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*&ruby(えふよんえふ){【F4F】}; [#r70dd1ef]
Grumman F4F "&ruby(ワイルドキャット){Wildcat};((山猫または野良猫の意。意地悪女という意味も持つ。))".~
*&ruby(えふふぉーえふ){【F4F】}; [#r70dd1ef]
Grumman F4F "Wildcat".~
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アメリカ合衆国の[[グラマン]]社が1930年代に開発した[[艦上戦闘機]]。~
F3Fの後継として1935年に開発が開始され、当初は[[複葉機]]として開発を進めていた（XF4F-1）が、ブリュースター社のXF2A-1（後の[[F2A「バッファロー」>F2A]]）が海軍から試作発注を取り付けたのに伴い、僅か三ヶ月でキャンセルとなった。~
これを受けてグラマン社は[[単葉機]]にした設計案を提出、1935年7月28日に原型機試作が発注された。~
愛称は「ワイルドキャット((山猫または野良猫の意。スラングでは意地悪女という意味も持つ。))」。~
**開発 [#j3124784]
1935年、グラマン社は現行のF3Fを置き換える次期主力[[艦上戦闘機]]の開発を開始した。~
社内呼称「G-16」、後に[[海軍>アメリカ海軍]]から「XF4F-1」と呼ばれるこの機体は、従来のグラマン社製艦上戦闘機同様に[[複葉機]]として計画されていた。~
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このXF4F-2は1937年9月2日に初飛行し、さらに2年後の1939年2月12日初飛行の改良型、XF4F-3はテストにおいて時速530km以上の最高速度と、それまでの機体と比較して良好な運動性能を発揮した。~
1939年8月に量産型F4F-3が生産を開始され、その後すぐにヨーロッパの航空戦の戦訓から防弾板の追加等が施され、[[アメリカ海軍]]の他、イギリス軍でも使用された。~
しかし、1936年に[[アメリカ海軍]]が発行した次期主力[[艦上戦闘機]]の要求仕様は、折りたたみ可能で[[単葉>単葉機]]、[[引き込み脚>ランディングギア]]や密閉式[[コックピット]]など当時としては先進的な要素が含まれたものだった。~
これを受け、グラマン社は1936年7月頃から設計方針を大きく変更、[[単葉機]]化された「XF4F-2」を開発した。~
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太平洋戦線においては海軍の[[艦上戦闘機]]の主力として投入された。~
速度・上昇率・機動性（特に低速時の格闘性能）ではライバルである日本の[[零戦>零式艦上戦闘機]]に比べれば劣っていたが、機体の頑丈さ、そして急降下制限速度で勝っており、二機一組となっての一撃離脱戦法や[[サッチウィーブ]]によって勝利を収めることが可能だった。~
特に無線機の性能が日本より高く、相互に連携した戦闘が可能だったため、戦争中期まで第一線機として使用された。~
XF4F-2は1937年2月に[[初飛行]]、同年12月に[[初飛行]]し、競合機となったブリュースター社の[[XF2A>F2A]]との比較が実施された。~
結果、性能的な優位はXF2Aにあると結論づけた[[アメリカ海軍]]はXF4F-2を不採用とした。~
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1943年から後継の[[F6F]]が投入されるようになると第一線からは引き下がり、[[護衛空母]]に搭載されたり、[[哨戒機]]として活躍した。~
2年後の1939年2月12日に[[初飛行]]した改良型「XF4F-3」は試験飛行時、高度6,492mにて539km/hの最高速度を記録、優れた[[運動性]]と操縦性を発揮したため[[制式]]採用された。~
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1939年8月には初期生産型「F4F-3」の製造が開始された。~
**運用・戦史 [#l8d7eb51]
ヨーロッパで発生した[[第二次世界大戦]]における航空戦の[[戦訓>バトルプルーフ]]から防弾板の追加等が施され、[[太平洋戦争]]までには標準装備化した。~
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太平洋戦争では、開戦から1943年後半まで[[アメリカ海軍]]の主力[[艦上戦闘機]]として運用された。~
相対する[[日本海軍>日本軍]]の[[零式艦上戦闘機]]に対しては、低速域における旋回性能や低高度における上昇性能で劣ったものの、高高度性能や急降下制限速度、無線機の信頼性で勝っていた。~
そのため、[[二機一組>エレメント]]での連携戦闘を徹底することによって優位な状況を作り出し、戦闘を優位に進めることを可能とした。~
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また、イギリス[[海軍]]航空隊では1940年頃から運用が開始され、ノルウェーや地中海における戦闘で活躍した。~
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後継機の[[F6F]]や[[F4U]]が前線に配備され始める1943年中盤からは主力の座から外れ、[[護衛空母]]搭載機や[[哨戒機]]としての運用を主としていった。~
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しかし、改良型のFM-2は空母への大量搭載に適していたことから引き続き前線で活躍、戦争後期にも数人の[[エースパイロット]]を生み出した。~
