• 追加された行はこの色です。
  • 削除された行はこの色です。
*&ruby(ぱらべらむぴすとーれ){【パラベラム・ピストーレ】}; [#oc043134]
DWM Parabellumpistole~
DWM Parabellumpistole.

DWM社が[[ボルヒャルト・ピストーレ]]を大幅に改良して設計した[[半自動式拳銃]]。~
[[C96]]に次ぐ世界二番目の軍用ピストルであり、制式採用されたものとしては世界初である。~
1898年にDWM社が発表した[[半自動式拳銃]]。~
[[C96]]に次ぐ史上二番目の軍用[[ピストル>半自動式拳銃]]で、[[制式]]採用されたものとしては世界最古。~
~
発案はDWM社で[[ボルヒャルト・ピストーレ]]の販売促進を行っていたゲオルグ・リューゲル。~
同銃が大きすぎる事を理由にセールスが不調だったため、もっと小さな[[拳銃]]が必要だと提案。~
しかし原設計者のヒューゴ・ボルヒャルトはこの進言に反発し、DWM社から離反して[[マウザー]]社へ転籍。~
残された技術者たちが独自にボルヒャルト・ピストーレを改良し、世に送り出した。~
~
最終的に、DWM社の電信略号から「パラベラム・ピストーレ」と名づけられた。~
正式名称が定められるまでは「DWMピストーレ」「ボルヒャルト・リューゲル・ピストーレ」などと呼ばれていた。

DWM社で[[ボルヒャルト・ピストーレ]]の販売促進をおこなっていたゲオルグ・リューゲルは、これを小型化すれば実用的な[[拳銃]]になるのではないかと考えていた。またスイス軍も[[ボルヒャルト・ピストーレ]]に興味を示していたものの、現状のままでは大きすぎるため改良する必要があると判断した。~
リューゲルは社内で改良を進言したものの、原設計者のヒューゴ・ボルヒャルトは方針をめぐって反発、DWM社を離反し[[マウザー]]社へ転籍してしまった。改良ピストルの開発は、残された技術者たちの手でおこなわれるようになった。~
> "Parabellum(Para bellum)"はラテン語で"戦いの備え"の意。~
ローマ帝国から伝わる警句"Si vis pecem, para bellum"(汝平和を欲するならば戦に備えよ)に由来する。

当初は「DWMピストーレ」「ボルヒャルト・リューゲル・ピストーレ」などと呼ばれていたが、結局はDWM社の電信略号から「パラベラム・ピストーレ」と名づけられた。なおパラベラムとは、ラテン語の格言"Si vis pecem, para bellum"(汝平和を欲するならば戦に備えよ)に由来する。~
設計上の最大の懸案は、大型化の原因だったリコイルスプリングを移設することだった。~
結局は銃把(グリップ)の中にリコイルスプリングを内蔵し、同時に銃把の角度を後ろ斜めにして把持性を向上させた。~
この構造は後の[[半自動式拳銃]]の基本的な設計思想として現在まで継承されている。~
~
1900年にはスイス軍に[[制式]]採用され、その後改良型がドイツ軍へ採用されていった。~
[[制式]]採用により大量生産の必要が生じたため、複数のメーカーで[[ライセンス生産]]が行われている。~
その後、[[ベルサイユ条約]]のために生産を止められたが密かに再開、[[第二次世界大戦]]の途中まで生産が続けられた。~
しかし、その複雑な[[トグルアクション機構>閉鎖機構]]ゆえ高価で信頼性に劣り、その役割を[[P38]]に譲っていった。~
~
アメリカでも評判がよく、軍への[[制式]]採用を逃したものの、民間市場では人気のある銃であった。~
この際、アメリカの輸入業者が無断で「Ruger」と発案者リューゲルの名をブランド化して販売。~
このため、アメリカでは「ルガー・ピストル(Ruger Pistol)」という名前が浸透している。

最大の懸案は、大型化の原因だったリコイルスプリングを移設することだった。結局は銃把(グリップ)の中にリコイルスプリングを内蔵することで大幅な小型化に成功した。同時に銃把の角度を後ろ斜めにして把持性を向上させた。~
こうして誕生したパラベラムは、ようやく現在の基準から見た「まともなピストル」となったため、パラベラムを「世界初のピストル」と呼ぶ人も多い。~
**スペックデータ [#m355d17c]
|口径|9mm|
|全長|220mm|
|銃身長|102mm|
|重量|870g|
|使用弾薬|[[9mmパラベラム>9mmルガー]]弾|
|装弾数|8発、32発|
|作動方式|[[シングルアクション]]&br;トグルアクション式ショートリコイル|
|銃口初速|350〜400m/s|
|有効射程|50m|
~
**バリエーション [#p9ac8f07]
-M1900:初期型。スイス軍[[制式]]採用。使用弾は7.65mmパラベラム。
-M1902:M1900の口径を[[9mmパラベラム>9mmルガー]]へ拡大したもの。不採用。
-P04:M1902のドイツ[[海軍]]採用版。
-P06:P04のリコイルスプリングを板バネからつる巻バネへ変更し、[[グリップセフティ]]を追加したもの。
-P08:P06の[[グリップセフティ]]を再度廃止して、ドイツ陸軍が採用したもの。
--P08 マリーネ(ネイビー):ドイツ[[海軍]]用6インチ銃身モデル。2段切り替え式のリアサイトを、トグル後部に有する。~

1900年にはスイス軍に制式採用され、その後改良型がドイツ軍へ採用されていった。ドイツ陸軍に制式採用されたP08は特に有名である。~
制式採用により大量生産の必要が生じたため、複数のメーカーで製造された。皮肉にも最大の生産量を誇ったのは[[マウザー]]社であった。~
P08は[[第二次世界大戦]]の途中まで生産が続けられたが、その複雑な[[トグルアクション]]ゆえ複雑高価で信頼性が劣り、その役割を[[P38]]に譲っていった。

アメリカでも評判がよく、軍への制式採用を逃したものの、民間市場では人気のある銃であった。~
ところがアメリカの輸入業者がパラベラムに対して勝手に「ルガー」(リューゲルを英語読みしたもの)というブランド名をつけてしまったため、「ルガー・ピストル」という名前が浸透してしまった。~
日本でも「ルガー」の呼び方が浸透してしまっているが、その理由ははっきりしない。~

-M1900: 初期型。スイス軍制式採用。使用弾は7.65mmパラベラム。
-M1902: M1900の口径を[[9mmパラベラム>9mmルガー]]へ拡大したもの。[[アメリカ軍]]に注目されるも不採用。
-P04: M1902のドイツ海軍採用版。
-P06: P04のリコイルスプリングを板バネからつる巻バネへ変更し、[[グリップセフティ]]を追加したもの。
-P08: P06の[[グリップセフティ]]を再度廃止して、ドイツ陸軍が採用したもの。


トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS