*&ruby(きゅうみりるがー){【9mmルガー】}; [#be042984] ドイツのDWM社開発が1902年に開発した[[拳銃弾]]。~ [[口径]]と長さから「9mm×19弾」、最初に採用した[[拳銃]]の名から「9mmパラベラム」などともいう。~ >「パラベラム」の語源は、ラテン語の諺「Si Vis Pacem, Para Bellum(汝平和を欲さば、戦への備えをせよ)」。~ DWM社はこれをモットーとしている。 [[パラベラム・ピストーレ]]用の7.65mm×22パラベラム弾(7.65mmルガー弾)を基に、大口径化を企図して設計された。~ DWMはこれを採用した「パラベラムM1902」[[拳銃]]をアメリカ陸軍向けに売り込んだが、採用には至らなかった。~ 後に同社の「パラベラムP08(ルガーP08)」がドイツ陸軍に採用されたため、広く知られるようになった。~ [[パラベラム・ピストーレ]]はアメリカでの通称「ルガー・ピストル」の方が有名で、パッケージにも「9mm Luger」の表記が多く見られる。~ 高初速で貫通力が高い、発砲時の反動が弱い、多弾装化が容易、大量生産に向いているなどの利点がある。~ 反面、[[マンストッピングパワー]]にはやや劣る。~ また、[[初速]]が[[音速>マッハ]]を超えているため、通常の[[減音器]]ではソニックブームで発生する音を防げない((どうしても減音が必要な場合は[[装薬]]を減らした弱装弾を用いる。))。~ このため、比較的に規模の大きな正規戦に適し、[[特殊部隊]]や[[白兵戦]]にはやや不向き。 現在では[[自動拳銃>半自動式拳銃]]・[[短機関銃]]における事実上の世界標準の弾薬となっている。~ ただし、セールスの主体であるアメリカの民間用[[拳銃]]の分野ではより大[[口径]]の弾薬に押され、シェアは大きくない。 >アメリカでは長らく「装弾数12発以上の[[拳銃]]」が規制対象になっており、9mmルガー規格の軍用拳銃のほとんどがこれに抵触した。~ この規制と、そもそもアメリカ人ユーザーは大きく重く力強い「マッチョ」な銃を好む傾向にあるため、9mmルガーはそれほど人気を博さなかった。~ 拳銃の装弾数規制は近年撤廃されたが、多様化した市場環境で今更9mmルガーを優遇する理由も特にない。