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*&ruby(でんどうき){【電動機】}; [#v86857a5]
Motor.~
外部から与えられた電気エネルギーを回転エネルギーに変える機関。~
一般に[[モーター]]といえば、この電動機のことを指す。~

電気エネルギーを消費して回転運動を行う機関。[[モーター]]。~
電流を電磁石に流して磁気を発生させ、その磁力による反発を[[トルク]]として利用する。~
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燃焼反応を用いる[[発動機>エンジン]]よりも、速度[[トルク]]域において広く高効率であり、クリーンで制御も簡単、危険も少なく、理想的な機関である。~
だが、現状では電気エネルギーの確保に問題がある。~
それは、商用電源の確保には熱エネルギーを使っていることが殆ど((化石燃料を燃やしたり[[放射性物質]]を臨界反応させることで水を沸騰させ、その蒸気をタービンに吹き付ける[[蒸気タービン]]や、高温・高圧の燃焼ガスをタービンに吹き付ける[[ガスタービン]]により電気を起こすことが多い。))である事に加え、[[化学燃料>燃料]]に比べて貯蔵が難しいからである。~
そのため、各社が自然エネルギーを使った発電や効率よく長持ちする[[電池]]の開発にしのぎを削っている。~
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用途は電車や工場等の主電動機として用いられる大型電動機から、制御に用いられる小型機など、用途に応じて様々なものがある。~
商用電源を得られる場所や[[電池]]で事足りる用途では、[[発動機>エンジン]]より使い勝手が良いことから、広く家庭にも入り込んでいる。~
また、[[発動機>エンジン]]自体を動かすためにも電動機は用いられている。~
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大きく分けて、電気エネルギーとして直流を使う直流機(直流電動機)と交流を使う交流機(交流電動機)、パルス電圧で駆動するパルスモーターがある。また、交流機は誘導機と同期機に分けられる。~
直流機や同期機は発電機としても用いられる((このことは、1873年にウィーンで行われた電気博覧会での有名なエピソード「ある発電機の結線を間違えて、別の発電機が発生した電気が発電機に流れたら突然動き出し、電動機が有名になった」につながる。))。~
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いずれも電磁石と永久磁石、または電磁石との反発力を用いて回転エネルギーを生み出す。~
概ね性能を改善するために[[鉄芯>鉄]]が入っていて重いが、制御用の小型機では鉄芯のないものもある。~
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軍事用途では主機関としては[[発動機>エンジン]]が殆どであるため、専ら酸素が重要な[[潜水艦]]で主機関として使われるのみであり、あまり表に出てくることは無いが、ハイブリットや[[燃料電池]]等の研究が盛んになっていることから、陸上兵器でも近いうちに登場するかもしれない。~
なお、[[発動機>エンジン]]に比べて多少の過負荷にも耐えるのも利点であるが、[[エレファント]]の様に慢性的な過負荷に対しては内部の銅線が持たないため故障が頻発する。~
電動機そのものは効率良く、環境負荷や危険も少なく、制御も容易という理想的な機関である。~
しかし動力源となる電気エネルギーの確保に難があるため、[[内燃機関]]のシェアを奪うに至っていない。~

>電力を得る発電機として現在主流なのは巨大な[[蒸気タービン]]・[[ガスタービン]]である。~
これらの発電方法は「[[燃料]]→熱→回転運動→電流」という複雑な変換プロセスを経るため、ロスが非常に大きい。~
加えて、電気エネルギーは効率よく蓄積・保存するのが極めて困難である。~
自然エネルギー発電や高効率[[電池]]などの新技術が待たれる所である。

都市電力網や[[電池]]から電力の供給を受けるもので、特に小型機械の分野で高いシェアを占める((2012年現在、直径1cmに満たないサイズで安定稼働させる事が可能な唯一の[[エンジン]]である。))。~
危険な[[燃料]]の管理を必要としないため、家庭や工場などでも広く利用される。

一方、[[軍事]]では電子機器など限られた用途にのみ用いられ、巨大な[[兵器]]の動力源としてはあまり利用されない。~
動力源の長期間の蓄積が難しい、という点が兵器としての運用上著しく不的確なためである。~
とはいえ、[[エンジン]]駆動時の余剰出力を電流に変換して電子機器を動かす事は広く行われている((そして電子機器の多くは内部に小さな電動機を内蔵している。))。

>例外的に、酸素資源が極めて貴重な[[潜水艦]]の動力として用いられる場合がある。


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