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*&ruby(えすぶいでぃ(エス・ヴェー・デー)){【SVD(СВД)】}; [#zaa74662]

現在[[ロシア軍]]で採用されいる旧ソ連製[[狙撃銃]]。~
また旧東側国家や、中国などでもコピー生産もされた。~
*&ruby(えすう゛ぇでー){【СВД】}; [#zaa74662]
&ruby(スナイペルスカヤ・){Снайперская}; (&ruby(サマザリャドナヤ・){самозарядная};)&ruby(ビントーフカ・){винтовка}; &ruby(ドラグノバ){Драгунова};.~
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正式名称は「スナイペルスカヤ・(サマザリャドナヤ・)ビントーフカ・ドラグノバ(Снайперская (самозарядная) винтовка Драгунова(英語だとドラグノフ・オートマチック・スナイパーライフル))」だが、あまりにも名前が長い事から「SVD」や「ドラグノフ(ドラグノバ)」と短くして呼ばれている。設計者はイュフゲニー・フュドロビッチ・ドラグノフ博士で、1963年に[[モシンナガンM1891/30狙撃ライフル>モシンナガン]]の後継として旧[[ソ連軍]]に正式採用された。設計については[[AK47]]を原型とし、10連発の[[セミオート]]で弾丸は7.62mm×54R弾(射程は約1000m程)を使用する。~

1963年から旧[[ソ連軍]](現[[ロシア軍]])で採用されている[[狙撃銃]]。~
名前が長いため、「SVD」「ドラグノフ」「ドラグノバ」など略称で呼ばれるのが普通。~
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重量は4300gと西側の[[狙撃銃]]より比較的軽く、ベースと成った[[AK47]]シリーズと同じで作動不良が起きにくく、信頼性も高い。スコープは4倍のPSO-1スコープを標準装備とし、他にも[[赤外線]]照射機能の付きのナイトスコープで夜間戦闘もする事が出来る。輸出は好調で旧東側諸国の他イラク・イラン・北朝鮮・アフガニスタン・エジプト・リビア・アンゴラ等[[AK47]]と同等レベル輸出された他、[[テロリスト]]や[[ゲリラ]]にも不法に供給されていると言う(その多くは中国のコピー品である[[79式狙撃歩鎗]]であり、[[AK47]]と同じくSVDでは無い場合が多い。)。そのため各地の紛争ででも必ずと言って良い程登場している。~


なお、現在本家のロシアではSVDの後継として、ボルトアクション式狙撃銃のSV98やSV99が登場している。




設計者はイュフゲニー・フュドロビッチ・ドラグノフ博士。[[モシン・ナガン]]の後継として開発された。~
設計思想は[[AK-47>AK47]]と類似し、弾薬も同じ7.62mm×54R弾。~
形状も[[AK-47>AK47]]に類似しているが、部品単位での互換性はなく、ガスチューブなどの機構が異なる。~
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[[前線]]の[[歩兵]]が携行する前提で設計されており、現在の分類では[[マークスマンライフル]]に近い。~
行軍の障害にならないよう軽量かつ頑丈に作られ、部品点数が少なく信頼性が高い。~
この設計思想は命中精度・[[有効射程]]をいささか犠牲にしており、近代化改修を困難にもしている。~
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PSO-1[[スコープ>望遠鏡式照準器]]を標準装備(拡大倍率4倍・夜戦用[[赤外線]]投光器を内蔵)。~
[[スコープ>望遠鏡式照準器]]の破損を想定して1,200m程度まで対応可能なアイアンサイトが設けられている。~
また、照準を容易にするため、銃床上部には着脱式のチークピース(頬あて)を装着できる。~
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公称される[[有効射程]]は800m程度。ただしロシア軍の想定では600m程度を有効戦闘距離とする。~
他の[[狙撃銃]]ほど遠距離の精密狙撃を重んじておらず、市街で100m〜400m先にある複数の標的を狙う状況が想定される。~
ロシア軍では分隊ごとに1丁のドラグノフが配備され、AK系[[自動小銃]]の届かない距離(300m〜と想定)に対処した。~
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西側の[[狙撃銃]]で限界距離から狙われると対処困難なため、より高精度の[[SV-98]][[狙撃銃]]も登場した。~
[[SV-98]]は全ての面でドラグノフの上位互換とは言えず、[[マークスマンライフル]]と[[狙撃銃]]として使い分けられている。~
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輸出は好調で、旧東側諸国の他イラク・イラン・北朝鮮・アフガニスタン・エジプト・リビア・アンゴラ等に輸出された。~
また、中国製コピーである[[79式狙撃歩鎗]]が[[テロリスト]]や[[ゲリラ]]にも不法に供給され、[[紛争]]地帯でよく目にする。~
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#ref(SVDS.jpg)
Photo:IZHMASH
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**備品 [#v49b152a]
-PSO-1:~
標準的な4×24倍[[スコープ>望遠鏡式照準器]]。~
夜間には照準線をバッテリーで点灯させることができる。~
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-PSOP:~
8×42倍率の[[スコープ>望遠鏡式照準器]]。~
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-NSP-2:~
初期の暗視装置で、大掛かりな赤外線照射装置を使用した。~
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-1PN-58(NSPMU-2):~
第一世代の暗視スコープ。~
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-1PN-51(NSPU-3):~
第二世代のパッシブ式暗視スコープ。~
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-[[銃剣]]:~
一部のモデルには着剣装置が付属しており、AK用の銃剣を装着できる。~
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**スペックデータ [#o398eac2]
|種別|セミオートマチックライフル|
|口径|7.62mm|
|全長|1,225mm|
|銃身長|620mm|
|重量|4,310g|
|ライフリング|4条右回り|
|装弾数|10発(箱型弾倉)|
|使用弾薬|7.62mm×54R|
|作動方式|[[ガス圧利用>ガスオペレーション]](ショートストロークピストン)、ターンロックボルト|
|銃口初速|830m/s|
|有効射程|600m|

