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*【ひゅうが】 [#d7548929]
[[海上自衛隊]]・[[ヘリコプター]]搭載[[護衛艦]]「ひゅうが」~
(JDS Hyuga DDH-181)~
1970年代に就役し、「[[八八艦隊]]」の主軸を務めていた「はるな」級護衛艦の代替として、2004(平成16)年度防衛予算で発注された大型護衛艦。~
同型艦に「いせ」がある。~
*&ruby(ひゅうが){【ひゅうが】}; [#j41f4fe4]
JS Hyuga（DDH-181）.~
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従来の「はるな」級や「しらね」級といった「ヘリコプター護衛艦」は、艦の前部に[[速射砲]]や[[CIWS]]・[[魚雷]]発射管などの兵装を集め、後部にヘリコプターの格納庫と[[飛行甲板]]を備えた（昔の[[航空巡洋艦]]や[[航空戦艦]]のような）形態だったが、そのため、ヘリコプターは3機しか搭載できず、しかも20分ごとに1機ずつしか発着艦させることが出来なかった。~
それに対し、本艦では[[空母>航空母艦]]と同様の全通式飛行甲板を採用することでヘリコプターを最大11機まで((通常は[[SH-60J/K>SH-60]]や[[MCH-101>AW101]]などの[[哨戒>対潜ヘリコプター]]・掃海ヘリコプターを搭載することとしているが、場合によっては[[陸上自衛隊]]や[[航空自衛隊]]、[[海上保安庁]]などの輸送・救難ヘリコプターも搭載可能と見られる。))搭載することが出来るようになり、また、最大4機まで同時に発着出来るようになるなど、事実上「[[ヘリコプター空母]]」と呼べる能力を持つことになった。((ただし、[[ハリアー]]や[[F-35]]などの[[STOVL]]機は運用できない。&br; これらの機は高温の排気が下に吹き付けるため、甲板の耐熱処理が必要であるが、本艦にはそういった処理はされていない。))~
また、艦体や上部構造物の側面には傾斜がつけられ、かつ表面は平滑に整形されており、さらに[[射撃指揮装置>火器管制装置]]としてFCS-3改を採用し、[[イルミネーター]]を[[フェイズドアレイレーダー]]に統合するなど、[[ステルス]]性を強く意識した設計がなされている。~
1970年代に就役し、「[[八八艦隊>八八艦隊（海上自衛隊）]]((この「八八艦隊」は、[[海上自衛隊]]の[[艦隊]]整備計画である「（[[対潜ヘリコプター]]）8機・（[[護衛艦]]）8艦体制」のことである。))」の主軸を務めていた「はるな」型[[護衛艦]]の代替として、2004（平成16）年度防衛予算で発注された[[ヘリコプター]]搭載護衛艦（[[ヘリコプター空母]]（CVH））。~
同型艦に「いせ（DDH-182）」がある。~
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その一方、速射砲や[[艦対艦ミサイル]]といった水上戦闘用の兵装は搭載されておらず、実際に戦闘任務に就く際は[[イージス艦]]（「[[こんごう]]」級及び「[[あたご]]」級）や他の汎用護衛艦と連携して行動することとされている。~
また、護衛隊群の旗艦として運用されることから通信・情報収集能力も高められており、[[防衛省]]・[[自衛隊]]が推進している、[[陸上自衛隊]]及び[[航空自衛隊]]との三自衛隊統合運用の中核としての役割も期待されている。~
[[海上自衛隊]]初の全通甲板型[[護衛艦]]であり、[[大東亜戦争]]終結後、日本が約60年ぶりに手に入れた「[[航空母艦]]」といえる艦でもある。~
>また、水上砲戦能力・揚陸戦能力・[[固定翼機]]（[[STOVL]]機）運用能力のいずれも持たない、純然たる「[[ヘリコプター空母]]」としては世界で初めて新規建造された艦でもある((列国の「ヘリコプター空母」は、いずれも他艦種（[[正規空母]]や[[軽空母]]・[[V/STOL空母]]）を転用したものであった。))((後の「[[いずも]]」では、排水量の増加に伴い[[輸送艦]]・補給艦・病院船としての能力が付加された（[[多目的空母]]）。))。
従来の「はるな」型や[[「しらね」型>しらね]]といった「ヘリコプター護衛艦」は、艦の前部に[[速射砲]]や[[CIWS]]・[[魚雷]]発射管などの水上/対潜戦闘用の兵装を集め、後部にヘリコプターの格納庫と[[飛行甲板]]を備えた形態((この形態は、かつての[[航空巡洋艦]]や[[航空戦艦]]に似ている。&br; もっとも、これらの艦も当初から意図してこうなったわけではなく、計画段階では純粋な[[ヘリコプター空母]]（8,300t級DLH）として作られることになっていたものが、種々の事情で見送られてこのようになった、という経緯がある。))だったが、そのため、ヘリコプターは3機しか搭載できず、しかも最短で20分ごとに1機ずつしか発着艦させることが出来なかった。~
