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*&ruby(こうくうがくせい){【航空学生】}; [#lcfc1c52]
[[海上自衛隊]]・[[航空自衛隊]]における[[パイロット]]・[[戦術航空士]]の養成課程。~
飛行要員養成の中核であり、[[自衛隊]]パイロットの大半がこの課程の出身である。
[[海上自衛隊]]・[[航空自衛隊]]における[[航空士]]（[[パイロット>エビエーター]]・[[戦術航空士]]）の養成課程。~
[[飛行要員>エビエーター]]養成の中核であり、[[自衛隊]]パイロットの大半がこの課程の出身である。~
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養成課程を管理する教育部隊は[[海上自衛隊]]・[[航空自衛隊]]にそれぞれひとつのみ。~
[[海上自衛隊]]は山口県・[[小月基地>小月航空基地]]の小月教育航空群小月教育航空隊が担当。~
[[航空自衛隊]]は山口県・[[防府北基地]]の第12飛行教育団航空学生教育群が担当。
>なお、[[陸上自衛隊]]の航空隊にはこれに相当する養成課程がない。~
陸自の飛行要員は主に現役隊員からの選抜である「[[陸曹航空操縦学生]]課程」で確保されている。~
陸自の飛行要員は主に「[[陸曹航空操縦学生]]課程」で確保されるが、この課程は現役の[[陸曹>下士官]]のみを選抜対象とする。~
募集資格は「日本国籍を有し、高校卒業程度の学歴を持つ18歳以上21歳未満の男女((これは[[防衛大学校]]・[[防衛医科大学校]]の受験資格と同じである。))」で、毎年60〜70名前後が採用される。~
候補生の大半は中途で落第し、無事に全課程を修了して[[ウィングマーク]]を受けられる同期生は概ね15人に満たない。~
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採用の時点で[[非任期制隊員>自衛隊員]]の二士として任官し、その待遇に応じて給与もある。~
配属後2年間は教育部隊(([[海上自衛隊]]の教育部隊は山口県・小月基地の小月教育航空群小月教育航空隊。&br; [[航空自衛隊]]の教育部隊は山口県・防府南基地の第12飛行教育団航空学生教育群。))で[[自衛官]]としての基礎教育に専念し、この間は[[飛行機]]には触れない。~
学生として採用された時点で[[二士>兵卒]]（[[非任期制隊員>自衛隊員]]）に任官され、その待遇に応じた給与も併せて受ける。~
採用後、2年間は教育部隊で[[自衛官]]・[[航空士]]としての基礎教育に専念し、この間は[[飛行機]]の取り扱いはしない。~
この段階での学力不良は職務懈怠とみなされ、落第生は免職処分を受けて退学となる。救済措置は定期試験後に一度認められる追試のみ。~
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幹部予定者の[[自衛官]]として十分な基礎教育を受けた後、「学生」の立場から脱して専門教育に移る。~
その後4年ほど操縦教育((この課程を修了すると国土交通省から[[事業用操縦士]]の資格が発給される。ただし、除隊後2年間は[[航空機に搭乗する職種>航空士]]に就く事を禁じられる。))と幹部教育の課程を受ける事となる。~
この間、訓練の進捗に応じて階級が累進し、順調に修了すれば飛行要員として実務に投入される時点で三尉まで昇進している。~
ただし、候補生の大半は中途で落第し、[[ウィングマーク]]を受けられる同期生は概ね15人に満たない。~
基礎教育が修了すると「学生」の立場から脱して[[三曹>下士官]]に昇進し「[[飛行幹部候補生>士官候補生]]」としての専門教育に移る。~
その後、約4年間に渡って幹部教育と操縦教育を受ける。~
訓練の進捗に応じて[[階級]]が累進し、飛行要員として実務に投入される時点で[[三尉>尉官]]となる。~
この段階でも落第生は[[飛行要員>エビエーター]]としての将来を絶たれるが、修了状況に応じて[[航空士>航空士(自衛隊)]]や[[航空機関士]]として配属される場合もある。~
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関連：[[予科練]]
なお、飛行要員としての教育を修了すると国土交通省から[[事業用操縦士]]の資格が発給される。~
ただし、除隊後2年間は[[航空機に搭乗する職種>エビエーター]]に就く事を禁じられる。~
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関連：[[予科練]] [[陸曹航空操縦学生]]
**他コースからのパイロット候補生との差異 [#dbda5c30]
海自・空自の飛行要員には、本課程の出身者以外にも[[防衛大学校]]や一般大学の出身者もいる。~
しかし、大卒者が中途まで他の職種・職域志願者と同じ教育を受けた後に操縦教育に入るのに対し、本課程は最初から[[パイロット]]になることを前提とした教育が行われ、大卒者より数年若く教育が修了する。~
そのため、本課程の出身者は大卒者より操縦技量が高い傾向にあり、入隊から退官までの総飛行時間も格段に多い。
海自・空自の飛行要員には、本課程の出身者以外にも[[防衛大学校]]や一般大学の出身者もいる((これは[[陸上自衛隊]]の航空部隊においても同様で、[[陸曹航空操縦学生]]出身者と大卒者が混在している。))。~
ただし、大卒者は中途まで他の[[職種]]・[[職域]]志願者と同じ教育を受けた後に操縦教育に入る。~
一方、航空学生は[[パイロット>エビエーター]]・[[戦術航空士]]以外の[[職域]]を前提としない教育が行われ、大卒者より数年若く実務に投入される。~
そのため、航空学生課程の出身者は大卒者より操縦技量が高い傾向にあり、入隊から退官までの総飛行時間も格段に多い。~
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一方で、出世・昇進については[[防衛大学校]]や一般大学出身者に比べて困難になる。~
航空学生出身の[[幹部>士官]]は[[航空部隊>部隊]]を指揮する事のみを求められ、[[佐官]]・[[将官]]に至るために必要とされる地上勤務の機会がほとんどない。~
このため、航空学生から始まったキャリアは三佐までで終わるのが典型的で、出世頭でも一佐が限界だという。~
>うがった見方をすれば、航空学生からの出世・昇進は比較的難しいとも言える。~
地上勤務の管理職では[[防衛大学校]]出身者の方に分があるからだ((ある程度以上の規模がある民間企業における「四大卒・総合職」と「高卒・技術職」の社員の出世スピードの差異がこれに近しいと思われる。))。
