*&ruby(ひょうめんこうかよくき){【表面効果翼機】}; [#p91b93fb]
[[飛行機]]の一種で、[[表面効果]]を利用して高い[[揚力]]を得、それを利用して大量の[[ペイロード]]を見込んだもの。~

地上や水上をすれすれで飛行することは、[[墜落]]する危険や大気の濃さなどから[[速度]]をあまり上げることができない一方、[[表面効果]]を利用して[[揚抗比]]を向上させることができるため、[[輸送機]]などとして適するのではないかと考えられている。~
このうち、水上飛行を前提とした[[飛行艇]]を水面効果翼船(SES: Surface Effect Ship)、陸上飛行を前提とした機体を地面効果翼機(WIG: Wing In Ground-effect vehicle)と呼ぶ。~

前者は揚陸作戦に適するとして[[ソ連軍]]で「エクラノプラン」の名称で研究された時期があり、その機体の大きさから「カスピ海の怪物」と称されていた。~
しかし実際には多少の高波が来ただけで飛行に支障をきたしてしまうため、外海で運用されることはなかった。~

またSESは離水時に大きな[[推力]]を必要とする欠点があったが、近年の小型SESでは双胴型船体の中央をリフティングボディに見立てて[[ダウンウォッシュ]]をさらに圧縮したり、あるいは[[主翼]]に直接[[プロペラ]]の[[推力]]を当てることで高い[[揚力]]を得るといった対策が採られている。~
これらは[[エアクッション艇]]の一種に分類されることもあるが、俗に言うホバークラフトとは異なり[[ホバリング]](空中静止)はできない。~

後者は「長距離連続する平地」という特殊な地形でなければ運用できないため、あまり研究が進められていなかったが、近年ではモンゴルなどの広大な平原で連絡・輸送をするための研究が進められている。~
また、長距離の溝などを建造してそこを飛行させれば、壁面によりさらに[[ダウンウォッシュ]]が圧縮され、[[コスト・パフォーマンス]]に優れる公共輸送機関(エアロトレイン)を実現できるのではないかとする説もある。~

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