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*&ruby(しゅうすい){【秋水】}; [#i759be79]
[[三菱>三菱重工業]]・J8M（キ200）「秋水」。~
三菱 J8M/キ200「秋水」~
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[[第二次世界大戦]]末期、[[日本陸軍>日本軍]]と[[日本海軍>日本軍]]が共同で開発・生産した[[ロケット>ロケットエンジン]]推進[[迎撃戦闘機]]。~
ドイツの[[Me163「コメット」>コメット]]の図面を基に開発された。~
>当初は、遣独潜水艦作戦で[[Me163>コメット]]と[[Me262]]の技術資料が[[潜水艦]]でドイツから送られてくることになっていたが、その潜水艦がシンガポール出港後に撃沈されてしまう。~
しかし、同艦に便乗していた者が一部の資料を携えてシンガポールで[[零式輸送機]]に乗り換えて日本へ向かったため、資料の完全な散逸こそ免れたが、不完全な資料しか持ち込めなかった。
[[第二次世界大戦]]末期、[[日本陸軍>日本軍]]と[[日本海軍>日本軍]]、[[三菱>三菱重工業]]が共同で開発・生産した[[ロケット>ロケットエンジン]]推進[[迎撃戦闘機]]。~
開発当時、日本軍部は本土へ[[空襲>爆撃]]を仕掛けてくる[[B-29]]の迎撃に苦慮しており((従来の日本軍戦闘機は[[エンジン]]に[[排気タービン]]を搭載していなかったため、[[B-29]]の飛行する[[高度]]10,000ｍ圏内では高度を維持するのがやっとで、まともな[[戦闘機動>マニューバー]]を行うことはできなかった。))、[[燃料]]と[[酸化剤]]を機内に搭載するロケット戦闘機は有用と判断され、陸軍・海軍・民間の三者合同で開発が進められた((これは、陸海軍間の権益衝突の弊害が強かった当時の日本では画期的なことであった。))。~
**解説 [#sd1e2cae]
1944年に遣独潜水艦作戦でドイツから送られた[[Me163]]の技術資料を基に開発が開始された。
当時、日本軍部は本土へ[[空襲>爆撃]]を仕掛けてくる[[B-29]]の迎撃に苦慮していた。~
実用段階の日本軍航空機は[[過給器]]技術の未成熟ゆえに[[高度]]10,000ｍ圏での安定飛行が困難で、[[B-29]]の侵入高度まで上昇、迎撃戦闘を実施するのは半ば不可能だった。~
この問題を解決するために[[ロケットエンジン]]の利用が計画され、陸軍・海軍・民間の三者合同で開発が進められた。
>陸海軍間の権益衝突の弊害が強かった当時の日本で、これは画期的な出来事であった。~
しかし、本機の発展型の計画は陸海軍で独自の方向へ進んでいる。
1945年7月7日に[[初飛行]]に成功した本機は実用段階には至らず、終戦までに生産されたのは試作型の7機のみだった。~
終戦後は技術調査のために3機がアメリカ軍に[[接収>鹵獲]]されている。~
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1945年7月7日に[[初飛行]]が行われた本機は、終戦までに7機が生産されたのみに終わった。~
終戦後は技術調査のために3機がアメリカ軍に[[接収>鹵獲]]された。~
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現在は三菱製の1機が現存しており、アメリカ・カリフォルニア州チノのプレーンズ・オブ・フェイム航空博物館に展示保存されている。~
また、1961年に日本飛行機杉田工場の拡張工事の際に発見された機体の一部は、[[航空自衛隊]][[岐阜基地>岐阜飛行場]]で保管された後、1997年に三菱に譲渡され、残された1,611枚の設計図をもとに復元され、現在は愛知県豊山町（[[名古屋飛行場]]隣接）の「名古屋航空宇宙システム製作所史料室」に展示されている。~
また、大破状態から復元された機体が[[名古屋飛行場]]に隣接する「名古屋航空宇宙システム製作所史料室」に展示されている。~
**性能諸元 [#b60c79f3]
|乗員|1名|
|全長|5.95m|
|全高|2.7m|
|全幅|9.5m|
|翼面積|17.73��|
|自重|1,505kg|
|最大重量|3,000kg|
|[[発動機>エンジン]]|特呂二号（KR-10）薬液反応ロケット×1基（[[推力]]1,500kg）|
|最高速度|800km/h|
|上昇力|10,000mまで約3分|
|[[上昇限度]]|12,000m|
|[[航続距離]]|約5分30秒|
|武装|五式30mm固定機銃×2挺（J8M1/J8M2）&br;ホ155-�� 30mm[[機関砲]]またはホ5 20mm機関砲×2挺（キ200）|
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**バリエーション [#u1b7d4ba]
-秋水（J8M1）：~
生産1号機。試験飛行中に大破。~
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-秋水（キ200）：~
陸軍側の機体番号がついた生産2号機。エンジンが完成しなかったため飛行せずに終戦。~
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-J8M2：~
海軍の計画。~
発進用車輪を廃して[[カタパルト]]発進式とし、搭載武装を30mm機銃1挺に減じ、燃料搭載量を増加させた型。~
計画のみ。~
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-秋水改（キ202）：~
陸軍の計画。~
機体を空力的に洗練し、エンジンを強化型の「特呂三号」（推力：2,000kg）に変更、さらに巡航用ロケットを追加して航続時間の増加を試みた型。~
計画のみ。~
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-&ruby(あきぐさ){秋草};（MXY8/ク13）：~
部隊訓練用の[[軽滑空機>滑空機]]。~
秋水と同一の外見をしていたが、全木製羽布張りとなり重量は1トン強にとどまった。~
秋水の完成に先立って少数が製作され、訓練に用いられた。~
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-秋水重滑空機：~
秋水からエンジンと武装を取り外した訓練用グライダー。~
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-&ruby(しゅうか){秋花};（MXY9）：~
秋草に「ツ11」[[モータージェット]]を搭載した[[練習機]]。計画のみ。~
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-秋水式火薬ロケット：~
秋水の設計をもとにした無線操縦型[[地対空ミサイル]]。~
[[炸薬>爆薬]]は積まず、体当たり攻撃を行ったのちは着陸・再使用される。~
[[川崎航空機>川崎重工業]]が製造する予定だった。計画のみ。~
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