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*&ruby(せんとうりょうしょく){【戦闘糧食】}; [#d36a9bd3]
軍隊において、主に緊急・戦闘状態時に食される保存食料。~
[[缶詰]]やレトルトパックという形態をしていることが多く、緊急時の活動に必要なエネルギーを確保できるように作られている。そのため、高カロリーで高塩分に仕上がっていることが多い。~
基本的に非常(平時、もしくは基地内での通常業務に対して)食的なものだが、日常的にスナック、もしくは夜食感覚で食されることもある(その糧食の味が秀逸な場合に限る)。~
[[アメリカ軍]]の[[MRE]]などが有名で、沖縄等のミリタリーショップに行けば、払い下げの[[MRE]]が手に入る事もままある。ただ、その場合賞味期限外である事も多く、食するには注意が必要である。~
Combat Ration.~
~
メニューや食材の構成には、その国の食文化の影響が大なり小なり反映されるらしく、多国籍軍やPKF活動、同盟国間の合同軍事演習などで各国の軍隊が集まると、兵士たちの間で戦闘糧食の交換や品評会が行われることもある。~
「フランス軍の糧食1食のレートはMRE3食分」~
「1993年のカンボジアPKOでの『戦闘糧食コンテスト』で、自衛隊の戦闘糧食がトップ賞を獲得した」~
などというエピソードもある。~
[[軍隊]]において、主に緊急・戦闘・災害発生時に食される保存食。~
過酷な肉体労働である戦闘、行軍などを行う兵士の栄養補給を前提としているため、基本的に高カロリー・高塩分。~
また、深刻な状況下における娯楽としても認知され、味と温度((冷たい食事はただ冷たいというだけで不味く感じられる傾向にある。))に特に力が注がれる。~
~
基本的に非常食であり、戦時であっても基地や[[艦艇]]でしっかりと調理された食事の方が望ましい。~
とはいえ永久に保存できる性質のものでもないため、順次演習で消費したりスナックや夜食代わりに消費される事も多い((頼まれても誰も食べないような絶不評の代物もないではないが。))。~
また、今日では災害救援物資として避難所などに配布される事も多々ある。~
~
官給品であるため、一般市場に出回る事は基本的にない((日本でも「観賞用」という、いささか理解に苦しむ名目で販売している店舗も多少ある。&br; 「観賞用」とされているのは、衛生管理上の理由などから食品としての販売に問題があるため。))。~
とはいえ、メーカーが同じ製品を戦闘糧食として卸すと同時に一般向けにも保存食として卸してはいけない理由もない。~
[[軍隊]]が広報用として一般向けに戦闘糧食(と銘打った民生用の保存食)を販売する事もある((民生用のものは軍用品に比べてカロリーや塩分を抑えてある事が多い。))。

**主な構成 [#yed02ef7]
多くの国で採用されている戦闘糧食の構成は、概ね次の通りといわれている。~
:主食および副食|[[缶詰]]ないしレトルトパックで封入される。
:クラッカー・パンなど|真空密封包装。
:菓子類|チョコレート・ガム・飴など。将兵の興味を引き、ストレスを和らげ、[[士気]]向上や気力の維持に効果があるという。
:飲料類|ティーバッグ、粉末のジュース・コーヒー・ココア、粉末スープ類など。煮沸した湯に入れて飲む事が想定される。
:食器類|古くは個人装備として金属食器を携帯していたが、近年では使い捨ての紙製食器を同梱するのが主流。~
食器は洗う際に水を浪費するため野営では避けるべきとされる。
:ヒーター|焜炉で[[固形燃料>燃料]]を燃やすか、生石灰と水の反応熱や[[鉄粉>鉄]]の酸化熱などを利用する。

各国の戦闘糧食:~
各地の食文化や気候、軍隊の抱える事情も反映されており、国ごとに特色がある((「砂漠で水が切れた[[イタリア軍]]が、大急ぎで水の補給にやってきたドイツ軍に『これでパスタが茹でられる』と言った」&br; 「[[アメリカ軍]]兵士が誤って敵地に投下された物資にコーラと書いてあったのを見つけると、それを回収するために[[戦線>前線]]を押し上げた」&br;  などと言った冗談の元にもなっている。))。~
[[多国籍軍]]や[[国連PKF>国連軍]]、[[同盟国]]の合同軍事演習などで戦闘糧食の交換・品評会が行われる事もある。~

