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*&ruby(ぷっしゅおーばー){【プッシュオーバー】}; [#wca1d8d5]
[[戦闘機]]における[[マニューバー]]の一種。~
水平飛行状態から[[操縦桿]]を押し倒し、急激なマイナス[[G]]をかけた機首下げを行い、[[パワーダイブ]]する。主に回避機動に用いられる。
水平飛行状態から[[操縦桿]]を押し倒して急激に機首を下げて[[パワーダイブ]]する事。~
背後から敵機に追われている状況で行う操作で、速度性能の劣る機体でも強引に距離を離す事ができる。~
~
機位と[[G]]の影響で[[エンジン]]配管のトラブルを招く危険性があり、設計段階で対処されている必要がある。~
設計上の知見が蓄積された現代[[戦闘機]]ならともかく、[[第二次世界大戦]]頃にはプッシュオーバーに不適格な[[戦闘機]]もあったという。

[[Bf109]]や[[F4F]]は、それぞれ[[スピットファイア]]、[[零式艦上戦闘機]]に背後を取られた際はプッシュオーバーで振り切る事が推奨されていた。~
前者二機種は急降下速度に優れていた事。また後者の二機種は、構造上マイナスGを掛けると[[エンジン]]が停止してしまうため、追尾するには180度ロールを行う必要があった為である。

>零戦のこの説に関しては、鹵獲した機体をテストした[[米軍>アメリカ軍]]の評価による物と思われる。~
ただし、試作段階から零戦に搭乗していた坂井三郎氏は自身の著書『零戦の真実』の中で~
『私の零戦の操縦の体験の中ではこのように感じたことは一度も無く、[[気化器>キャブレーター]]の分解後の結合の手順の誤りか、部品の欠落と考えられる』~
『急降下開始時の操縦桿を前方に突っ込むことで生じるマイナスG状態において、背面飛行状態と同じくエンジン停止の欠点があると述べられているが、これも私は体験したことがない。』~
とコメントしている。~
なお、零戦にはマイナスG状態になった際、気化器内における空気とガソリンの通り道を入れ替え、エンジンが止まらないようにするという、当時としては画期的な技術が用いられていた。


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