*&ruby(あたご（じえいかん）){【あたご（自衛艦）】}; [#yd0e3cbf]
JS Atago（DDG-177）.~
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2000年代前半に建造された、[[海上自衛隊]]の第五世代[[ミサイル護衛艦>護衛艦]]。~
同型艦に「あしがら（JS Ashigara DDG-178）」がある。~
艦名は京都府の愛宕山に由来している。~
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基本計画番号はF122。国際戦略研究所の年報『ミリタリー・バランス』では「[[ミサイル巡洋艦>巡洋艦]]」として類別されているが、公称されている艦種記号は「DDG」で「[[ミサイル駆逐艦>駆逐艦]]」となっている。~
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1970〜80年代に建造された[[たちかぜ型>たちかぜ]][[ミサイル護衛艦>護衛艦]]が老朽化したため、その代替艦として平成14年度（2002年度）予算にて発注され、2005年8月に進水、2007年3月に就役した。~
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前作の[[こんごう型>こんごう]]に引き続き、[[アメリカ海軍]]の[[アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦>アーレイ・バーク（駆逐艦）]]をモデルに設計されており「改こんごう型」と呼ばれることもある。~
[[こんごう]]型に比べ、~
-[[速射砲]]を軽量でシールドのステルス化を図ったMk.45 mod.4に変更。~
-マストを、日本独自設計の[[ステルス]]重視の四角柱型に変更((当時構想されていた「[[5000トン型護衛艦>秋月]]」の予想図にも取り入れられていた。))。~
-ハンガーなどの[[ヘリコプター]]運用設備を追加((ただし常時搭載する固有の[[ヘリコプター]]はない。))。~
-イージスシステムとして最新のベースライン7.1Jを採用し、処理能力が大幅に向上。~
-レーダーを従来のAN/SPY-1Dから、天頂方向の捜索追尾能力が強化され低高度小型高速目標の捕捉能力が改善されたAN/SPY-1D(v)へと変更し、電子戦能力・探知距離等が向上。~
など、[[アーレイ・バーク級>アーレイ・バーク（駆逐艦）]]フライト2Aにより近い設計となっているが、[[こんごう型>こんごう]]に引き続いて[[CIWS]]や[[艦対艦ミサイル]]、群司令設備（FIC）などが装備されている。~
このため[[基準排水量]]は7,700トンと非常に大きく、[[満載排水量]]に至っては10,000トン前後になったと見られており、建造当時は世界最大の[[イージス艦]]であった((その後、アメリカで[[ズムウォルト級>ズムウォルト]][[ミサイル駆逐艦>駆逐艦]]が竣工し「最大」の座を譲り渡した。))。~
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現代の[[戦闘艦]]としては（[[ミサイル]]を小型化できない旧東側の艦を除いて考えると）非常に大型の艦となっている((艦種記号は「[[ミサイル駆逐艦>駆逐艦]]」をあらわす"DDG"であるにも関わらず、[[排水量]]だけで見れば1920年代の「[[条約型巡洋艦]]」に匹敵する。&br; そのためか、艦長には他国の[[巡洋艦]]と同様、[[大佐>佐官]]相当の一等海佐が充てられている。))。~
[[冷戦]]終結後の世界には贅沢な装備にも感じられるが、これは対空・対潜戦闘を重視する[[海上自衛隊]]独自のドクトリンに加え、新たな課題である不審船対策および[[ミサイル防衛]]に対応するため、単艦で何でもこなせる万能艦であることが求められたものと思われる((ただし、就役時点で[[ミサイル防衛]]能力は装備されていなかった。))。~
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本艦型の建造は2隻で打ち切りとなり、26中期防で[[まや>まや（自衛艦）]]型ミサイル護衛艦に移行した。~
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関連：[[愛宕（巡洋艦）]]
**性能諸元 [#r95c8cf1]
|艦種|ミサイル護衛艦（DDG）|
|前級|こんごう型|
|次級|まや型|
|[[排水量]]&br;（[[基準>基準排水量]]/[[満載>満載排水量]]）|7,750t/10,000t|
|全長|165m|
|全幅|21m|
|[[喫水]]|6.2m|
|深さ|12m|
|推進方式|COGAG方式|
|機関|[[GE>ジェネラルエレクトリック]] LM2500[[ガスタービン]]×4基|
|推進器|スキュー付き5翼可変ピッチ・プロペラ×2軸|
|機関出力|100,000ps|
|電源|ガスタービン主発電機×3基（出力2,800kW）|
|最大速力|30[[ノット]]以上|
|乗員|300人|
|兵装|Mk.45 mod.4 62[[口径]]5インチ（127mm）単装[[速射砲]]×1門&br;[[高性能20mm機関砲>ファランクス]]（Mk.15 mod.25[[CIWS]]）×2基&br;Mk.41 mod.20[[VLS>垂直発射システム]]×2基 96セル（[[RIM-66]]、[[RUM-139]]を装備((アスロックは改良型に置換される予定。))）&br;[[90式SSM>90式艦対艦誘導弾]] 4連装[[発射筒>キャニスター]]×2基&br;[[68式3連装短魚雷発射管（HOS-302）>Mk.32]]×2基|
|[[艦載機]]|[[SH-60J/K>SH-60]]哨戒ヘリコプター×1機（常時搭載機なし）|
|搭載艇|11メートル作業艇×2隻、6.3メートル複合型作業艇×1隻|
|[[C4ISTAR>C4I]]|AN/USC-42 衛星通信装置&br;海上作戦部隊指揮管制支援（MOF((Maritime Operation Force.))）システム&br;（OYQ-31-6 C2T+NORA-1/NORQ-1 SATCOM）&br;海軍戦術情報システム（NTDS）（UYQ-86(V)8 CDLMS+[[リンク11/16>データリンク]]）&br;イージス武器システム（AWS Mk.7）&br;AN/SQQ-89(V)15J ASWCS((ASW Combat System：統合対潜システム。))|
|[[FCS>火器管制装置]]|Mk.99 mod.8 ミサイルFCS×3基&br;Mk.160 砲FCS×1基&br;Mk.116 水中FCS×1基|
|[[レーダー]]|[[AN/SPY-1D(V)>AN/SPY-1]] 多機能レーダー×4面1基&br;AN/SPQ-9B 対水上捜索レーダー×1基（あたご）&br;[[OPS-28E>OPS-28]] 対水上レーダー×1基（あしがら）&br;[[OPS-20B>OPS-20]] 航海レーダー×1基|
|[[ソナー]]|AN/SQS-53C 艦首装備ソナー×1基&br;AN/SQR-20 MTFA 曳航式ソナー×1基（あたご）&br;OQR-2D-1曳航式ソナー×1基（あしがら）|
|[[電子戦]]・対抗手段|NOLQ-2B 統合電子戦装置&br;Mk.36 SRBOC 対抗手段展開システム（Mk.137 6連装[[デコイ]]発射機×4基）&br;曳航具4型対魚雷デコイ×1組（後日装備）|
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**同型艦 [#dae13adc]
|CENTER:艦番号|CENTER:艦名|CENTER:主造船所|CENTER:起工|CENTER:進水|CENTER:就役|CENTER:所属|
|DDG-177|あたご&br;（JS Atago）|[[三菱重工業&br;長崎造船所>三菱重工業]]|2004.4.5|2005.8.24|2007.3.15|第3護衛隊群第3護衛隊&br;（舞鶴基地）|
|DDG-178|あしがら&br;（JS Ashigara）|~|2005.4.6|2006.8.30|2008.3.13|第2護衛隊群第2護衛隊&br;（佐世保基地）|
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