*&ruby(たいせんしゃほう){【対戦車砲】}; [#vb47e281]
Anti-Tank Gun

[[戦車]]の[[装甲]]を撃ち抜いて撃破する目的で用いられる[[火砲>ガン]]。~
原則として、[[戦車]]それ自体に搭載される主砲(「戦車砲」)は含まれない。~
また、戦車を破壊可能であっても対戦車戦での運用が現実的でない砲([[間接砲撃]]用の大口径[[榴弾砲]]など)も含まれない。

多大な[[破壊力>デストラクションパワー]]が必要なため、人間には携帯不可能な[[牽引砲]]である。~
[[機動力]]が低く、また[[戦車]]からの反撃に耐え得る[[装甲]]も持たないので、[[待ち伏せ>アンブッシュ]]・[[奇襲]]を念頭に置いて運用される。~
車輌に搭載して[[自走砲]]としたものも存在するが、これは[[戦車駆逐車]]として対戦車砲とは別の兵器に分類される。~

黎明期([[第一次世界大戦]])の[[戦車]]は[[小銃]]用[[徹甲弾]]でも貫通したため、[[機関銃]]の集中砲火を浴びせれば撃破可能であった。~
しかし、世代を重ねるにつれ[[戦車]]は重装甲化していき、[[第二次世界大戦]]が始まる頃には[[野戦砲]]レベルの火力でしか対抗できなくなっていた。~
このため、[[第二次世界大戦]]における陸戦(特に欧州・アフリカの戦線)は戦車運用とその対策が核となり、対戦車に特化した火砲が大量に調達された。

[[第二次世界大戦]]後半では、より軽量な対戦車兵器として[[成形炸薬弾]]が登場し、[[無反動砲]]・対戦車ロケットとして実装された。~
しかし、これらは弾道の不安定さのため[[有効射程]]が短く、対戦車[[白兵戦]]に強いられた[[歩兵]]の希望ではあったが、対戦車砲を代替する事はなかった。

[[冷戦]]時代には[[誘導弾>ミサイル]]技術が実用化され、[[成形炸薬弾]]を搭載した[[対戦車ミサイル]]が登場した。~
また同時期、進化し続ける[[主力戦車]]の[[装甲]]に対して対戦車砲の大型化は限界に達しつつあった。~
このため、対戦車砲の多くは軽量・大威力の[[対戦車ミサイル]]に置換され、姿を消していった。

関連:[[FLAK]] [[戦車駆逐車]]

#ref(http://www.masdf.com/altimeter/duxford/IMG_5334.jpg,600x400);
(37mmPak35/36)~
~
**主な対戦車砲 [#i712bef6]
-ドイツ
--3.7cm PaK 36
--5cm PaK 38
--7.5cm PaK 97/38
--7.62cm PaK 36(r)
--7.5cm PaK 40
--8.8cm PaK 43
--8.8cm PaK 43/41
--7.5cm PaK 41~
~
-ソ連
--M1932(19K)45mm対戦車砲
--M1937(53K)45mm対戦車砲
--M1942 45mm対戦車砲
--ZiS-2 57mm対戦車砲
--ZiS-376.2mm師団砲(対戦車砲兼用の[[野砲]])
--BS-3 100mm師団砲(対戦車砲兼用の野砲)~
~
-日本
--九四式三十七粍砲
--機動九〇式野砲(対戦車砲としても使用)
--一式機動四十七粍砲~
~
-イギリス
--オードナンス QF 2ポンド対戦車砲
--オードナンス QF 6ポンド対戦車砲
--オードナンス QF 17ポンド対戦車砲~
~
-アメリカ
--M3 37mm対戦車砲
--M1 57mm対戦車砲
--M5 7.62mm対戦車砲~
~
-イタリア
--Da 47/32~
~
-スウェーデン
--ボフォース 37mm対戦車砲~
~
-フランス
--オチキス 25mm対戦車砲
--オチキス 47mm対戦車砲~
~
-チェコスロバキア
--シュコダ M1937 37mm対戦車砲~
~

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