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*&ruby(ちょうおんそくじゅんこう){【超音速巡航】}; [#f9f0c7f2]
[[アフターバーナー]]を使わずに[[超音速]]飛行を持続すること。~
従来は[[アフターバーナー]]を使用しなければ[[超音速]]飛行ができず、また使用すると数倍の燃料消費率に跳ね上がってしまう上に継続して使用ができず、平時、戦時ともに[[超音速]]飛行はあまり行われなかった。~
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[[F/A-22]]が搭載するF119エンジンは非常に推力が大きく、[[アフターバーナー]]を使用しなくても[[超音速]]で継続して飛行することが可能になった。~
そのため [[F/A-22]] の機体は[[マッハ]]1.5で高度40,000ftを飛行する際の抵抗を抑えることを優先したデザインとされている。~
そしてミサイルの発射もこの速度域で行なうことを前提としているため、超音速飛行中の[[ウェポンベイ]]の開閉に伴う悪影響の試験も重点的に行なわれている。~
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また、高速飛行中にミサイルを発射すれば、ミサイルの射程の延伸を狙うこともでき、[[AIM-120]] ミサイルの場合、通常の戦闘機の飛行領域である[[マッハ]]0.9での発射に比べると約50%もの射程の延長が可能という。~
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しかし[[超音速]]飛行には[[衝撃波]]がつき物であるため、平時では人家などの存在する空域ではまず行われない。~
supercruise

[[航空機]]が[[超音速]]で長時間に渡って航行し続ける事。~
“長時間”という前提のため、[[アフターバーナー]]による短期的な超音速飛行は要件を満たさない。

>ただし、機構として最も難しい初期加速を[[アフターバーナー]]で賄う設計は多い。~
いったん[[音の壁]]を突破した後、[[ドライ推力>ミリタリー推力]]に移行して[[超音速]]を維持するものである。

[[ジェットエンジン]]式航空機の黎明において、旧来の航空力学の限界を超える試みとして盛大に研究された。~
「超音速」は技術者にとって一種の夢であり、また速度性能は重要な基礎研究課題でもあった。

しかし、1970年代以降の実用上の教訓から、超音速巡航は無用とされ始めた。~
あらゆる航空機において、超音速性能は[[ペイロード]]を非常に圧迫し、燃費を著しく悪化させた。~
また、[[軍用機]]において、音速を超える域の速度性能は兵士の生還にほとんど寄与しなかった。~

>[[戦闘機]]は超音速での[[ドッグファイト]]に耐えうるような[[運動性]]を持ち得ない。~
回避運動を取れず直進するだけなら、たとえ超音速であっても[[地対空ミサイル]]で撃墜可能である。~
また逆に、[[ドッグファイト]]に移行するには減速が必要で、そうなれば超音速巡航性能は無意味だった。

ただし近年、[[ステルス]]技術の発達とともに復権の向きもある。~
[[レーダー]]に捕捉されないのであれば、敵が[[空爆]]に対応できる時間は極めて短い。~
従って、超音速巡航で迅速に転身すれば、敵が対応され交戦が始まる前に撤退する事が可能となる。


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