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*&ruby(たいはくれーだー){【対迫レーダー】}; [#jf5d77ea]
敵から[[迫撃砲]]による攻撃を受けた時に射撃地点を割り出す為の[[レーダー]]。~
[[間接砲撃]]を検知し、その射撃地点を割り出すための[[レーダー]]。~
基本的には[[迫撃砲]]による攻撃を想定する。~
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[[野砲]]であろうと迫撃砲であろうと、一般のレーダーでも「探知」自体は出来るのだが、野砲の場合、射程距離が長いため(飛翔中のさまざまな外的要因により)弾道の変化が激しく、精確に位置を割り出すのは難しかった。~
一方、迫撃砲は射程が短く、弾丸は大きく山なりな弾道を描いて飛翔する為、ある程度パターン化することが可能で、射撃地点を割り出す事は比較的容易だった。~
そのため、この分野のレーダーでは一番最初に実用化されている。~
理論上、あらゆる砲弾は[[レーダー]]によって存在を検知できる。~
しかし、実用において発見しなければならないのは「砲弾」ではなく「発射した砲の位置」である。~
これは砲弾の弾道から数学的に推定されるのだが、複雑な環境要因により極めて誤差が大きかった。~
このため、短射程で弾道計算の容易い[[迫撃砲]]くらいが開発当時の実用限界であった。~
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近年では、レーダーにパッシブ式[[フェイズドアレイレーダー]]を使用することにより、今まで難しかった対砲レーダーの開発に成功している。~
ちなみに「対迫」レーダーであっても短距離であれば射撃地点を割り出す事は可能である。~
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対迫レーダーは、短射程の迫撃砲の射撃地点を割り出す事を求められている為、比較的簡易的で[[機動力]]に優れたシステム構成にすることが求められる。~
一例として、[[アメリカ軍]]が運用しているAN/TPQ-36(最大索敵範囲は砲弾18km・[[ロケット弾]]24km)が[[HMMWV]]1輌で運用が可能なのに対し、対砲レーダーのAN/TPQ-37(砲弾30km・ロケット弾50km)は5tトラック3輌が必要である。~
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[[自衛隊]]ではJMPQ-P13が配備されており、[[73式大型トラック]]で牽引して運用している。~
このレーダーは2004年〜2008年までのイラク復興支援活動でも使用された。
近年では[[フェイズドアレイレーダー]]の登場により、ほとんどの[[野戦砲]]の発射位置が特定可能になった。~
しかし、高解像度レーダーは重くかさばるため、[[前線]]には今でも軽量低性能な対迫レーダーが用いられる。

>現代の一般的な対迫レーダーは乗用車かトラック1輌で運用可能。~
一方、[[榴弾砲]]を想定した対砲レーダーは1基につき5tトラック3輌程度を必要とする。


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