**ドラグノフ系の派生モデル [#lebc9bbc]
-''ソ連/ロシア製''
--SVD:~
旧ソ連・ロシア生産型。純粋なSVDは珍しい。~
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--SVDS:~
SVDの改良型。~
外装にプラスチック樹脂を多数使用し、ストックも折り畳めるタイプになっている。~
着剣装置は付いていない。~
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--SVDM:~
近代化モデル。~
7.62mm×51 NATO弾(.308)に対応した輸出モデルも生産されている。~
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--SVDK:~
9.3mm×64弾に対応する近代化モデル。~
外見はSVDKと同じくプラスチック樹脂製。~
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--SVU:~
SVDの全長を短縮化し、ブルバップ化したモデル。~
サプレッサーも装着できる。~
---SVU-A:~
SVUのフルオートモデル。~
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--タイガー:~
主に猟銃として用いられるロシアの民間仕様型。~
NATO制式の7.62mmx51弾(.308ウィンチェスター)も使用でき、口径によってマズルの形状が異なっている他、ストックも従来型とは違う。~
~
--VS-121:~
イズマッシュ社が開発したSVDベースのブルパップ式狙撃銃。~
レシーバーはSVDのものを流用している。~
改良点として、ハンドガードに4面[[ピカティニー・レール]]が搭載されている。~
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-''外国製''
--FPK/PSL:~
ロムテクニカル社(ルーマニア)が生産している発展型。~
基本的な構造はSVDに近いが、外観や内部構造は[[AK-47>AK47]]に近い。~
~
--[[79式狙撃歩鎗/79式狙撃銃>79式狙撃歩鎗]]:~
ノリンコ社(中国)の[[ライセンス生産]]型。~
狙撃時の精密度はロシア製より劣る。~
~
---85式狙撃歩鎗/79式狙撃銃:~
79式狙撃歩鎗の発展型。~
詳しい事は不明。~
~
---NDM-86:~
ノリンコ社の輸出モデル。~
EM351は7.62mm×54R弾、EM352は7.62mmx51NATO弾を使用する。~
~
--M91:~
ツァスタバ社(旧ユーゴスラビア(現セルビア))生産の発展型。~
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--タブク狙撃銃:~
イラク生産の発展型。~
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**ドラグノフ系の主な種類。 [#lebc9bbc]

-SVD:旧ソ連・ロシア生産型、純粋なSVDは珍しい。

-SVDS:SVDの改良型で外装にプラスチック樹脂を多数使用、ストックも折り畳めるタイプになっている。

-SVDK:詳しい事は不明。

-FPK:ルーマニア生産の発展型、ハンドガード・ストック・レシーバー等SVDと違う部分が多くある。詳しくは[[FPK]]を参照。

-79式狙撃歩鎗:中国がライセンス生産したSVD、詳しくは[[79式狙撃歩鎗]]を参照。

-85式狙撃歩鎗:79式狙撃歩鎗の発展型、詳しくは[[85式狙撃歩鎗]]を参照。

-M76:旧ユーゴスラビア(セルビア)生産の発展型、詳しくは[[M76]]を参照。

-タイガー:ロシアの民間仕様型。


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