*&ruby(ねんりょうきかばくだん){【燃料気化爆弾】}; [#i3d7edc1]
揮発性及び引火性の高い液体(酸化プロピレン等)を空気中で放出して霧状にし、適度な濃度で起爆して衝撃波を発生させる爆弾。危害範囲は広範囲に渡り、直撃を避けた人間や軟目標にも多大な被害を与えられる。~
[[クラスター爆弾]]と並び廃棄運動も行われており、一部報道などでは[[戦術核]]に次ぐ威力を持つという見解もある。この“威力”が何の事なのかは必ずしも明瞭ではないが、危害範囲の半径がしばしば数百メートルに及ぶというだけで民間人や歩兵にとって「常軌を逸した“威力”」なのは間違いない。~
[[戦術核]]との比較に関して言えば、そもそもどちらの兵器も記録されている限り対人殺傷目的で使用された事はないので比較する事自体にあまり意味がない。一般人が兵器に対して抱く抽象的な“おぞましさ”の表現として核という比喩が使われているのだと考えるのが適切だろう。

[[ベトナム戦争]]で[[アメリカ軍]]が実用化し、それ以後[[湾岸戦争]]や[[イラク戦争]]でも使用されたと言われる。その爆発を見たイラク兵のみならず、イギリスの特殊部隊 [[SAS]] までもが核兵器と勘違いをした程である。また、その後イラク軍の前線に「同じ爆弾を投下する」といったビラをまいたところ大勢のイラク兵が投降したという逸話がある。

一部書籍などに残忍さの一例として「周りの酸素を奪い、生物を苦しませながら窒息死させる」と書かれている場合があるが、地上で爆発の衝撃と熱を受けた者はほぼ死滅し、爆発で生き残った者が窒息死するかどうかは定かではない。~
しかし、地下壕や洞窟などの中に入っていて衝撃を免れ生き延びた場合、爆発によって奪われた酸素は周りから流れ込んでくるため、酸欠で死ぬことはありえないだろう。

なお、[[BLU-82]]、通称[[デイジーカッター>BLU-82]]が燃料気化爆弾であるという情報が多々見られるが、BLU-82はあくまでも通常爆弾であり、燃料気化爆弾ではない。おそらく、[[スラリー爆薬]]の原料中に燃料気化爆弾で使用されるものが含まれている事がこの誤解の原因だと思われる。同様に信頼性の疑わしい風説には「粉塵爆発を利用したタイプも存在する」というものもある。

BLU-73/B 100lb型(クラスター用子弾)~
BLU-95/B 500lb型~
BLU-96/B 2000lb型~

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