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最終的な生産数は7,885機で、[[太平洋戦争]]が終結を迎える1945年8月とともに[[海軍]]航空隊での運用が終了、退役した。~
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#ref(http://mmsdf.sakura.ne.jp/masdf/flyinglegend/IMG_8799.jpg,600x400);~
FM-2ワイルドキャット~
Wildcat Mk.�� (FM-2)~
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関連：[[グラマン鉄工所]]~
**スペックデータ[#r70dd1ef]
|型式|F4F-4|
|種別|[[艦上戦闘機]]|
|主任務|制空|
|主契約|グラマン社|
|初飛行|1935年7月28日（XF4F-2）|
|乗員|[[パイロット]]1名|
|全長|8.76m|
|全高|2.81m|
|全幅|11.58m|
|[[主翼]]面積|24.15��|
|最大離陸重量|3,600kg|
|[[エンジン]]|[[P&W>プラット＆ホイットニー]] [[R-1830-86「ツインワスプ」>ワスプ]][[空冷>空冷エンジン]]星型複列14気筒（1,200馬力）×1基|
|速度&br;（最高/巡航）|512km/h / 249km/h|
|[[最大上昇高度>上昇限度]]|12,000m|
|[[航続距離]]|1,239m|
|固定武装|[[ブローニングAN/M2 12.7mm機関銃>ブローニングM2]]×6門（装弾数1銃あたり240発）|
|兵装|100ポンド（45kg）爆弾×2発又は58gal（220L）[[ドロップタンク>増槽]]×2基|
|型式|CENTER:F4F-3|CENTER:F4F-4|
|種別|>|CENTER:[[艦上戦闘機]]|
|主任務|>|CENTER:制空|
|主契約|>|CENTER:グラマン社|
|乗員|>|CENTER:[[パイロット>エビエーター]]1名|
|全長|CENTER:8.76m|CENTER:8.8m|
|全高|CENTER:3.60m|CENTER:2.8m|
|翼幅|CENTER:11.58m|CENTER:11.6m|
|[[主翼]]面積|>|CENTER:24.15��|
|空虚重量|CENTER:2,226kg|CENTER:2,674kg|
|全備重量|CENTER:3,367kg|CENTER:3,617kg|
|最大離陸重量|CENTER:-|CENTER:3,974kg|
|[[エンジン]]|P&W R-1830-76「ツインワスプ」&br;空冷星形複列14気筒×1基&br;（出力1,200hp（900kW））|[[P&W>プラット＆ホイットニー]] [[R-1830-86「ツインワスプ」>ワスプ]]&br;[[空冷>空冷エンジン]]星型複列14気筒×1基&br;（出力1,200hp（900kW））|
|最高速度|CENTER:531km/h（高度6,431m）|CENTER:515km/h（高度5,730m）|
|[[航続距離]]|CENTER:1,360km|CENTER:1,337km|
|[[最大上昇高度>上昇限度]]|CENTER:12,000m|CENTER:10,363m|
|[[上昇率]]|CENTER:11.7m/s|CENTER:11.17m/s|
|固定武装|CENTER:[[ブローニングAN/M2&br;12.7mm機関銃>ブローニングM2]]×4挺&br;（装弾数各450発）|CENTER:[[ブローニングAN/M2&br;12.7mm機関銃>ブローニングM2]]×6門&br;（装弾数各240発）|
|兵装|>|CENTER:100ポンド（45kg）爆弾×2発又は58gal（220L）[[ドロップタンク>増槽]]×2基|
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**バリエーション[#r70dd1ef]
アメリカ~
-XF4F-1（社内呼称G-16）：~
複葉機型原型の提案。~
[[複葉機]]型原型の提案。~
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-XF4F-2（社内呼称G-18）（1機）：~
単葉機型原型。~
[[単葉機]]型原型。~
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-XF4F-3（社内呼称G-36）：~
XF4F-2の改造型で、XR-1830-76（1,050馬力）搭載の原型機。~
~
-F4F-3（285機（3A型の95機を含む））：~
R-1830-76搭載の最初の量産型。12.7mm機銃4門を搭載。~
~
--F4F-3A：~
R-1830-90搭載のF4F-3発展型。F4F-6から改称。~
~
--F4F-3P：~
偵察機型。ごく少数機が改装。~
[[偵察機]]型。ごく少数機が改装。~
~
--F4F-3S（2機）：~
[[二式水上戦闘機]]に対抗して試作された水上機型試作機の非公式呼称。~
通称「ワイルドキャットフィッシュ（WildcatFish）」。~
--F4F-3S「ワイルドキャットフィッシュ（WildcatFish）」（2機）：~
日本の[[二式水上戦闘機]]に対抗して試作された[[水上機]]型試作機の非公式呼称。~
~
-F4F-4（1,169機）：~
[[珊瑚海海戦]]での戦訓を元に手動式の主翼折りたたみ機構を搭載した型。~
エンジンは中高度向けのR-1830-86（1,200馬力）を搭載。~
最も多く生産された。~
固定武装として12.7mm機銃を2挺追加し6挺となったが、1挺あたりの弾数が450発から240発に低下し、反動による機体の振動が増したため、乗員からの評判は良くなかった。~
~