**各国の戦闘糧食 [#e6585880]
-[[自衛隊]]~
--[[戦闘糧食1型]](缶めし)
--[[戦闘糧食2型]](パックめし)
-[[アメリカ軍]]
米食文化の影響から、米飯関係が特に充実している。~
また、おかず(主菜)と主食という組み合わせは世界的にも珍しい。
--[[戦闘糧食1型]](通称「カンメシ」)
--[[戦闘糧食2型]](通称「パックメシ」)
--[[乾パン]]
---[[旧軍>日本軍]]時代から使用され続けている。~
単独、もしくは上記の戦闘糧食1型に組み入れて用いられる。
--[[救命糧食>がんばれ食]]
--[[海軍カレー>金曜カレー]]

-アメリカ軍
--Aレーション(ギャリソンレーション)~
---駐屯地給食用の未調理生鮮食材。アメリカ軍は戦闘糧食と通常の食料を厳密には区分していない。
--Bレーション~
---Aレーションと同様、駐屯地での給食に供される包装済み未調理食材
--Dレーション
---チョコレート・カカオ油脂ベース。~
激戦や遭難など、食事する暇すらない緊急時のエネルギー摂取用。~
兵士が勝手に消費しないように意図して不味く作られており、実際に絶不評である。~
過剰生産が発生した際に通常の食事として提供され、兵士たちの反感を買って箱ごと捨てられる有様だったという。
--Kレーション
---[[缶詰]]やビスケットなど。
--[[Tレーション>UGR]]
--[[MRE]]
--[[MCI]](Cレーションとも呼ばれる)
--[[MCW]]
-[[イギリス軍]]
--[[UGR]]

-カナダ軍~
メニュー構成が非常に豊富といわれている。
--Individual Meal Pack
~
-イギリス軍~
紅茶文化の影響から、ティータイムに重きを置いている((行軍中であろうと必ず休憩してティータイムを設け、[[SAS>SAS(特殊部隊)]]はポットで紅茶を持ち運ぶと言われるほど重要な習慣である。))という。付属の粉末ドリンクは一袋で1Lにもなる。
--24 HOUR RATION
-[[フランス軍]]

-[[フランス軍]]~
味に特化され、市販品や民族料理も多用した多彩なメニュー構成となっている。~
大抵レーションの食べ比べで一番美味と言われる。~
--RATION DE COMBAT INDIVIDUELLE RECHAUFFABLE

-[[ドイツ軍]]
--Einmannpackung (EPA)
-[[イタリア軍]]

-[[イタリア軍]]~
過酷な保管環境でも劣化しないよう厳重に密封パックされており、ワインやデザートまでついている。
--FORZE ARMATE/RAZIONE VIVERI SPENTOCIALE DA COMBATTIME

-ベルギー軍
--RATION DE COMBATS CONDITIONNEE
-[[ロシア軍]]

-[[ロシア軍]]~
寒冷地であることから、温かい食事を取れるような工夫がなされているという。
--&ruby(インディヴィデュアニィ・ラチオン・ビタニア){ИНДИВИДУАЛЪНЫИ РАЦИОН ПИТАНИЕ};

-オーストラリア国防軍
--CR1M

-韓国軍
--Kレーション
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※戦闘糧食(MRE)について詳しいHPへのリンク~
・THE戦闘糧食~
 http://10.studio-web.net/~phototec/~
・買ってみよう・味わってみよう!戦闘糧食~
 http://namachan.parfait.ne.jp/mre.html~
--携帯糧食1型(パックめし。カレーもしくは炸醤飯と、副食のキムチ)
--携帯糧食2型(フリーズドライ。3種類のビビンバ。副食に味噌汁・ごま油・キムチの汁・チョコレートなどが付属)


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