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*&ruby(えるきゅうじゅう){【L-90】}; [#z29d1d50]
スイスのエリコン社が開発した[[高射機関砲>高射砲]]。~
スイスのエリコン社が開発した[[高射>高射砲]][[機関砲]]。~
正式には「KDA 35mm高射機関砲」と呼ばれる(「L-90」は90[[口径]]を表す通称である)。~
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日本では[[陸上自衛隊]]に「35mm二連装高射機関砲 L-90」として採用されている他、[[海上保安庁]]の大型巡視船「[[しきしま]]」など、一部の巡視船艇にも搭載されている。~
1門あたり毎分550発の高い発射速度が特徴であり、[[地対空ミサイル]]による[[防空網]]を突破した敵機を弾幕を張って[[撃墜]]する。~
2連装の[[機関砲]]と「スーパーフレーダーマウス」と呼ばれる[[レーダー]]・[[射撃統制装置>火器管制装置]]・光学目標指定機1基、それらの電源車3両によって1セットのシステムとなっている。~
砲とレーダーは牽引式で、移動時は[[73式大型トラック]]や[[高機動車]]に牽引される。~
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[[陸上自衛隊]]において[[高射特科>特科]]の代表的火器となったが、調達は1981年で終了し、[[93式近距離地対空誘導弾]]に更新され2009年に退役した。~
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**スペックデータ [#n88e17bd]
単なる[[機関砲]]ではなく、専用の[[レーダー]]で目標を捕捉し、[[火器管制装置]]が自動迎撃を行う事ができる。~
システム全体を車載するのは至難であり、[[艦艇]]以外では以下のユニットで1セットのシステムが構成される。~
-エリコンKDA 35mm[[機関砲]]×2基
-火器管制[[レーダー]]を備えた[[射撃管制装置>火器管制装置]]「スーパーフレーダーマウス」(後に「スカイガード」に変更((デジタルデータバスを備えるGDF-002以降のモデルは「スカイガード」と連接可能。)))
-光学目標指定機×1基
-電源車輌×3両~

輸送車両は標準化されておらず、各軍のトラックや軍用車両に搭載する場合もあれば、牽引される場合もある。~

**スペックデータ(牽引型) [#n88e17bd]
|口径|35mm(90口径)|
|全長|7,800mm|
|砲身長|3,150mm|
|重量|6,700kg|
|砲架|[[アウトリガー]]に4輪を装備。|
|使用砲弾|35mm×228|
|発射速度|550発/分(単装)/1,100発/分(連装)|
|照準範囲|俯角-5度〜+92度|
|砲架|[[アウトリガー]]に4輪を装備|
|俯角|-5度〜+92度|
|旋回角|360度|
|射程|約6,000m(焼夷榴弾)/約12,600m(曳光弾、曳光7秒)|
|使用砲弾|35x228mm|
|発射速度|550発/分(単装)&br;1,100発/分(連装)|
|初速|1,175m/s(HEI-T)|
|有効射高|4km|
|射程|約6,000m([[焼夷>焼夷弾]][[榴弾]])/約12,600m([[曳光弾]]、曳光7秒)|
|製作|35mm砲:スイス・エリコン社、日本製鋼所&br;射撃統制装置:スイス・エリコン社、三菱電機|
~
***スペックデータ(車載型) [#rb09f447]
|形式|CENTER:KDA|CENTER:KDB|CENTER:KDC|CENTER:KDE|CENTER:KDF|CENTER:KDG|
|口径長|>|>|>|>|CENTER:90口径|CENTER:80口径|
|使用砲弾|>|>|>|>|>|CENTER:35x228mm|
|全長|CENTER:4,740mm|>|CENTER:5,206mm|CENTER:4,273mm|CENTER:4,740mm|CENTER:4,110mm|
|後座長|CENTER:55mm|>|CENTER:60mm|CENTER:170mm|CENTER:55mm|CENTER:20mm|
|全高|CENTER:653mm|>|CENTER:479mm|CENTER:N/A|CENTER:464mm|CENTER:322mm|
|全幅|CENTER:356mm|>|CENTER:280mm|CENTER:424mm|CENTER:256mm|CENTER:344mm|