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1番艦「ひゅうが」は2007年8月に進水、2009年3月に就役し、護衛艦隊に配属された。~
続いて2番艦の「いせ」も2009年8月に進水、2011年3月に就役予定となっている。~
それに対し、本艦では[[空母>航空母艦]]と同様の全通式飛行甲板を採用することで、ヘリコプターを最大11機まで((通常は[[SH-60J/K>SH-60]]や[[MCH-101>AW101]]などの[[哨戒>対潜ヘリコプター]]・掃海ヘリコプターを搭載することとしているが、大規模災害時など、場合によっては[[陸上自衛隊]]や[[航空自衛隊]]、[[海上保安庁]]などの輸送・救難ヘリコプターも搭載可能と見られる。))搭載することが出来るようになり、また、最大4機まで同時に発着出来るようになるなど、事実上「[[ヘリコプター空母]]」と呼べる能力を持つことになった((海自が公称している艦型は「''ヘリコプター護衛艦''」であるが、艦籍記号が「しらね」型までと同じ「DDH」であるため、[[アメリカ海軍]]式の分類に従えば「''ヘリコプターの母艦機能を持つ[[駆逐艦]]''」となる。))。~
>ただし、[[ハリアー]]や[[F-35B>F-35]]などの[[STOVL]]機は現在運用できない。~
これらの機は高温の排気が下に吹き付けられるため、甲板の耐熱処理が必要であるが、本艦にはそういった処理はされていない上、格納庫も[[固定翼機]]を収納整備できる程の大きさではない。
また、艦体や上部構造物の側面には傾斜がつけられ、かつ表面は平滑に整形されており、さらに[[射撃指揮装置>火器管制装置]]として[[FCS-3改>FCS-3]]を採用し、[[イルミネーター]]を[[フェイズドアレイレーダー]]に統合するなど、[[ステルス]]性を強く意識した設計がなされている。~
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一方、他の[[護衛艦]]のように[[速射砲]]や[[艦対艦ミサイル]]といった水上戦闘用の兵装は搭載されておらず、実際に戦闘任務に就く際は[[イージス艦]]（「[[こんごう]]」型、「[[あたご>あたご（自衛艦）]]」型及び「[[まや>まや（自衛艦）]]」型）や他の汎用護衛艦と連携して行動することとされている。~
しかし、それでも[[高性能20mm機関砲>ファランクス]]2基に加えて[[ESSM>RIM-162]]（4セル）・[[RUM-139]]（12セル）が搭載されており、自衛能力は極めて高い。~
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また、護衛隊群の[[旗艦]]として運用されることから通信・情報収集能力も高められており、[[防衛省]]・[[自衛隊]]が推進している、[[陸上自衛隊]]及び[[航空自衛隊]]との[[三自衛隊統合運用>統合任務部隊]]の中核としての役割も期待されている。~
その他、2番艦の「いせ」には洋上給油装置や格納庫内に起倒式のキャットウォークを追加装備している。~
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現在、1番艦「ひゅうが」は第3護衛隊群第3護衛隊（舞鶴基地）に、2番艦「いせ」は第2護衛隊群第2護衛隊（佐世保基地）に配属されている。~
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関連：[[日向(戦艦)>日向]] [[いずも]]
**性能諸元 [#zf621715]
|船型|全通甲板型|
|[[排水量]]&br;（[[基準>基準排水量]]/[[満載>満載排水量]]）|13,950t/19,000t（推定値）|
|全長|197m|
|全幅|33m|
|全高|48m|
|吃水|7m|
|[[排水量]]|13,950t（[[基準>基準排水量]]）/19,000t（[[満載>満載排水量]]、推定値）|
|機関|COGAG方式 [[IHI]] LM2500[[ガスタービン]][[エンジン]]4基2軸推進|
|馬力|100,000hp|
|速力|30[[ノット]]|
|高さ|48m|
|最大幅|33m|
|深さ|22m|
|[[喫水]]|7m|
|[[機関>エンジン]]方式|COGAG方式|
|主機|[[GE>ジェネラルエレクトリック]]/[[IHI]] LM2500[[ガスタービン]]×4基（出力25,000ps）|
|推進器|可変ピッチ・プロペラ×2軸|
