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*&ruby(えるいちはちはち){【L-188】}; [#s1eee6b4]
Lockheed L-188 Electra.~
Lockheed L-188 "Electra".~
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アメリカの[[ロッキード]]社が、1950〜60年代に開発・生産していた[[ターボプロップ]][[旅客機]]。~
同社製の大型[[レシプロ>レシプロエンジン]][[旅客機]]「[[コンステレーション>コンステレーション（航空機）]]」の後継機として開発された機体で、アメリカ初のターボプロップ旅客機でもあった。~
同社製の大型[[レシプロ>レシプロエンジン]][[旅客機]]「[[コンステレーション>コンステレーション（航空機）]]」の後継機として開発された機体で、アメリカ初の大型[[ターボプロップ]][[旅客機]]でもあった。~
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1950年代当時、レシプロ機の性能向上には限界が見えてきており、その一方で実用ジェット旅客機「[[コメット]]」が就航していたものの「ジェット機はまだ時期尚早」という声もあった。~
1950年代当時、レシプロ機の性能向上には限界が見えてきており、その一方で英国製の実用[[ジェット>ジェットエンジン]]旅客機「[[コメット]]」が就航していたものの「ジェット機はまだ時期尚早((事実、コメットは1型が空中分解事故を続発させて永久飛行停止になったばかりか、後継モデルも信用と販路を失っていた。))」という声もあった。~
その点、[[ターボプロップ]]機には「運行経費が安い」「レシプロ機からの[[乗員>エビエーター]]の転換が容易」という利点があった。~
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それらのことから、ロッキードは「今後10年くらいはターボプロップ機の時代が続くだろう」と予測。~
その予測と、既に軍用ターボプロップ[[輸送機]]・[[C-130]]が成功を収めていた実績もあり、開発に踏み切られたのが本機である。~
それらのことから、ロッキードは「今後10年くらいは[[ターボプロップ]]機の時代が続くだろう」と予測。~
その予測と、既に軍用[[ターボプロップ]][[輸送機]]・[[C-130]]が成功を収めていた((同機は民間向けにも「[[L-100]]」として売り出されていた。))実績もあり、開発に踏み切られたのが本機である。~
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しかし、本機の就役後まもなく、[[ボーイング]]が大型で優速なジェット旅客機「[[367-80>B707]]」を就航させたため、ユーザーの興味と関心が喪失。~
加えて、機体構造上の欠陥に由来する重大事故が続発し(([[NASA]]とロッキードによる原因究明の結果、[[プロペラ]]の後流からくるフラッターで[[主翼]]が金属疲労を起こし、空中分解に至ったことが判明した。))、その対策として[[巡航速度]]に大きな制限が加えられた結果、信用と販路も喪失。~
しかし、本機の開発中に[[ボーイング]]が大型で優速な[[ジェット>ジェットエンジン]]旅客機「367-80（後の[[B707]]）」、[[ダグラス]]が同じく「[[DC-8]]」を相次いで就航させたため、ユーザーの興味と関心が喪失。~
加えて、機体構造上の欠陥に由来する重大事故が続発し(([[NASA]]とロッキードによる原因究明の結果、[[プロペラ]]の後流からくるフラッターで[[主翼]]が金属疲労を起こし、空中分解に至ったことが判明した。))、その対策として[[巡航速度]]に大きな制限が加えられるなどの結果、信用と販路も喪失。~
結果、1961年には早くも生産中止が決定。わずか167機の生産に終わった。~
>採用したユーザーも、1970年代までには多くが[[B737]]や[[DC-9]]などの小型ジェット機に切り替えている。
現在は数機が運用されているだけで、多くは[[地上保管>モスボール]]、あるいはスクラップとして処分されている。~
>日本では[[日本航空]]が採用を検討したものの、純ジェット機の[[コンベア880]]を導入することとなった((同機は中距離国際線用機材として発注されたが、当時の日本航空の[[フリート]]には[[DC-4]]/[[-6>DC-6]]/[[-7>DC-7]]といったレシプロ機が多く残っており、国内線ではいち早くターボプロップ機（ヴィッカース・[[バイカウント]]や[[フォッカーF27]]）を導入した[[全日本空輸]]に差をつけられていた。))ため本機そのものは導入されなかった。~
しかし、本機を基にした[[対潜哨戒機]]の[[P-3]]は、[[川崎重工業]]による[[ライセンス生産]]の形で[[海上自衛隊]]に導入されている。
[[旅客機]]としては成功しなかった本機であったが、本機の構造をベースにした[[対潜哨戒機]]・[[P-3「オライオン」>P-3]]は、日米で700機以上が生産され、旧西側諸国[[海軍]]を代表する傑作対潜哨戒機として21世紀の現代でも多くの国で用いられている((一方、東側でも同じ頃、本機に似た[[Il-18]]をベースにした「[[Il-38]]」が生産されているが、同機は[[ソ連/ロシア海軍>ロシア軍]]の他にはインド[[海軍]]に採用されたのみだった。))((なお、同機の[[ローンチカスタマー]]となった[[アメリカ海軍]]では、後継の[[P-8「ポセイドン」>P-8]]に置き換えられて実戦部隊からはすべて退役しており、[[予備役]][[飛行隊>スコードロン]]でのみ運用されている。))。~
**スペックデータ（L-188A） [#mebe3fae]
|乗員|5名|
|乗客数|98名|
|[[ペイロード]]|15,331kg|
|全長|31.85m|
|全高|10m|
|翼幅|30.18m|
|翼面積|120.8��|
|空虚重量|26,036kg|
|最大[[離陸]]重量|51,256kg|
|[[エンジン]]|[[アリソン]][[501-D13>T56]][[ターボプロップ]]×4基|
|出力|3,750shp（2,800kW）|
|速度&br;（最大/[[巡航>巡航速度]]）|721km/h（[[高度]]3,660m）/ 600km/h|
|[[航続距離]]|3,540km（最大ペイロード）/4,455km（7,938kg時）|
|[[上昇限度]]|9,753m|
|[[上昇率]]|10m/s|
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しかし、本機の構造をベースにした[[対潜哨戒機]]・[[P-3「オライオン」>P-3]]は、旧西側世界を代表する傑作対潜哨戒機として21世紀の現代でも多くの国の[[海軍]]・[[空軍]]で用いられている((同機はカナダや日本でも[[ライセンス生産]]された。))。
**バリエーション [#q5e07ee9]
-L-188A：~
初期生産型。~
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-L-188AF（All Freight version）：~
A型の[[貨物機]]型。~
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-L-188PF（Passenger-Freight version）：~
A型の貨客混載型。~
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-L-188C：~
燃料搭載量と最大離陸重量を増加させた長距離型。~
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-L-188CF：~
C型の貨物コンバージョン型の非公式名称。~
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-[[YP3V-1（YP-3A）「オライオン」>P-3]]（1機）：~
[[対潜哨戒機]]型の原型機。詳しくは項を参照。~
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