が進められており、2007年以降の部隊配備を計画している。~
[[防衛省]]へ納入する際、[[US-2]](仮称)と改名する予定だという。~
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[[US-1A改]](仮称[[US-2]])では、離着水時の操縦性改善および患者輸送環境の改善と洋上救難能力の維持向上を目的としている。~
特徴としては、[[フライバイワイヤー]]や統合型計器板の導入、[[エンジン]]換装に[[主翼]]等の軽量化を加えた物で、救難活動の他に消防活動の能力も加えられており、湖水・内海・外洋に着水して13秒間に15トンの水を取水し、何度も往復しての消火活動が可能。~
メーカーの新明和工業では、本機を防災用として国内外一般ユーザーへ販売することを計画しているが、[[武器輸出三原則等]]との関連もあって実現の見通しは不透明である。~
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余談ではあるが、1995年の阪神・淡路大震災の時にこの機体があれば、火災による死傷者を大きく減らす事ができたと言われている。~
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**スペックデータ [#l0b5aa8b]
乗員:12名・負傷者36名を収容可~
全長:33.5m~
全高:10m~
全幅:33.2m
翼面積:135.8m²~
空虚重量:25,500kg~
運用時重量:26,600kg~
最大離陸重量:43,000kg~
燃料容量:19,456リットル~
エンジン:~
GE/IHI T-64-IHI-10E(3,060馬力)×4基(US-1)~
GE/IHI T64-IHI-10Jターボプロップエンジン(出力47kW(3,500ESHP))×4基(US-1A)~
最大速度:490km/h~
航続距離:4,000km以上~
実用上昇限度:8,660m~
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**派生型 [#kbd15734]
-US-1:捜索救難型。6機製造。~
-US-1A:エンジンをT64-IHI-10Jに換装し、出力を増強した形式。14機製造。~
-US-1A改:新明和でのUS-1後継救難機の試作機の呼称。2機製造。~
-US-2:量産型。エンジンはロールスロイス AE2100Jターボプロップエンジン(4,591shp)を搭載。~

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