*&ruby(ようへい){【傭兵】}; [#wd2c20b7]
[[徴兵制]]や自発的志願によって自国を守るために正規軍に所属するのでなく、正規軍が外国籍の人間を招き入れる[[外人部隊]]や[[軍事顧問]]でもなく、自治活動や思想活動の延長線上にある[[民兵]]でもなく、正当な利害関係のない第三者の軍事活動に金銭目的で参画する人間。単独で活動する者は特に「殺し屋」「ヒットマン」などと呼ぶ事もある。

[[国家総力戦]]が実現するより以前の戦争では必要な兵力を臨時の傭兵で賄う事がごく一般的に行われていたが、[[兵站]]や指揮系統が半ば以上独立している事になるため、雇い主は常に裏切りの危険にさらされる。「戦いが終わった途端に強盗の群れに変わる」というのは傭兵に対する典型的な偏見であり、史実においてもそのような傭兵は枚挙に暇がない。((だからといって全ての傭兵がモラルを欠くわけでもない。傭兵も正規軍も『自国民に刃を向ける事』は滅多にないが、現地の民間人は傭兵にとって自国民ではない、という話である。))

現代の[[国際法]]は傭兵が戦争に参画する事を認めておらず、ジュネーブ条約の捕虜の規定が適用されない単なる犯罪者として扱われる。自国民が傭兵となる事を禁止する国も多く、外国籍の滞在者が軍事物資を所有する事を認めない国はさらに多い。~
ただし治安の悪い発展途上国ではこの原則が曲げられ、不足している軍事力を補うために正規の政府や武装勢力が傭兵を雇い入れる事は暗黙のうちに許可されている。しかしこの場合でも傭兵の国際的な違法性は変わらない。((公式に捕虜や戦死者として扱われる事はないし、身元確認や保障なども十分に行われない。))

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