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*&ruby(わごん・ほいーる){【ワゴン・ホイール】}; [#h3dfbfba]
[[ドッグファイト]]で行なわれる[[マニューバー]]のひとつ。~
数機の[[編隊]]で輪を描くように飛び、1機を囮にし、囮を追尾する敵機の後方に回り込む[[機動]]。~
[[空対空ミサイル]]の発達によって陳腐化したため、現代空戦では通用しなくなっている。~
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相手側がどの機体に狙いを定めても、狙われた1機の後ろにいる友軍機が即座に攻撃を仕掛ける事ができる。~
性能差を活かした単機での[[マニューバー]]ではなく、むしろ性能に劣る機体での逆襲に向くとされる。~
実際、[[ベトナム戦争]]では北ベトナム空軍((使用機体は[[MiG-21]]・[[MiG-19]]・[[MiG-17]]。))がこの戦法で多くの[[アメリカ軍]]機を[[撃墜]]している。~
実施方法は、数機の[[編隊]]で輪を描くように飛ぶことである。~
彼我の[[有効射程]]に大差がないと仮定した場合、敵機を[[撃墜]]して生還するためには、敵の背後に回り込む必要がある。~
しかし、ワゴン・ホイール中の機体の背後に回り込もうとすると、僚機がそのさらに背後に回り込んで来る事になる。~
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弱点としては、旋回性能に優れた機体が輪の内側に入ってしまった場合が挙げられる。~
また、上空から急降下攻撃を受けた場合にも有効な反撃を行えない。~
どちらの場合も、襲ってきた敵機の背後に潜り込む前に離脱されてしまうためである。~
[[編隊]]での連携を念頭に置く[[マニューバー]]であり、多くの場合に敵機に性能で劣る場合を想定した[[戦術]]である。~
なお、敵が交戦以前にこれを察知していた場合には対策が簡単であることから、戦術としては確実性に欠ける。~
また、敵機との[[運動性]]やエネルギーの差が極端に大きい場合、攻撃してきた敵機の離脱を許してしまうことも多い。~
例えば、攻撃側が優れた旋回性能をもつ機体でワゴン・ホイールに侵入してきたり、敵機が上空から[[パワーダイブ]]を仕掛てきけた場合はこの戦法が破綻する可能性は高まる。~
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また当然、[[目視外射程]]からの[[アウトレンジ]]攻撃に対しても全く為す術がなく、現代空戦では通用しない[[戦術]]と目されている。
また、[[目視外射程]]から[[空対空ミサイル]]攻撃を仕掛けてくる敵に対しては全く効果がない。
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[[第二次世界大戦]]初期の大規模航空戦「[[バトル・オブ・ブリテン]]」では[[ドイツ空軍>ルフトバッフェ]]の双発戦闘機[[Bf 110 C>Bf110]]がより軽量、[[運動性]]に優れる[[イギリス空軍>RAF]]の[[単発]]戦闘機へ対抗するべくこの戦術を実施した。~
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[[ベトナム戦争]]では北ベトナム空軍の第二世代ジェット[[戦闘機]]は雲や太陽で察知されることを防ぎながらワゴン・ホイールを実施、多くの米軍機を[[撃墜]]している。~
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