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*&ruby(かんせつほうげき){【間接砲撃】}; [#g891e7a2]
目標を[[狙撃]]できない場合に、目標が存在する位置を予想して撃つ事。~
命中精度の低下は著しく、単独行動する車輌や[[散兵戦]]を展開する[[歩兵]]などといった[[半数必中界]]よりも小さなもの、または短時間で[[キルゾーン>有効射程]]から離脱できる[[機動力]]を持つものを攻撃する用途には適さない。~
しかし[[有効射程]]を大幅に広げる事ができ、弾道の関係で[[障害システム]]や地形的な障害を容易に「突破」して攻撃できるため、弓矢や[[投石機>カタパルト]]の時代から攻城戦・籠城戦で多用されてきた。~
近年は、前線の部隊が[[GPS>全地球測位装置]]で敵の位置座標を測定、それを基に数十km離れた場所から[[自走砲]]などで砲撃を加えることが可能になったことや、弾道計算のコンピュータの性能向上等によって、ある程度の精度の向上がなされている。~
位置の予想は原則として[[偵察]]の結果や支援要請によるもので、確度が十分でない限り撃たないのが原則。~
しかしいずれにせよ、射手自身は状況を十分に把握しておらず、着弾点で何が起きるかを事前に理解する事もない。~
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直射に比べて[[有効射程]]を大幅に広げる事ができ、弾道の関係で[[障害システム]]や地形的な障害を容易に「突破」して攻撃できる。~
目標の規模が巨大であればあるほど有効であり、弓矢や[[投石機>カタパルト]]の時代から会戦・攻城戦・籠城戦で多用されてきた。~
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反面、命中精度の低下は著しく、また位置予想における誤謬を避けがたいため、[[誤射]]によっても多大な被害を引き起こしてきた。~
単独行動する車輌、[[散兵戦]]を行う[[歩兵]]など、短時間で[[キルゾーン>有効射程]]から離脱できる[[機動力]]を備えた敵への攻撃には適さない。~
近年では[[火器管制装置]]や[[電子航法>航法]]技術の発達によって弾道工学上の[[半数必中界]]は非常に狭まっているが、[[砲手>ガナー]]の認識に起因する[[誤射]]は未だに大きな問題である。~
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また、敵の状況を把握できないという事は、敵に同情する理由がないという事でもある。~
槍で突いた場合のように眼前で人が息絶える事はなく、[[狙撃]]した時のように人の脳漿が飛び散るのを目撃する事もない。~
この事実は射手を[[戦争神経症]]から強く保護するが、反面で兵士の残虐性を助長し、必要以上の攻撃、必要以上の損壊・殺害を招く事もある。~
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複雑な弾道計算や大型兵器の運用など、[[狙撃]]とは別の方向性での高度な訓練が要求されるため、多くは「[[砲兵]]」など専門の兵科を設けて運用される。~
また、[[誤射]]の危険が極めて大きいため[[歩兵]]が単独で実施する事は許可されない((歩兵が[[迫撃砲]]などを視界内の標的に向けて撃つ事はあるが、これも(弾道が多少曲がっているが)本質的には[[狙撃]]である。))。~
また、[[誤射]]の危険が極めて大きいため[[歩兵]]が単独で実施する事は許可されない(指揮統制が麻痺するような乱戦状態において、生存者が乱用する可能性はある)。~
[[曲射砲]]、[[多連装ロケットシステム]]、[[爆雷]]など、そもそも[[狙撃]]を想定していない間接砲撃専用の兵器も多い。~
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近代以降の戦争においては兵士の死因の第1位であり、間接砲撃の[[キルゾーン>有効射程]]に敵兵を引きずり込むのは、陸戦における戦術の基本中の基本である。~
これに対する対抗戦術としては[[騎兵]]、[[戦車]]、[[爆撃機]]など[[機動力]]の高い兵科による先制攻撃が有効であり、特に現代では[[攻勢対航空作戦]]を経た上での[[空爆]]が有効な対抗策として知られている。~
現代の戦争で[[航空優勢]]が重視される所以の一つである。~
近代以降の戦争においては兵士の死因の第1位であり、間接砲撃の[[キルゾーン>有効射程]]に敵兵を引きずり込むのは近代陸戦の基礎である。~
これに対する対抗戦術としては[[騎兵]]、[[機甲部隊]]、[[爆撃機]]など[[機動力]]の高い兵科による先制攻撃が有効である。~
特に現代では[[空爆]]で敵の[[砲兵]]を潰すのが戦争の常道であり、現代の戦争で[[航空優勢]]が重視される所以となっている。~
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関連:[[同時弾着射撃]]


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