固定武装として12.7mm機銃を2挺追加し6挺となったが、1挺あたりの弾数が450発から240発に低下し、反動による機体の振動が増したため、[[乗員>エビエーター]]からの評判は良くなかった。~
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--F4F-4A：~
マートレットMk.IIIの米国内呼称。エンジンはR-1830-90を搭載。~
エンジンはR-1830-90を搭載。~
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--F4F-4B：~
マートレットMk.IVの米国内呼称。R-1820系エンジンを搭載。~
R-1820系エンジンを搭載。~
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--F4F-4P：~
偵察機型。ごく少数機が改装。~
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-XF4F-5（社内呼称G-36）：~
AR-1820-40エンジン搭載の原型機。~
試作のみ。~
~
-F4F-6：~
F4F-3Aに最初につけられていた呼称。~
F4F-3Aの初期呼称。~
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-F4F-7（社内呼称G-52）（21機程度）：~
カメラを搭載し、軽量化で燃料搭載量を増やした偵察機型。~
カメラを搭載し、軽量化で燃料搭載量を増やした[[偵察機]]型。~
~
-XF4F-8：~
FM-2の試作原型機。~
新設計の[[フラップ]]と[[カウル]]を搭載した。~
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-FM-1（1,060機（マートレット含む））：~
ジェネラルモーターズ社製作の機体。F4F-3と同じ機体。~
ジェネラルモーターズ社製作の機体。F4F-3と同等の機体。~
~
-FM-2（4,127機（イギリス給与機含む））：~
-FM-2（4,127機（イギリス供与機含む））：~
同社製作の機体。XF4F-8をベースに軽量化されている。~
エンジンは[[ライト>カーチス・ライト]][[R-1820-56「サイクロン9」>R-1820]]（1,350hp）を搭載。~
エンジンは[[ライト>カーチス・ライト]][[R-1820-56「サイクロン9」>R-1820]]（1,350hp）を搭載し、戦争後半においても活躍した。~
~
-XF2M-1：~
同社提案の発展開発型。エンジンはXR-1820-70を搭載。採用されず。~
--XF2M-1：~
同社提案のXR-1820-70エンジン搭載型。採用されず。~
イギリス~
-Martlet((マートレット：イワツバメの意。)) Mk.�機兵卞盡鴇�G-36A）：~
[[フランス海軍>フランス軍]]の発注により生産されたが、現地到着以前にドイツに[[降伏]]したためイギリスへ供給されたG-36Aの英軍[[制式]]名称。~
主翼折りたたみ機能が無く、エンジンは機密保持のため2段[[過給器]]の廃止されたR-1820-G205Aを搭載。~
武装は12.7mm機銃×4門。~
~
-マートレット((Martlet：イワツバメの意。)) Mk.I：~
フランス海軍が発注していたが、降伏したため英軍へ供給されたG-36Aの呼称。~
主翼折りたたみ機能無し。~
~
--マートレット Mk.II：~
英軍に供給されたG-36Bの呼称。Wildcat Mk.IIと改称。~
-Martlet Mk.�供�~
イギリスに供給されたG-36Bの英軍[[制式]]名称。のちにWildcat Mk.�兇伐�称。~
主翼折り畳み機能付きで、エンジンはP&W R-1830-S3C4-Gを搭載する。~
武装はF4F-4に準拠する。~
武装は12.7mm機銃×6門。~
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--マートレットMk.III：~
ギリシャが発注していたが、降伏したため英軍に供給されたF4F-4Aの呼称。~
ワイルドキャットMk.IIIと改称。~
-Martlet Mk.�掘�~
ギリシャの発注により生産されたが、現地到着以前にドイツに[[降伏]]したためイギリスへ供給されたF4F-4Aの英軍[[制式]]名称。のちにWildcat Mk.�靴伐�称。~
基本はF4F-3Aに準ずる。主翼折り畳み機能無し。~
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--マートレットMk.IV：~
英軍に供給されたF4F-4Bの呼称。ワイルドキャットMk.IVと改称。~
-Martlet Mk.�検�~
イギリスに供給されたF4F-4の英軍[[制式]]名称。~
エンジンはR-1820-40BおよびGR-1820-G250A-3を搭載した。~
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--マートレットMk.V：~
英軍へ供与されたFM-2の呼称。ワイルドキャットMk.Vと改称。~
-Martlet Mk.�后�~
イギリスへ供与されたFM-1の英軍[[制式]]名称。のちにWildcat Mk.�犬伐�称。~
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--ワイルドキャットMk.I：~
マートレットMk.Iを改称した後の呼称。~
-Wildcat Mk.�此�~
イギリスへ供与されたFM-2の英軍[[制式]]名称。~
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--ワイルドキャットMk.VI：~
英国が発注したFM-2の英国呼称。~
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