|重量|CENTER:695kg|>|CENTER:435kg|CENTER:510kg|CENTER:470kg/495kg|CENTER:450kg|
|作動方式|>|>|>|>|CENTER:ガス圧作動方式|CENTER:ガス圧作動&br;[[リボルバーカノン]]式|
|発射速度|>|>|CENTER:550rds/min|CENTER:200rds/min|CENTER:550rds/min|CENTER:1,000rds/min|
|砲口初速|>|>|>|>|CENTER:1,175〜1,385m/s|CENTER:1,180〜1,440m/s|
|反動|CENTER:26.5kN|>|CENTER:15kN|CENTER:12kN|CENTER:25kN|CENTER:15kN|
|対空有効射程|>|>|>|>|>|CENTER:5,000m|
|対地有効射程|>|>|>|>|>|CENTER:8,000m|
~
**主な搭載車両・搭載艦艇 [#u081b942]
***車載型 [#ka1b950a]
-日本
--[[87式自走高射機関砲]](KDA)
--[[89式装甲戦闘車]](KDE)
-ドイツ
--[[ゲパルト]](KDA)
-トルコ
--KORKUT(KDC)
-イギリス
--[[チーフテン マークスマン>チーフテン]](KDA)
-フィンランド
--ITPSV 90 Marksman(KDA)
-ポーランド
--[[PLA ロアラ>PT-91]](KDA)~
~
***艦載型 [#v0a95099]
-日本([[海上保安庁]])
--[[PLH>カッター(船)]]
---つがる型(1番・2番船は後日装備)
---[[みずほ(初代)型>瑞穂]]→[[ふそう型>扶桑]]
---[[しきしま(初代)>しきしま]]
--PL
---しれとこ型(後期建造船)
---おじか型(2番船以降)
---こじま~
--イラン
---サーム級[[フリゲート]]
--インドネシア
---マルタディナタ級フリゲート
--ギリシャ
---キュモトイ級[[ミサイル艇>ミサイル艦]]
--デンマーク
---アブサロン級多目的支援艦
---アイヴァー・ヒュイトフェルト級フリゲート
--ベネズエラ
---グアイカマクト級哨戒艦
---グアイケリ級哨戒艦
--リビア
---フリゲート「ダット・アサワリ」
---ワディ・ムラク級[[コルベット]]~
~
**バリエーション [#ff9ea2a8]
-車載型
--KDA:初期型。[[87式自走高射機関砲]]や[[ゲパルト]]に搭載されている。~
--KDB:KDAをベースにした軽量改良型。~
--KDC:給弾方式をベルト給弾式からリンクレス方式に変更した型。~
--KDE:KDAをもとに発射速度を落とし軽量化した型。[[89式装甲戦闘車]]の武装として搭載されている。~
--KDG:口径35mmの[[リヴォルヴァーカノン>リボルバーカノン]]モデル。35/1000とも呼ばれる。~
--KDA:~
初期型。~
[[87式自走高射機関砲]]や[[ゲパルト]]に搭載されている。~
~
--KDB:~
KDAをベースにした軽量改良型。~
~
--KDC:~
給弾方式をベルト給弾式からリンクレス方式に変更した型。~
~
--KDE:~
KDAをもとに発射速度を落とし軽量化した型。~
[[89式装甲戦闘車]]の武装として搭載されている。~
~
--KDG:~
口径35mmの[[リヴォルヴァーカノン>リボルバーカノン]]モデル。~
35/1000とも呼ばれる。~
~
-牽引型~
--GDF-001:初期型。陸上自衛隊のL-90はこのタイプ。~
--GDF-002:フェランティ社製[[射撃統制システム>火器管制装置]]を採用した改良型。~
---GDF-003:GDF-002に自己潤滑性材料の採用などの改良を施したマイナーチェンジモデル。~
--GDF-005:ガンキング照準器と[[レーザー]]測距儀を組み込んだ新しい射撃統制システムを採用した全面改良型。「スカイ・ガード」システムとして広く採用された。~
--GDF-006:GDF-001/002/003をAHEAD((Advanced Hit Efficiency And Destruction.))弾の運用に対応させたモデル。~
--GDF-007:GDF-005をAHEAD弾の運用に対応させたモデル。~
--GDF-020:KDGを搭載した単装モデル。「スカイ・シールド」システムとして市場に提示されたほか、ドイツ陸軍では、MANTIS次期空間防護システム(旧称 NBS C-RAM)として採用されている。~
