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*&ruby(ねつのかべ){【熱の壁】}; [#r60d0a5f]
&ruby(ヒートバリアー){Heatbarrier};.~
[[音の壁]]を越えた人類の前に立ちはだかった新たな「壁」。~
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[[マッハ]]3にも達する[[飛行機]]は空気の断熱圧縮により部分的に1000度を超える熱を持つ。~
多くの[[飛行機]]を構成する資材である[[アルミ>アルミニウム]]やジェラルミンの類の合金では、この熱に耐えることが出来ない。~
これを解消するためには、より融点の高い[[チタニウム]]や[[鉄]]を素材として採用することが必要となるが、前者は加工を行うのに莫大な投資を必要とし新たに[[コストの壁>金の壁]]を招き、そして後者は非常に重いため航空機には向いていない。~
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この壁を越える事は技術的には可能だが、調達価格が非常に高価になってしまうため、[[マッハ]]3を超えて飛べる実用機は[[SR-71]]と大気圏外を航行する機体を除いて誕生していない(([[MiG-25]]の[[カタログデータ>カタログスペック]]は[[マッハ]]2.83であるが、リビア上空でマッハ3.2を観測したという記録あり。))。~
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関連:[[極超音速]] [[金の壁]]

[[音の壁]]を越えて加速する[[航空機]]・[[ミサイル]]における、材料工学的な耐熱性に由来する限界速度。~
一般には[[マッハ]]3程度が「熱の壁」が待つ領域とされる。

大気圏内を超音速で前進すれば、押しのけられた空気も超高圧になり、[[断熱圧縮]]によって深刻な高温を持つようになる。~
例えば、[[マッハ]]3で飛行する[[飛行機]]は、部分的に1000度を超える熱を持つ事になる。~

>これをして「摩擦熱で燃え尽きる」と表現する場合があるが、これは間違い。~
高密度の硬い路面と衝突するタイヤはともかく、大気ほど薄い気体との衝突では摩擦熱はほとんど発生しない。

このため、耐熱性の低い[[アルミニウム]]やジェラルミンではなく、融点の高い構造材を用意しなければならない。~
このため、加工困難な[[チタニウム]]、重量のかさむ[[鉄]]、脆くて使い捨ての耐熱セラミックなどが必要とされる。~
どれも設計上あまり効率的とは言えない素材であり、科学的には突破も可能だが、経済的にはあまり現実的でない。

関連:[[極超音速]] [[金の壁]] [[SR-71]] [[スペースシャトル]]


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