|機関出力|100,000hp|
|電源|[[川崎>川崎重工業]] M1A-35[[ガスタービン]]主発電機×4基（出力2,400kW）|
|最大速力|30[[ノット]]|
|乗員|約340〜360名|
|主兵装|Mk.41 [[VLS>垂直発射システム]]1基16セル（[[RIM-162]]および[[07式垂直発射魚雷投射ロケット]]を装填((本艦が[[海上自衛隊]]初のESSM制式配備艦となる予定である。))）&br;HOS-303 3連装短魚雷（[[対潜魚雷]]）発射管2組 [[高性能20mm機関砲>ファランクス]]2門 [[12.7mm機関銃>ブローニングM2]]7基|
|艦載機|[[SH-60K>SH-60]]哨戒ヘリコプター3機、[[MCH-101>AW101]]掃海・輸送ヘリコプター1機 最大搭載機数11機|
|[[C4I]]システム|MOF((Maritime Operation Force System：海上作戦部隊指揮管制支援システム))システム GCCS((The Global Command and Control System：汎地球指揮統制システム))-M NTDS((Naval Tactical Data System：海軍戦術情報システム)) (リンク 11/14/16）OYQ-10 ACDS FCS-3改 [[FCS>火器管制装置]]|
|[[レーダー]]|FCS-3改 多機能レーダー×1基 OPS-20改 対水上レーダー×1基|
|ソナー|OQQ-21 統合ソナー・システム|
|電子戦・対抗装備|NOLQ-3C 統合電子戦システム&br;Mk.36 SRBOC対抗手段システム（Mk.137 [[チャフ]]・[[フレア]]発射機×4基）|
|主兵装|Mk.41 mod.22[[VLS>垂直発射システム]]×16セル1基&br;（4セルに[[RIM-162「ESSM」>RIM-162]]((本艦が[[海上自衛隊]]初のESSM制式配備艦となった。))を16発((Mk.25キャニスターを使用しているため1セルあたり4発収容される。))、残り12セルに[[VLA>RUM-139]]を装填）&br;[[68式3連装短魚雷発射管（HOS-303）>Mk.32]]×2組（[[97式短魚雷>97式魚雷]]を搭載）&br;[[高性能20mm機関砲>ファランクス]]（[[CIWS]]）×2門&br;[[機関銃]]座×7基（必要に応じ[[12.7mm機関銃M2>ブローニングM2]]を設置）|
|[[艦載機]]|最大搭載機数11機、同時発着機数3機&br;[[SH-60K>SH-60]]哨戒ヘリコプター×3機&br;[[MCH-101>AW101]]掃海・輸送ヘリコプター×1機|
|[[C4Iシステム>C4I]]|海上作戦部隊指揮支援管制システム（MOF((Maritime Operation Force System.))システム）&br;海上用汎地球指揮統制システム（GCCS((The Global Command and Control System.))-M）&br;OYQ-51洋上ターミナル（MTA）&br;[[OYQ-10"ACDS">OYQ-10]] 戦術情報処理装置（[[リンク11/14/16>データリンク]]対応）|
|[[レーダー]]|[[FCS-3]] 多機能型（捜索用、FC用アンテナ各4面）×1基&br;[[OPS-20C>OPS-20]] 対水上捜索用×1基|
|[[ソナー]]|OQQ-21 統合ソナー・システム|
|[[電子戦]]・対抗装備|NOLQ-3C 統合電子戦システム&br;Mk.36"SRBOC"[[デコイ]]展開システム（Mk.137 [[チャフ]]・[[フレア]]発射機×4基）&br;曳航具4型 対[[魚雷]][[デコイ]]×2基|
~
**同型艦 [#a0904450]
,艦番号,艦名,主造船所,起工,進水,就役,所属
,DDH-181,ひゅうが,[[IHI]]マリンユナイデット&br;横浜工場,2006.5.11,2007.8.23,2009.3.18,第1護衛隊群第1護衛隊&br;（横須賀基地）
,DDH-182,いせ ,IHIマリンユナイデット&br;横浜工場,2008.5.30,2009.8.21,2011.3.予定,
|艦番号|艦名|主造船所|起工|進水|就役|所属|
|DDH-181|ひゅうが&br;（JS Hyūga）|[[IHIマリンユナイテッド&br;横浜工場>IHI]]|2006.5.11|2007.8.23|2009.3.18|第3護衛隊群&br;第3護衛隊&br;（舞鶴基地）|
|DDH-182|いせ&br;（JS Ise）|~|2008.5.30|2009.8.21|2011.3.16|第2護衛隊群&br;第2護衛隊&br;（佐世保基地）|
~
関連：[[日向(戦艦)>日向]]