--90式35mm連装機関砲:GDF-002の[[チャイニーズコピー]]モデル。~
--GDF-001:~
初期型。[[陸上自衛隊]]のL-90はこのタイプ。~
~
---35mm2連装高射機関砲 L-90:~
[[陸上自衛隊]]での呼称。~
~
--GDF-002:~
フェランティ社製照準器を採用し、デジタルデータバスを備えた小改良型。~
装弾数は238発(準備弾112発、予備弾126発)。~
~
---GDF-003:~
GDF-002に自己潤滑性材料の採用などの改良を施したマイナーチェンジモデル。~
~
--GDF-005:~
照準器を3次元コンピュータ制御のガンキングに変更し、自動装填装置を採用して省力化を図った全面改良型。~
この改良により、[[レーザー]]測距儀や砲口初速、気象データなどを元に見越し角を自動算出できるようになった。~
「スカイ・ガード」システムとして広く採用された。~
~
--GDF-006:~
GDF-001/002/003を調整破片型ABM弾であるAHEAD(Advanced Hit Efficiency And Destruction)弾の運用に対応させたモデル。~
~
--GDF-007:~
GDF-005をAHEAD弾の運用に対応させたモデル。~
~
--GDF-009:~
2015年に発表されたモデル。~
最大7度までの傾斜角を補正できるオートレベリングシステムを搭載。~
台車前部に内蔵バッテリーを搭載し、機関砲の電源ユニットとして機能する。~
また、必要に応じて外部からの充電が可能。~
~
--GDF-020:~
KDGを単装[[砲塔]]に搭載したモデル。AHEAD弾の運用に対応している。~
「スカイ・シールド」システムとして市場に提示されたほか、ドイツ[[陸軍]]では、MANTIS次期空間防護システム(旧称 NBS C-RAM)として採用されている。~
~
--MKE GDF-003B:~
GDFシリーズのトルコでの[[ライセンス生産]]型。~
Mechanical and Chemical Industry Corporation(Makina ve Kimya Endüstrisi,MKE)が生産を担当している。~
~
--MKE/Aselsan GDF-003B Modernized:~
MKE GDF-003Bをアセルサン(Askeri Elektronik Sanayi,ASELSAN)社で近代化改修した型。~
GDF-003Bとアセルサン社製の[[火器管制装置]]を組み合わせている。~
~
--90式35mm連装機関砲(PG99):~
GDF-002の[[チャイニーズコピー]]モデル。~
~
---CS/SA1:~
90式のアップグレードモデル。~
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--MAA-001:~
GDFシリーズのミャンマーでの現地生産モデル。~
~
-艦載型~
--GDM-A:連装型。[[しきしま型巡視船>しきしま]]に搭載されている。
--GDM-B:単装型。つがる型巡視船などの大型巡視船に搭載されている。
--GDM-008:GDF-020の艦載モデル。「ミレニアム」[[CIWS]]として、デンマークの[[アブサロン]]級多目的支援艦や[[アイヴァー・ヒュイトフェルト]]級[[フリゲート]]に搭載されている。~
--GDM-A:~
連装型。~
[[しきしま(初代)型巡視船>しきしま]]に搭載されている。~
~
http://www4.plala.or.jp/klesa108/diary/20070429/l90.jpg~
L-90(射撃状態)~
--GDM-B:~
単装型。~
おじか型[[巡視船>カッター(船)]](一部の艦)、つがる型巡視船(一部の艦)、[[ふそう型>扶桑]]巡視船に搭載されている。~
~
--GDM-008:~
GDF-020の艦載モデル。~
「ミレニアム」[[CIWS]]として、デンマークの[[アブサロン]]級多目的支援艦や[[アイヴァー・ヒュイトフェルト]]級[[フリゲート]]に搭載されている。~
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--Aselsan GOKDENIZ:~
アセルサン社が開発した35mm[[CIWS]]。~
同社が開発したKORKUT自走対空砲を艦載化したものである。~
~


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